フリーランスは厚生年金に入れない!国民年金への切り替えと年金額を知る
フリーランスは厚生年金に入れないことをご存知ですか?厚生年金はサラリーマンのための年金なので、フリーランスになる時に国民年金に切り替えなくてはいけません。切り替えを忘れると滞納してしまう可能性があるため、注意が必要です。長期に渡り未納になっているとペナルティを受けてしまいます。また、厚生年金と国民年金は異なる制度なので、年金額などに違いがあります。ここでしっかりと年金に関する知識をつけておきましょう。
この記事では、フリーランスになる前・なって間もない方が考えなければいけない年金のことについて説明していきます。具体的には、厚生年金と国民年金の違いや年金の手続きの方法、滞納や未納をするとどうなるのか、年金額のシミュレーションなどについてお伝えしていきます。
目次
目次
- 厚生年金と国民年金はどう違うのか?
- 国民年金はいつから払わなければならないのか?
- 国民年金はいくら支払って、いくらもらえるのか?
- 国民年金だけじゃ老後が不安!他の年金も考えよう
厚生年金と国民年金はどう違うのか?
はじめに、厚生年金と国民年金の違いを、項目を分けて説明していきます。切り替える前に、しっかりと違いを把握しておきましょう。
加入者の違い
冒頭でもお伝えしましたが、厚生年金はサラリーマンのための年金制度なので、フリーランスは入れません。そのため、フリーランスになったら国民年金に加入することになります。なお、フリーランスは、法的には個人事業主に該当します。
ポジションの違い
そもそも、厚生年金と国民年金はポジションが違います。年金制度は、「1階部分・2階部分・3階部分」と、3層に分かれており、年金を上乗せしていく仕組みになっています。厚生年金は2階部分に相当する年金制度で、1階部分に相当する国民年金の上に位置しています。つまり、サラリーマンの方は、国民年金と厚生年金の2つに加入しているのです。フリーランスの方が加入する、2階部分に相当する「国民年金基金」という年金制度もあります。後ほど詳しく説明します。
ただし、サラリーマンとフリーランスでは加入者の種別が異なります。サラリーマンの場合は「第2号被保険者」、フリーランスの場合は「第1号被保険者」として国民年金に加入します。単なる分類ではなく、第1号被保険者には、付加年金や寡婦年金、死亡一時金、脱退一時金などの独自の制度があります。
年金額の違い
まったく異なる制度なので、当然ながら支払う年金額・支給される年金額に違いがあります。厚生年金は、国民年金よりも高額な年金を支払っています。会社が半額を負担してくれているため、それほど意識していないかもしれませんね。国民年金のほうが支払う金額が安いからといっても、一概に喜んでいいわけではありません。払う金額が少ないということは、もらえる金額も少ないということだからです。年金額については後ほど詳しく説明します。
国民年金はいつから払わなければならないのか?
次に、国民年金の手続きや支払いについて説明していきます。ペナルティが怖いので、払い忘れがないようにしましょう。
切り替えの手続き
切り替えは、会社を退職したタイミングで行います。フリーランスになってからではないので、注意してください。退職後、2週間以内が望ましいでしょう。切り替えは、各都道府県の役所にて行います。国民健康保険に切り替える方は、同時に手続きをすると手間が省けます。手続きには、印鑑や免許証などの本人確認書類が必要です。忘れずに持っていきましょう。
いつから支払うのか?
手続きからしばらく(1ヶ月程度)すると、国民年金の振り込み用紙が送られてきます。切り替えた月の分から、毎月一定額を支払います。滞納しないように、月末までお金を確保しておきましょう。支払金額については後ほど説明します。
支払い方
支払いは、銀行振込や口座引落、クレジットカードなどで行なえます。振込以外の方法で支払うには手続きが必要です。手続きにはかなり時間がかかるため、最初は振込で済ませる必要があります。
支払いは1ヶ月毎の納付の他にも、6ヶ月分・1年分・2年分といった期間の年金をまとめて支払う「前納」という支払い方法もあります。前納すると、期間に応じた割引が適用されます。たとえば、2年だと15,360円割引されます。定期預金に預けていても、そんなに利息がつくわけではないので、お金がある方は先に支払っておいたほうがお得です。
滞納や未納をするとどうなるのか?
国民年金は任意加入ではなく、強制加入です。20歳以上60歳未満の方は、絶対に国民年金を支払わなければいけません。もし、未納のまま放置すると、督促状が届き始め、最終的には財産を差し押さえられてしまいます。しかも、期間に応じて、延滞金も支払うことになります。怖いですね。滞納してしまった場合でも、2年間は後から支払ってもOKです。
もし、経済的な事情でどうしても支払えない場合には、役所に相談しましょう。減免制度があるため、条件に該当する方は年金額の一部または全額が免除されます。未納のまま放置しないようにしてください。
国民年金はいくら支払って、いくらもらえるのか?
国民年金の保険料は、物価の上昇率や実質賃金を考慮して毎年改定されます。平成28年度(2016年)の金額は月額16,260円です。上述のとおり、まとめて支払うほどこの金額から値引きされていきます。それでも年額にすると結構な金額の支払いになります。
さて、次はいくらもらえるのか?ということですが、40年間(満期)に渡り年金を納めた場合、65歳から毎月約65,000円が支給されます。もし、40年間の内に未納の期間があると、この金額から減額されてしまいます。
ご覧のとおり、満額を支給されても、とても国民年金だけで生きていけるとは思えません。そのため、次に紹介する他の年金も組み合わせる必要があります。
国民年金だけじゃ老後が不安!他の年金も考えよう
最後に、国民年金以外の年金制度を紹介します。これで老後の不安をなくしましょう。
付加年金
付加年金は独立した制度ではなく、国民年金に付随するものです。国民年金保険料にプラスして、毎月400円支払うことで、将来の支給年金額を「加入月数 × 200円」だけ増やすことができます。いつ支払い始めても2年間で元が取れます。国民年金加入後に役所で申し込みをしましょう。
国民年金基金
国民年金基金は、2階部分に相当する年金制度です。複数のプランと口数を選択して、自分で年金額を設定できます。お財布と相談して、年金額を調整しましょう。加入途中での変更も可能です。他の年金制度も同じですが、所得控除の対象となるため、節税にもなってお得ですよ。申込みは、各都道府県に設置されている国民年金基金の事務所で行います。
確定拠出年金
確定拠出年金は、掛け金を自分で運用するちょっと変わった年金制度です。毎月の掛け金を5,000円から68,000円の間(1,000円単位)で設定し、支払った掛け金を投資信託などの金融商品で運用します。実際に運用するのは銀行などの金融機関なので、あなたは運用の指示を出すだけです。運用の成果に応じて、将来の支給額が決まります。運用がうまくいかないと、元本割れ(元の掛け金よりも減少する)の可能性があります。リスクの高い年金といえるでしょう。加入するには、確定拠出年金を運用しているみずほ銀行などの金融機関で手続きします。
まとめ
フリーランスとして、どう年金に対応すればいいかお分かりになりましたか?これからフリーランスになる方は、国民年金への切り替えを忘れないようにしましょう。すでにフリーランスの方で、国民年金への切り替えをしていないなら、今すぐに手続きをしましょう。また、老後のために、国民年金以外の年金も検討してください。少額から始められますので、それほど負担にはならないはずです。何十年後かに困らないように、今から手を打っておきましょう。あなたは老後に不安はありませんか?
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