フリーランスになったときや環境が変わったときには、いくつかの届出が必要になります。どんなときにどんな届出が必要になるか、把握していますか?もし、届出を忘れてしまうと、後になって不利な状況になったり、余計なお金を払うことになったりしてしまうかもしれません。そうならないように、フリーランスとして自分でどんな届出をしなければいけないのか、しっかり把握しておきましょう。
この記事では、
- これからフリーランスになろうと考えている方
- すでにフリーランスとして働いている方
のために、フリーランスを始めるときに必要になる届出やフリーランスを始めてから必要になる届出、フリーランスを有利に進めるための届出などについてお伝えしていきます。ぜひご一読して、必要な届出を忘れずに行いましょう。
目次
- フリーランスは絶対に開業届けを出さなければいけないの?
- フリーランスになるときにどんな届出が必要なの?
- フリーランスを有利に進めるために出しておくべき届出は?
- 他にも、こんな場合に届出が必要になる
開業届けは必須?フリーランスは絶対に出さなければいけない?
開業届けをご存じでしょうか?開業届けは、国に「あなたがどのような事業を行っているか」を知らせるための手続きです。なぜ国に知らせなければいけないかというと、あなたは国に税金を納める義務があり、税金は事業と密接に関係しているからです。事業を行い、一定以上の利益を得たならば、税金を納めなければいけません。
フリーランスになる際に絶対に開業届けを出さなければいけないかというと、実はそうではありません。なぜかというと、開業届けを出さなくても、確定申告を行うことで、国はあなたが事業を行っていることがわかるからです。確定申告は、所得税を納めるための手続きです。確定申告をしなければ脱税となってしまうため、避けることはできません。
このように、開業届けの提出は必須ではありません。しかし、別の手続きを行うための前提となっていることもあり、しっかりと行っておくことを推奨します。デメリットはありませんので、安心してください。
フリーランスに必要届出って何?
フリーランスになる際には、上述の国に提出する「開業届け」の他にも、都道府県および市町村に提出する「事業開始の届出」があります。これはお住まいの地域によって、必要かどうか変わってきます。役所のホームページなどで確認してみてください。よくわからなければ電話で聞いてみましょう。
なぜ、国と都道府県の両方に届出を出す必要があるかというと、税金の種類によって納める先が違うからです。「所得税」は国税として国に納めますが、「個人事業税」は都道府県に納めます。そのため、国にも都道府県にも事業を開始したことを知らせなければいけないのです。なお、個人事業税はすべての方に課せられるものではなく、特定の業種で一定以上の売上がある場合のみとなります。
通常は、上記の2種類の届出だけで済みます。業種によっては、別途届出や許可、免許などが必要になる場合がありますが、フリーランスの方には関係ないでしょう。
「開業届け」と「事業開始の届出」には、いちおうの提出期限が設けられていますが、実際にはいつ提出しても問題ありません。開業して随分経ってから出す方も数多くいます。役所の方もそれほど厳格には考えていないようです。慌てて出す必要はありませんので、自分に都合のいいタイミングで提出しましょう。
有利になる!?出しておくべき届出とは
必須ではないものの、出しておくとフリーランスを有利に進めることができる届出があります。それは、「所得税の青色申告承認申請書」です。確定申告には、白色申告と青色申告の2種類があります。白色申告のほうが簡単なのですが、青色申告にしたほうが納める税金を安くできるなどのメリットがあるのです。
なにも届出をしないと自動的に白色申告になるため、青色申告をする前に届出を行っておく必要があります。前提条件として、ため、先に開業届けを出しておくか、同時に提出する必要があります。また、開業日から2ヶ月以開業届けを提出していなければならない内に提出しなければいけないことにも注意が必要です。遅れると、その年の確定申告は白色申告になってしまいます。
青色申告の届出をするメリットのひとつに、記帳指導を無料で受講できることがあります。届出をすると、後日税務署から記帳指導のお知らせが届きます。年4回の記帳指導で、確定申告までサポートしてくれます。初めての方には記帳はやや難しいものです。プロの方が確定申告ソフトを使って教えてくれるので、どなたでも記帳ができるようになるでしょう。なお、記帳指導は税務署が直接行うのではなく、委託を受けた青色申告会などの団体が行います。
もうひとつ、家族の方に事業を手伝ってもらう場合、「青色事業専従者給与に関する届出書」を出すことで、家族の方への給料を経費にできます。つまり、所得が少なく抑えられ、納める税金が少なくなるということです。常識的な範囲内であれば、全額を経費にできます。届出書には、支払う給料を記載する必要がありますが、必ずしもその金額どおり支払わなければいけないわけではありません。記載した金額よりも少なくてもOKです。なお、青色事業専従者(家族の方)は、扶養から外れてしまうことに注意しましょう。
場合によって提出必須な届出も
最後に、場合によって必要になる届出を紹介します。あなたも必要になる可能性がありますので、覚えておいてください。
転居(住所変更)した場合
引っ越しなどで住んでいる住所が変わった場合には、「開業届け」と「事業開始の届出」を出し直す必要があります。変更の際も用紙は同じものなので、最初に提出した届出の控えを参考に記入しましょう。合わせて「所得税の納税地異動に関する届出」も必要になります。
また、国民健康保険などの社会保険も、同じく住所変更の届出が必要です。転出する市区町村の役所にて「資格喪失」の手続きを行い、転入する市区町村の役場で「加入」の手続きを行います。なお、一時的に健康保険証を返還しなければいけません。医療機関に行く予定がある場合には、先に済ませておきましょう。
年間の売上が1000万円を超えた場合
腕のいいフリーランスの方は、年間の売上が1000万円を超える場合もあります。その場合には、翌々年に消費税を納めなければいけません。該当する方は、「消費税課税事業者届出書」を提出する必要があります。なお、消費税の処理はやや難しいため、税理士の方の力を借りることをおすすめします。
減価償却の方法を変更する場合
10万円以上(特例を適用する場合は30万円以上)の備品を購入した場合には、一度に全額を経費にすることはできません。その場合には、何年かに分けて経費にしていきます(減価償却)。減価償却の方法には、「定率法」と「定額法」の2種類があり、備品の種類によってどちらになるか決められています。もし変更したい場合には、「所得税の減価償却資産の償却方法の届出書」を提出しなければいけません。なるべく早く経費に算入したいなら、届出を行っておきましょう。
まとめ
フリーランスに必要な届出がお分かりになりましたか?これからフリーランスになろうと考えている方は、届出に必要な書類の準備をはじめてみましょう。ほとんどの書類はPDFでダウンロードできますので、印刷するだけで簡単に入手できます。すでにフリーランスになっている方は、現在の環境で必要な届出はないか考えてみましょう。フリーランスになったときと状況が変わっているかもしれません。フリーランスを有利に進めるために、届出をしてください。あなたに必要な届出はありましたか?
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