「ITエンジニア」という職業は、最近学生の間でも人気が出てきており、新卒学生を対象にした説明会に参加する人数も、昨年と比べて多くなってきました。
とはいえ、説明会の中でITエンジニアに関して説明される情報はほんのわずかです。
ITエンジニアになるには、
仕事の内容や職種、必要スキル、稼働時間、働く企業先などの「概要」を事前に押さえておく必要があります。
ITエンジニアに関する幅広い情報をご紹介していきます。
ITエンジニアに区分される具体的な職種・適正、今必要とされているスキル・資格などをこの記事では取り上げていますので、ITエンジニアになろうと考えている方やなるための準備を進めている方に読んで頂きたいと思います。
最低限のスキルについてや、人気のある言語・フレームワークといった話はここでは取り上げません。進む道により異なりますし、至極当然な話に終始してしまうため、割愛しました。
ITエンジニアの種類と働き方
まずは、ITエンジニアがどのような働き方をしているのか、どんな仕事があるのかを把握しましょう。
仕事の内容や職種
ITエンジニアといっても業務内容は幅広いものがありますが、
- ソフトウェアを作成するアプリ系
- サーバーやネットワークを構築、管理するインフラ系
- 電話やメールで問い合わせに対応するサポート系
の3つに分かれます。
○アプリ系
・JavaやRubyといったソフトウェアを動作させるために記述するプログラミング言語を使って、ソフトウェアの製作を行います。納期を強く意識するプロジェクト型の仕事が多いため、納期が近付くと終電、または徹夜での仕事となる場合もあります。
○インフラ系
・ソフトウェアの土台となるサーバーやネットワークの設計、構築を行う。また、構築後にも、異常が発生していないか監視をしたり、障害が発生した際に対応する運用保守という仕事もあります。運用監視は24時間365日対応のところが多く、深夜でも緊急の呼び出し電話がかかってくることもあります。
○サポート系
・ソフトウェア製品の問い合わせを受け付ける製品サポートや、大企業の社員からPC故障や操作に関する問い合わせを受け付けるヘルプデスクという業務があります。中にはクレーム電話をかけてくるお客様もいるため、精神的な強さが求められます。
それぞれの職種に求められるスキルとは?
大きく分けた3つの職種では、どのような能力があれば活躍できるのでしょうか?
○アプリ系
言われたこと、要求されたことをそのままプログラムとして書いているだけでは、ただのワーカーになってしまいます。ソフトウェアの利用者の行動を分析したり、必要と考えられる機能を考え、自ら実現していく力が求められます。
また、今まで実装したことの無い機能であっても、インターネットで調べながら進めていく力も必要とされています。
○インフラ系
インフラ系は同じ現場で長い期間にわたり仕事を行う場合が多くなっています。そこで仕事に慣れ、力を抜くことを覚えてしまうと、新たな資格や技術を身につけるモチベーションが無くなり、技術力を上げることができなくなります。
そのため、自ら技術力を伸ばしていく積極性や、現在の業務に課題意識を持ち、運用の方法を変更したり、ツールを使って自動化していくといった改善活動ができる力が求められます。
○サポート系
臨機応変に対応できる力が求められます。マニュアルに沿った対応ができることは当たり前で、今までには無い問い合わせに対して、自分が持っている知識を引っ張り出して対応していくことが求められます。
また、対応時間をいかに短くするかということや、サポート特有の評価指標に慣れて、メンバーを管理していくことも求められます。
関連記事:フリーランスITエンジニアにはこんな働き方がある!案件、相場、スキルを紹介
求められる力を伸ばすためにとるべき行動
ここからは、会社やお客様から求められる力を伸ばすための方法をご紹介します。
○アプリ系
まずは、自分がイメージしたものを作ることのできるプログラミング力が必要です。参考書を読むことも大事ですが、私がオススメしたい方法は、シュミレーションサイトの活用です。
これらのサイトでは、サイトからの指示に従ってコードを書いていくと、本番さながらのWebサイトやシステムを構築することができます。
まずはコードを書いて、コードがどのように画面へ表示されるのかを、肌で実感していくことが大切です。
そして、プログラミングに関する勉強会も数多く開催されています。下記のサイトにはイベント情報がいっぱい集まってきますので、参加して最新技術の動向やモチベーションを上げることに活用していきましょう。
○インフラ系
働き方として、フリーランスの場合にはお客様先に常駐する現場が多いのですが、現場に入る前の書類審査の段階で「資格」が大きなポイントになってきます。
お客様のITエンジニアの探し方として、「○○の資格を持っている人」というように、経験よりも資格を基準にしている傾向があります。
これは、経験ではなかなか力を判断しにくいため、目で見えるわかりやすい「資格」という「ものさし」で技量を計っているのでしょう。
そのため、誰に言われなくとも難易度の高い資格取得を目指すことが活躍への1番の近道です。
- サーバー(Linux)系:LPIC Level3
- ネットワーク系:CCNP, CCIE
- セキュリティ系:情報セキュリティスペシャリスト Etc….
