フリーランスの税務〜税理士に依頼するメリットとデメリット
フリーランスの皆さんにとって、いわゆる「頭の痛い問題」は何でしょう?
おそらくすべてのフリーランスに共通する問題として「お金」のことがあると思います。事業の継続や経営などのことはもちろん、日頃の経理業務や税務のこととなると頭が痛いと感じることが多いのではないでしょうか?
そんなフリーランスや経営者の強い味方が税理士です。税理士を利用するというと、ひょっとしたら大きな会社や起業後の法人税務のことだと思い込んでいませんか?
フリーランスも税理士に頼ることで様々なメリットを得ることができますから、検討しないまま見過ごさないように注意しましょう。
この記事ではフリーランスが税理士を利用するメリットやデメリットなどを詳しく解説します。ぜひご覧下さい。
目次
そもそも税理士とは何か
税理士というと税金の専門家というイメージを抱いていると思います。もちろんそれは正しいのですが、もう少し掘り下げて考えてみましょう。
税理士の仕事
税理士は私たちフリーランスの強い味方です。
彼らは税金に関する業務、税務全般の専門家であり所得税や法人税などの確定申告をはじめとする税務を扱います。
税務と言ってもさまざまな仕事がありますが、フリーランスが個人事業主として正しく納税するために必要なものは何かご存じですか?
重要なものは「適正な会計帳簿の作成」です。みなさんはきちんと作成されているでしょうか?秋から冬にかけて、確定申告前にあわてるようであれば、会計帳簿がきちんとつけられているか怪しいかもしれませんね。
税理士は適正な会計帳簿の作成のために、私たちフリーランスが作成した帳簿のチェックや記帳など税務全般のお手伝いをしてくれる専門家と考えて差し支えないでしょう。
適正な会計帳簿の作成:税金を払いすぎていませんか?
会計帳簿が適正とはどういうことでしょうか?さまざまな解釈が可能な言葉ですが、ひとつ言えるのは売上高と経費計上に誤りがないこと、事業のために使ったお金、すなわち経費を漏れなく帳簿につけていることは適正な帳簿の条件です。
しかし税務の専門家ではないフリーランスの中には、経費として計上できるはずのものをしていなかったり、経費としては認められないものを計上していたりするかもしれません。
場合によっては支払うべき税金よりも高い額で納税している可能性もあります。適正な納税を行うことはお金の面からもとても大切なことと言えるでしょう。
フリーランスとして税理士の利用を検討したい場面
フリーランスはどんな目的で税理士に依頼できるでしょうか?具体的にいくつか挙げてみます。
法人化する場合
フリーランスとしての活動が順調であれば、法人化を検討することは少なくありません。法人化の目安、特に節税の面からどのくらいの売上が上がれば法人化するべきかについては諸説あるようです。
法人の場合、税務はかなり複雑になるため、法人化が気になる場合は税理士に相談することをおすすめします。事業内容や会計の状況から何かしらのアドバイスがもらえるはずです。
確定申告が複雑すぎる場合
確定申告そのものは会計ソフトなどを利用してフリーランス自身が行うことは難しくはありません。
しかしこれは売上とレシートや領収書などの必要経費だけで完結している場合のことであり、資産の取得や減価償却など、専門的な事が関係してくるとフリーランス自身で税務をまかなうのは難しくなります。
税理士の利用や相談を検討しても良い場面です。
経理の仕事が複雑すぎる場合
フリーランス自身が経理の仕事をまかなうこともできますが、本業に加えて経理の仕事まで手を回すのはとても大変です。
利益額が小さなうちは良いのですが、大きくなってくると納税額の負担も大きくなりがちです。さらに利益額が大きくなれば経理の仕事は複雑になる傾向にあります。
そんな時に経理の仕事がおろそかになれば、確定申告もおろそかになり、結果として適正な納税を行うことができず、納めるべき額以上の税金を納めたり、逆に申告すべき額より過小な税額で納税してしまったりすることになりかねません。
経理の仕事に大きな負担を感じているなら、税理士の利用を検討しても良いでしょう。
税理士を利用する・利用しない、メリットとデメリット
では税理士を利用する場合としない場合、それぞれどんなメリットやデメリットがあるでしょうか?
