フリーランスも要確認!「インボイス制度」によって受ける影響とは?

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2023年10月からインボイス制度が開始しますが、詳しい内容や必要な対処がよく分からないというフリーランスの方もいるでしょう。この記事では、インボイス制度の仕組みやフリーランスが受ける影響を中心に解説します。2022年12月に公表された負担軽減措置など、最新の情報も確認しておきましょう。

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目次

インボイス制度とは?いつから始まる?

まず、インボイス制度の概要について説明します。

消費税の仕入税額控除に「適格請求書」が要件となる制度

インボイス制度とは、正式には「消費税の適格請求書等保存方式」のことです。

消費税には、売上げの消費税から仕入れや経費で支払った消費税を控除できる、仕入税額控除制度があります。仕入税額控除を受けるには、請求書や経理方式が要件を満たす必要があります。

現行では、消費税の税率ごとの合計額などを記載する「区分記載請求書等保存方式」がその要件です。

しかし、インボイス制度(適格請求書等保存方式)が開始されると、仕入税額控除には、税率ごとに区分した税額や請求書発行者の名称および登録番号の記載された「適格請求書」(インボイス)が必要になります。

適格請求書を発行するには、適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)の登録を受けなければなりません。登録ができるのは、消費税課税事業者に限られます。つまり、インボイス制度開始後は、免税事業者からの仕入れについては消費税の仕入税額控除ができなくなるのです。

2023年10月1日より開始(経過措置あり)

インボイス制度の開始は、2023年10月1日です。ただし事業者への影響が大きいため、制度開始後6年間は以下の経過措置が設けられています。

・2026年9月30日まで:免税事業者の課税仕入れのうち80%を控除可能

・2029年9月30日まで:免税事業者の課税仕入れのうち50%を控除可能

インボイス制度でフリーランスや個人事業主が受ける影響

先に述べたとおり、インボイス制度が開始されると、課税事業者は免税事業者との取引で消費税の仕入税額控除が受けられなくなります。制度開始により、現状免税事業者であるフリーランスや個人事業主が受ける影響について説明します。

課税事業者になるか決める必要がある

適格請求書を発行するには適格事業者登録が必要です。

適格事業者に登録するには、消費税の課税事業者であることが条件になります。現在免税事業者であるフリーランスや個人事業主は、インボイス発行のために課税事業者になるか、免税事業者を続けるかの選択を迫られます。

課税事業者になれば手取りが減る可能性

課税期間中の売上が1,000万円以下の事業者は、消費税の納税義務が免除されています。そのため、課税売上の消費税額が仕入額の消費税を上回る場合は、免税事業者を選択することで益税となっていました。

例えば、500万円の売上が発生した場合は消費税10%の50万円が追加で支払われていますが(総額550万円)、その消費税を納税する必要はなく、手元に利益として残せたのです。

しかし、インボイス発行事業者になれば、消費税の納税義務が生じます。益税分がなくなり、現状より手取りが減少する可能性があります。

免税事業者を続ければ取引減少のリスクも

インボイス制度が開始されても、売上1,000万円未満の事業者は免税事業者であり続けることもできます。免税事業者は従来どおり消費税の納税義務はありません。

しかし、取引先は免税事業者との取引による仕入税額を控除できなくなるため、負担が増します。

その結果、免税事業者との取引を控えて課税事業者との取引を選択するようになると考えられ、免税事業者のままでは取引が減少するリスクが発生します。また、消費税額相当分の減額を交渉される可能性も否定できません。

そのため、免税事業者を続けた場合でも、収入が減少する可能性が高いでしょう。

ただし、取引先も免税事業者である場合や、取引先が消費税の簡易課税制度を選択している場合にはインボイスが不要なため、影響はないと考えられます。

インボイス制度にフリーランスが取れる対策は?

