フリーランスのみなさん、普段から経理の仕事もきちんと進めていますか?自分はエンジニアだから、デザイナーだから経理の仕事はよくわからない、では通りません。国民である以上納税は義務ですし、そのために確定申告や日頃の経理の仕事があります。
この記事ではフリーランスのために確定申告を少しでも楽にするコツをご紹介します。簿記は勉強しておくべきか、会計ソフトの使い勝手はどうか、セミナーなどで効率よく知識を得ることはできるかなど、ぜひ参考になさって下さい。
そもそもなぜ確定申告をしなければならないのか
毎年年末から年始にかけて確定申告の準備でフリーランスは忙しくなりますがそもそもどうして確定申告が必要なのでしょうか?
日本の税制は申告制です。つまり、「私の収入は◯◯円で、法律に従うと税金は△△円となります」と申告して納税をします。この手続きが確定申告です。
ただし国民全員が税金を申告すると、支払う側も受け取る側(税務署、国税庁)も手が回りません。そのためサラリーマンや、報酬が一定以上の金額となる人の場合は、支払側があらかじめ税金を天引きする「源泉徴収制度」が設けられています。この場合、賃金や報酬を支払う側が一定額を納め、納付した金額などを年末、支払調書という形で交付します。
フリーランスはサラリーマンと違い、源泉徴収してもらえない案件もあるため、自分で税金を計算して申告しなければ、違法な納税回避、悪質であれば脱税とみなされるわけです。
税務調査がくる!?日々の経理の仕事は正しい申告のために大切
納税額を申告する上で、計算を間違える可能性は否定できません。そのため納税が正しく行われているかを確認するために税務調査がされることもあります。
基本的にきちんと対応すれば税務調査は何も恐くありませんが、誤りのない適正な納税のためには日々の経理の仕事をしっかりとしておきましょう。
参照:厚生労働省「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」
フリーランスなら簿記3級程度の知識があると◎
経理の仕事をするためにはある程度の知識がなければ始まりません。
手始めとして、簿記の勉強をおすすめします。
ご存じない方は「簿記は難しそう」だと敬遠されることもあるでしょう。特に、勉強をせず自力で帳簿をつけたり、領収書をまとめて経費計算をしたりした経験がある方は「もうやりたくない」と根をあげてしまいがちです。
しかしそれではいつまでも確定申告、ましてや正しい納税にはたどり着きません。
本屋やネットの口コミを見ると、独学で合格できる簿記3級の良質な参考書や問題集がたくさん紹介されています。
簿記3級に合格する必要はありませんが、これらの参考書や問題集には
- 仕訳
- 費目科目
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 売掛金
- 買掛金
など、確定申告で必ず知っておかなければならない言葉がすべて解説されています。独学用の参考書や問題集に少しでも触れておけば、フリーランスにとって不可欠である納税の知識を手に入れることができます。
会計ソフトを活用しよう
会計ソフトは簿記の知識がなくても使えるように工夫されているものも多いですが、多少の知識があると効率が上がり、ソフトもすぐに使いこなせるようになります。
会計ソフトを使えば、日々の売上や使った経費を入力していくだけで確定申告に必要な書類が出来上がるのでぜひ1つ使ってみることをおすすめします。
勉強のためにセミナーに参加しよう
経理、確定申告に悩むフリーランスは多く、各地でセミナーが開催されています。セミナーは出席のための手間がかかるものの、実際に講師と直接話しができるうえ、他のフリーランスと交流するきっかけにもなるのでおすすめです。
会計ソフトメーカーが開催する確定申告セミナー
会計ソフトメーカーは自社製品を使いこなしてもらうために確定申告セミナーを開催しています。
宣伝や広告も兼ねているため無料のものが多く、出席者も経理のことに不安を感じている方が多いためわかりやすく説明してくれます。セミナーには会計ソフトを使った会計業務のポイント、税制の話、ソフトを使いこなすコツなど基本的なものをはじめ、税務セミナーなど企業向けのものもあります。
フリーランスが主催するコミュニティセミナー
フリーランス、特にエンジニアはオンラインコミュニティにて情報交換などを行いますが、エンジニアリング以外のテーマのセミナーを開催する場合もあります。
頻繁ではありませんが、経理についての悩みや確定申告の方法など、講師を招いて解説するセミナーも行われるのでフリーランス関係のコミュニティに興味がある方はチェックしておきましょう。
人気急上昇中!オンラインセミナーを利用する
オンラインセミナーとは動画配信できるwebサービスなどを利用し、家にいながらパソコンで参加できるセミナーです。カメラ不要で出席者は顔を出さずに済むことも多く、忙しいフリーランスやセミナー出席に抵抗のある方に向けたものとして人気があります。
フリーランスを対象としたセミナーには、初心者ライター向けのセミナーやクラウドソーシングを利用した案件受注のコツといったものもありますが、会計ソフトを提供する会社も、オンライン形式で経理セミナーや確定申告セミナーを開催しています。
気軽に参加できるため、未経験の方はぜひ試してみて下さい。
青色申告手続きと税務署の講習会
青色申告の手続きをすると、確定申告の前に税務署から講習会のお知らせが届きます。(所轄の税務署によります)これは初めて青色申告をする方に向けて、書類の書き方や申告の方法などを説明する内容のため、機会があればぜひ参加することをおすすめします。
青色申告の場合、記帳の仕方によって控除額が変わるなど大きな誤りに繋がりかねません。すでに何度か白色申告をしている方も、確認の意味で受講すると勉強になるでしょう。
フリーランスの味方「青色申告会」とは
全国各地には青色申告をする小規模事業者で構成される「青色申告会」という組織があり、地域の自営業者のネットワークとして機能しています。正しい申告と納税を目的としているため、フリーランスは入会を検討しても良いでしょう。
青色申告会の税務・簿記・会計セミナー
青色申告会は各種セミナー、講習会を開催しています。全国にある組織ですから、お住まいの地域の青色申告会をぜひ調べてみて下さい。
経理・記帳などの相談ができる
青色申告会は正しい申告と納税を目的とした団体ですから、記帳や経理の仕事、決算業務などの相談やアドバイスを受けることができます。
フリーランスはどうしても孤独になりがちで、ひとりですべてやらないといけないと考え込んでしまいがちです。相談できる方がいるのは心強いことです。
親睦会などのレクリエーション活動
ほとんどの青色申告会は定期的に親睦会やレクリエーションを開催しています。人脈などの地域ネットワークが広がることも魅力です。
税理士に会計業務を頼む?
税理士に確定申告の業務を依頼することも可能です。ただし税理士事務所によっては確定申告業務だけを請け負うことはせず、記帳なども含めて一括で請け負うところもあります。税理士ですからもちろん税務相談業務も請け負っているため、困った時に問い合わせをしてみるのも良いでしょう。
しかし、すべての会計業務を最初から丸投げするのはあまりおすすめできません。一般的なフリーランス、小規模事業者であればひとりで経理業務から申告、納税までこなすことは可能です。勉強や経験を重ね、ある程度わかるようになってから、必要であれば税理士に経理や会計業務をアウトソーシングしても良いでしょう。
正しい確定申告のために賢く立ち回ろう!
フリーランスが経理業務で困らないためにできることをお伝えしました。簿記の勉強や会計ソフトを利用するのはもちろん、セミナーや青色申告会などを利用することで効率的かつ適正に業務を進めることが可能です。
ひとりで悩まず、ひとつひとつ自分に合ったやり方で仕事を進めてみてください。
参照:確定申告をしなくてもいい場合の注意点などを解説した記事はこちら
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