税理士を利用した場合のメリットとデメリット
メリット〜適正な会計処理
税理士に依頼する最大のメリットは適正な会計処理ができるようになることです。
今まで見落としていた経費があるかもしれませんし、帳簿の付け方に誤りがあるかもしれません。また税法の特例など知らなかったことがあれば、これも会計処理に反映できます。専門家の目でチェックしてもらえることはとても心強いでしょう。
メリット〜経理の状態を把握できる
帳簿をつけることはできても、帳簿から経理の状態を把握できるフリーランスは少ないと思います。税理士であれば客観的な目で今の状態を判断することが可能です。
デメリット〜費用面が心配?
デメリットとして顧問料や確定申告などの手続き料がかかることです。この点で躊躇する方が多いかも知れませんね。
ただし一般的には経理担当スタッフへ支払う賃金よりも税理士へ支払う顧問料の方が安いと考えられますから、このデメリットで税理士を敬遠する必要はないと思いますよ。
税理士を利用しない場合のメリットとデメリット
メリット〜経理や税務のために費用がかからない
費用がかからないのは税理士を使わない以上当然のメリットです。しかし、フリーランス自身の時間という貴重な資産を失ってしまうことはいうまでもありません。
税理士の利用を検討するほどに忙しく、売上規模が大きなフリーランスであれば費用をかけないことはデメリットに繋がりかねません。
デメリット〜効率の悪化や最悪の場合は法令違反をしてしまうことも?
税理士に任せておけば良かった、何か起きたあとにそんなことを考えてもあとの祭りです。
帳簿のつけ間違いが発覚して大変な労力を使うことになった、税務調査が入って厳しい指摘を受けたなど、これらは決して他人事ではありませんね。
税理士を使うメリットを金額の面から検討
税理士を利用するフリーランスのほとんどは時間と安心を買う
筆者の周りで税理士を使っているフリーランスに話を伺いました。
彼らの多くは確定申告時期、前年の領収書や通帳などを税理士に提出して確定申告業務をお願いしているとのことです。
費用は若干のばらつきがあるものの、15万円〜22万円ほどです。金額はかなり分散していますが、仕訳の数や内容によっても料金が変動するようです。
この税理士にお願いする金額を仮に18万円として、1ヶ月に換算すると15,000円です。
この金額は安いでしょうか?高いでしょうか?
節税効果よりもむしろ時間を買う感覚
筆者が話を聞いたフリーランスのほとんどはこの金額を安いと考えて、確定申告を税理士に依頼しているようでしたが、安いと感じる理由としては「計上できないと思っていた経費も計上できている」、「確定申告前もペースを変えずに仕事ができる」、「領収書の処理などの手間がかからない」といった答えでした。
何かあったら相談できる安心
確定申告を税理士に任せているフリーランスは皆、口を揃えて「安心だから」と言います。
正しく経理処理できていて安心、税務調査などが入るとしても税理士に立ち会いをお願いできて安心などの声が大きかったです。
このような安心を得るために専門家に依頼する金額として、月額15,000円は妥当でしょうか。答えは十人十色だと思いますが、税理士を利用するフリーランスと話をした感じでは決して高くないと筆者は感じています。
皆さんはいかがですか?
安心してどんどん売上を伸ばしていこう!
フリーランスという働き方は、自由なだけではなく売上文字分の努力と才覚次第でぐんぐん伸びる可能性があるところが魅力です。
売上が上がるにつれて経理処理や税務などが複雑になりますし、税金というと税務調査を怖がってしまうかも知れません。
しかしこの記事で解説したように税理士は正しい帳簿作成や相談業務のための専門家で、フリーランスは彼らを利用すると本業以外のことに心を煩わせることはなくなるでしょう。
みなさんは税理士の利用を検討したことがありますか?もし経理や税務に負担を感じているなら、利用する価値があるかもしれませんね。
実際のフリーランスの案件を見てみよう
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