インボイス制度が開始されると、手取りが少なくなるフリーランスも多いでしょう。少しでも負担を抑えるために取れる対策を、ケース別に紹介します。

課税事業者になる場合:簡易課税を検討する

消費税の課税方法には、本則課税と簡易課税があります。

本則課税:「売上に係る消費税-仕入に係る消費税」で課税額を算出

簡易課税:業種別のみなし仕入率(90~40%)を売上に乗じて算出した額を、仕入に係る消費税として控除して課税額を算出(事前申請が必要)

エンジニアやプログラマーは第5種事業に該当し、みなし仕入率は50%です。経費の割合が低い業種のため、一般的に簡易課税のほうが有利になります。また、簡易課税では仕入税額を計算する必要がありません。

負担軽減の対策として、簡易課税での納税を検討するのもひとつの方法です。

免税事業者を続ける場合:スキルを高めて取引継続に繋げる

取引先が課税事業者の場合、インボイス制度開始後は免税事業者との取引を控えるようになる可能性があります。

しかし、取引先に「消費税分のコストを負担しても取引を続けたい」と思わせられれば、取引の継続も期待できるでしょう。報酬の交渉の余地も出てきます。

インボイス制度の登録方法

インボイス発行事業者になるには、適格事業者登録が必要です。登録の申請方法について解説します。

なお、免税事業者が2029年9月30日までの課税期間中に適格事業者登録を受ける場合は、経過措置により消費税課税事業者選択届出書は必要ありません。

e-Taxもしくは郵送で登録申請

適格事業者登録の申請はe-Taxで可能です。個人事業主の場合は、Web版・e-Taxソフトに加えSP版(スマートフォン・タブレット)も利用できます。

e-Taxでは、画面の指示にしたがって必要な情報を入力していくだけで簡単に申請できます。確定申告同様、提出にあたってはマイナンバーカードによる電子証明や電子署名が必要です。

また、「適格請求書発行事業者の登録申請書」を管轄のインボイス登録センターに郵送することでも申請できます。

申請後登録番号が通知されるまでにかかる時間は、e-Taxで約3週間、郵送で約2ヵ月です(※処理状況によって変わります)。申請時に記載内容に間違いがあるとさらに時間を要するため注意しましょう。

登録申請期限は2023年9月30日まで延長

当初、インボイス制度開始時に適格事業者になっておくには、申請に困難な事情がない限り2023年3月31日が期限でした。

しかし、令和5年度税制改正大綱(2022年12月23日閣議決定)において、実質的な期限延長が発表されました。困難な事情の有無に限らず、9月30日までに申請を行えば制度開始時より適格事業者になれます。

課税転換者には「2割特例」の支援措置

令和5年度税制改正大綱では、インボイス制度開始にあたり適格事業者の登録を受ける免税事業者を対象とした「2割特例」も発表されました。

2割特例とは、2026年9月30日までの日が属する各課税期間を対象に、納税額を売上税額の2割とできるものです。課税転換者の税および事務負担の軽減を目的としています。

特例の適用にあたり、事前の申請は必要ありません。申告時に特例適用を記載するだけで良いので、選択している課税方法と比較して有利なほうを選択できます。

インボイス制度の問題点:反対の声も!?

インボイス制度は、消費税額と消費税率を正確に把握することを目的とした制度です。電子インボイスも認められるようになり、事業の効率化が図れる一方、免税事業者であるフリーランスや個人事業主からは反対の声も多く聞かれます。

インボイス制度にはどのような問題点があるのかも知っておきましょう。

フリーランス・個人事業主への打撃が大きい

先に述べたとおり、インボイス制度の開始により免税事業者が課税転換すれば消費税分のコストが上がり、免税事業者のままでは取引減少や、交渉によって消費税分の値引きを受け入れなければならなくなるリスクがあります。

どちらにしてもフリーランス・個人事業主には大きな打撃です。特に売上が少ない事業者は負担増から廃業に追い込まれることが危惧されています。

会計処理が煩雑になる

インボイス制度が開始されれば、会計処理が煩雑になることも問題点です。

課税事業者の場合、現行の制度では消費税の課税取引であれば仕入税額控除の対象ですが、インボイス制度開始後に仕入税額控除の適用を受けられるのは、インボイスが発行された取引のみです。

そのため、帳簿やシステムの整備・改修に関するコストや手間も必要になります。

また、免税事業者が課税事業者に転換した場合には、新たに消費税申告の手間が増える点にも注意が必要です。自身での申告が難しい場合には、専門家への依頼コストも上乗せされる点も想定しておく必要があるでしょう。

インボイス制度への対応は慎重に検討しよう

インボイス制度の開始にともない、免税事業者は課税事業者になって適格請求書を発行するか、取引先減少リスクを抱えつつ免税事業者のままでいるか選択を迫られることになります。

どうするのが良いかは、個々の売上規模や取引先、競合の環境などによって異なります。制度開始にあたって、対応を慎重に検討しましょう。免税事業者を続ける場合は、取引継続のためにフリーランスとしての競争力を高めておくことも対策になります。

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