オフィス外で進めるリモートワーク、一見周囲とやりとりが少ないイメージがあるかもしれません。実はリモートワークの成否を握るのはコミュニケーションとされます。ここではリモートワークのためにコミュニケーションが重要な理由と、不足することで生じうる問題やリスクを挙げたうえで、解決・改善の方法を紹介します。
リモートワークで大切なこと
高度、そして密なコミュニケーションが求められる
リモートワークはチャットなどのツールを使い、主に文字だけのやりとりで仕事を進めていきます。文字だけでは情報が不足しがちになるため、時に軽い気持ちで発した言葉や、ちょっとした指摘などがトラブルに発展することにもなりかねません。文字通りに受け取ったら相手はどう感じてどう動くか、想像力を働かせながら言い回しを工夫するコミュニケーションスキルが求められるのです。
業務の理由や背景を積極的に共有
リモートワークでは対面とは違って表情や声色などの非言語情報がほとんどありません。そのためどの程度の空気感なのか、例えば「トラブルで客先が相当怒っていた」などの情報が欠けてしまうと、その場にいない人が察するのは非常に困難になります。連絡事項に加えて、なぜ必要なのか、相手の要求にどんな背景があるのかを、積極的に共有する意識が必要です。
指示語・ゴール・緊急度の確実な共有
相手の意図を正確に読み取るまでに、時には数回質問を重ねなくてはなりません。不必要な質問は相手の時間を奪ってしまうため、必要な情報を共有するには端的に質問できるスキルが求められるでしょう。「それ」など指示語が指す言葉の定義・ゴールの定義・緊急性(ある程度のゆとりがあるのか、即時対応が必要か)といった項目を中心に共有していきます。
コミュニケーション不足でおこる問題・リスク
では、コミュニケーションが不足すると、どのような問題やリスクが生じるでしょうか。
成果に支障が出る
コミュニケーション不足で指示側と受信側で認識が異なっていると、期待と異なる成果物が上がってきてしまう場合があります。また、今やっている仕事を中断してでも緊急の仕事を優先してもらいたい場合、優先順位を変える理由や前提があいまいなままでは、受信側はすぐに着手してくれないかもしれません。
気軽に助けを求められず、助けにも気づけない
リモートワークやチームに不慣れなうちは特に、何をどう質問してよいか、誰に助けを求めればよいのかを迷って連絡がしにくい場合もあります。特にフリーランスにありがちですが、延々と独りで悩み続けてしまうのは非効率で、時に期待とは違った成果物が上がってくるかもしれません。リモートワークでは相手の雰囲気が読み取りづらく、助けを必要としていることも気づきにくいのです。
過密タスクになりがち
独りで作業をしていると、相手に迷惑をかけたくない、独りで何とかしなければと抱え込んでしまうことも少なからずあります。相手によくない印象を与えたくないとの不安も相まって、優先順位の調整もせずに何でも丸抱えをし、過密タスクになりがちなのもよく見受けられます。
解決方法など
では、問題点やトラブルはどのように乗り越えればよいでしょうか。
密に連絡を取る
密に連絡を取り合うことができれば、認識違いやトラブルを未然に防ぎやすくなります。リモートワークではただでさえ情報量が少ないため、定期的にskypeやzoomなどのビデオ通話機能を活用するなど、互いの顔を見ながらの進捗確認やちょっとした相談をしあうと良いでしょう。
普段から気軽に相談できる雰囲気ができていれば、緊急時や過密タスクの折にも互いに相談を投げやすく、フォローもしやすくなります。
情報整理をするポジションを置く
グループチャットでは、全員が知らなくてもよい情報までが共有されてしまい、情報過多になることもよくあります。そうすると各メンバーにとっての優先順位がわかりにくくなるため、誰が何を担当するのか、あれもこれも全部やらなくてはならないのかなどの混乱も生じます。
それを回避するためには情報整理をする人を置くのも有力な手法の1つです。具体的には必要事項・優先順位を下げてもよいこと・不要なことを明確にしたうえで、必要なことに関しては担当者・期限・対応範囲も併せて共有すると良いでしょう。
感情は文字で残さないよう心がける
特に期待と違った成果物が上がってきたときなどには、怒りや感情はなるべく文字で残さないよう心がけるのが肝要です。対面に比べてきつく伝わりやすいうえに、文字がその場にさらされ、残ってしまうためです。
きつく怒られた側は文字を見るたびにネガティブな気持ちになり、そのうちチャットを開くのも苦痛になってしまいます。可能であれば対面または文字に残さない形で、1対1の折に要件を伝えるのが良いでしょう。
まとめ
リモートワークでは対面よりも高度で密なコミュニケーションが求められます。定期的に連絡を進捗共有や情報整理を行い、積極的に仕事の背景や前提をシェアできるかどうかが成功のネックとなります。気軽にやりとりできる雰囲気づくりもしながら、リモートならではの良さを生かして働きましょう。
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