ITエンジニアのスキルを見える化!スキルマップを作るための「いろは」 | クラウドワークス テック(旧クラウドテック)

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IT技術を取り扱う現場では、場所によって求められる知識やノウハウ、技術などが大きく変わります。たとえ、最新のIT技術を習得できていたとしても、勤務している現場で古いIT技術が求められているのであれば、あまり効果はありません。

そこで今回は、現場で求められている能力やスキルと、ITエンジニアが持っている能力やスキルがマッチしている状況なのかを確認できる「スキルマップ」の作り方について解説していきます。

このスキルマップは、主にチームや管理職の方が活かすことのできるツールです。ITエンジニアチームの運営を柔軟かつ的確に行いたい方やプロジェクトで不足しているスキルの洗い出しを行いたい方におすすめです。

ただ、個人で個人のスキルマップを作ることも決して悪いことではなく、定期的にご自身の経験やスキルを見つめなおす良い機会になります。そのため、チーム用のコンテンツとなっていますが、個人での利用にも活かすことのできる内容となっております。

参照:スキルアップ・リスキリングの重要性について解説した記事はこちら

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目次

スキルマップの定義

スキルマップとは、メンバーのスキルの習熟度を可視化してくれるツールです。プロジェクトで求められているスキルや経験、知識を項目で列挙して、そこにメンバーが現在保有している知識のレベルを追記していきます。そうすることで、プロジェクトとして強いスキルがわかるとともに、経験値や知識が足りない弱いスキルを浮き彫りにさせることができます、

スキルマップを活かすことのできるシーンとメリット

このスキルマップは、プロジェクトを進めていくにあたり、大きく2つの段階で大きな効果を与えてくれます。

1.プロジェクト開始前のメンバー集めの段階

まずは、プロジェクトを開始する前に参画するメンバーを集めていく段階です。一緒に仕事をしたことが無いメンバーであるため、誰がどんなスキルを持っているのかということは、主に職務経歴書でしか把握することができません。

また、職務経歴書であっても、プロジェクトに必要な知りたい情報全てが記載されている可能性は低いです。そんな時に、スキルマップを作成することで、お客様の要件を実現できるメンバーが揃っているのかを判断できる材料となります。もし、極端にスキルが偏っている場合には、新たなメンバーを集める必要がある他にも、場合によっては依頼を受けないという選択肢を選ぶこともあるでしょう。

2.プロジェクト遂行中の段階

プロジェクトが進むと、同じチームのメンバーであってもスキル熟練度に差が生まれる場合があります。
そのような場合には、随時スキルマップを更新し、最新の状態にしておくことが大切です。
更新をすることでプロジェクトとして対応できる範囲も変わってきます。

定期的にスキルマップを作成、点検していくことで、どんなスキルがあるのか、スキルが特定のメンバーに偏っていないかということを可視化することができます。また、点検する際にリーダーとメンバーが会話をすることで、コミュニケーション促進にもつながります。

スキルマップの全体像

今回はスキルマップのサンプルをご用意しました。とにかくスキルマップは、各現場に求められているスキルをもとに作成していくことが大事です。そして、横軸には把握しておきたいスキルの一覧、縦軸にはスキルマップを作成するメンバーを記載していきます。
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各スキルは4段階で評価し、クリアしているレベルの数字を塗りつぶしていきます。そうすることで、メンバー単位・プロジェクト単位で充実しているスキル、または不足気味になっているスキルが一目瞭然となります。

今回のサンプルのプロジェクトで考えると、DさんとEさんの全体的なスキルアップが必要であるとともに、Bさんだけプログラミング力に優れているため、他のメンバーでスキルを補うことができるように教育計画を立てる必要がありますね。

スキルマップの項目設定

スキルマップの項目も、現場で把握しておきたいスキルによって柔軟に変更することができます。サンプルのスキルマップはおおまかなカテゴリ分けとしております。もっと細かく「マネジメント」についてスキルマップを作成したいのであれば、下記のような項目が考えられます。

  • WBS作成
  • 教育資料作成
  • お客様との調整力
  • シフト作成
  • トラブル対応

このような粒度でのスキルマップを作成することができれば、対象者のスキル状況が視覚的に、より具体的に把握することが可能となります。また、サンプルで列挙した項目の簡単な概要説明は下記の通りです。

マネジメント

1人の技術力ではなく、チームを結成してプロジェクトを推進していくスキルです。

リーダーシップ

指示待ち人間になるのではなく、自ら目標や課題を見つけて、周囲の人たちも巻き込んで業務を行っていくスキルです。

要件定義

システムなどを構築する前に、事前にお客様の要望を漏れなく把握するスキルです。

設計

プログラムの機能やサーバ、ネットワークなど、どのように組み合わせて構築をすればシステムを作り上げることができるのか設計できるスキルです。

営業推進

技術だけではなく、お客様や自社の製品・サービスを外部向けに営業を推進していくことができるスキルです。

運用管理

システムなどを構築した後に業務を運用するため、オペレーションの管理や方法、手順書の作成や改版、改善案の提示などを行うことができるスキルです。

プログラミング

JavaやRubyなどプログラミング言語を使ってコードの実装ができるスキルです。

Office

OfficeのWordやExcel、PowerPointなどの資料作成ソフトを活用できるスキルです。

スキルマップのものさし

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スキルマップでは各メンバーのスキルにランク付けを行っていきます。サンプルでは下記のような基準でランク付けを行っています。

  • 知識や概念を理解している。
  • 他者からサポートを受けることによって業務を行うことができる。
  • 1人だけで作業を遂行することができる。
  • 他の人にもわかりやすく教育することができる。

「スキル」と一言で言っても、その人が持つスキルで実際にできることには大きな差があります。資格だけ持っていても具体的な作業ができないのでは即戦力にならないですよね。そのスキル内における「差」を把握するためにランク付けが必要となっているのです。

スキルマップ作成の際における注意点

ITの現場においてスキルマップは広く作成されています。ところが、作成した後は、点検することが面倒になるためか、そのまま長く更新されず放置されてしまうケースも多いです。特にメンバーの入れ替わりが激しい現場では、点検してもすぐに意味が無くなってしまうという考えに陥りやすくなります。

ただ、そのような現場でこそ、スキルマップを作成する意義があります。メンバーの入れ替わりによって、不足するスキルが発生する恐れがあるのかが事前にわかれば、教育計画を立てて、プロジェクト弱体化のリスクを軽減させることができます。

また、スキルマップを作成するために、リーダーとメンバーが会話をする際には、現状の確認だけにとどまらず、メンバーが進みたい方向性をリーダーが把握し、今後どのような行動を起こしていくべきかを会話しておくと、さらに効果が大きくなります。

まとめ

スキルマップは、プロジェクトチームが持っている力を可視化して把握できる素晴らしいツールです。スキルマップを作成する過程で、それぞれのメンバーが持つスキルに対して習熟することができ、今後のプロジェクト運営に大いに活用することができるでしょう。

今回ご提示したサンプルを参考にしていただきながら、現場に即したスキルマップの項目を作っていきましょう。

それぞれの現場でスキルマップが作成されているかと思いますので、あなたの現場で特徴的な使われ方をしていましたら、ぜひ教えてくださいね。

参照:スキルアップ・リスキリングの重要性について解説した記事はこちら

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