○サポート系
オペレーターとしてお客様対応を円滑に行うということも大事ですが、サポート系はプロジェクト管理の能力が大きく求められます。
そのプロジェクト管理の能力を示す資格が、PMP(Project Management Professional)です。少人数ではなく、人数が多い現場をどのように管理して、ミッションをやり遂げていくのかというノウハウが詰まった資格になっています。
この資格で得たノウハウを現場で活用することによって、より実践的な動きができるようになります。
ITエンジニアの職種は多岐にわたる
今まで挙げた職種以外にも、技術の革新によって様々な職種が誕生しています。現在、脚光を浴びている職種が、大量のデータを解析して、会社としての有効な施策を考える
データサイエンティスト
というものがあります。
常識では思いつかないような人の動線や傾向が、データを分析することでわかり、その結果を経営に活かしていくということを行います。
様々な観点からデータを分析し、施策を繰り返していくことが必要で、イメージよりも泥臭い粘り強い行動が求められます。
また、IT製品の導入を支援する仕事や、IT活用の現場を視察して、改善方法を提案するITコンサルタントという職種もあります。
これらはお客様と直接やりとりを行うため、相手の状況やニーズを引き出すコミュニケーション能力が、他の職種よりも強く求められています。
関連記事:【全6種類】ITエンジニアと呼ばれる職種を徹底解説!
理想の働き方と目標報酬額は?
ここまでで、ITエンジニアの具体的な職種やその仕事内容、なるために必要な能力などに触れてきました。
この記事を読むあなたのゴールは、『ITエンジニアになる』ことではなく、『ITエンジニアとして活躍する』ことかと思います。
このゴールをより具体的に考え、成果を振り返る際にどこまで近づいたか考えやすいよう、『理想の働き方』と『目標報酬』という2つを掲げてみました。
理想の働き方
幅広い技術や見識を持ち、難易度の高い、貴重な経験が積める現場を選ぶことができる立ち位置になることです。
そうすれば、自分がやりたい現場に配属される可能性が高まり、経験も積めるという一石二鳥の状態となります。
目標報酬
そして、目標としたい報酬額は、月額単価が80万円以上というものが基準になるのではないでしょうか?
会社では一定額が給与として支給されますが、会社とお客様との間では、ITエンジニア1人につき、月額いくらという価格設定になっています。
その単価が80万円を超えると、技術力の高さが認められたITエンジニアと言うことができます。
関連記事:2016年最新版!itエンジニアの職種別・スキル別で月額契約単価をまとめてみた
まとめ
ITエンジニアになる前に知っておくべきことは以下の通りです。
○アプリ系
自分で調べて、考えて実行していくことが求められます。ただプログラムを書けるだけでは通用しません。手を動かして実践していくことが大事です。
○インフラ系
現場にあぐらを書くのではなく、常に技術力を高めることが重要。お客様へのアピールのためにも難易度の高い資格取得は効果的です。
○サポート系
オペレーターを卒業すると、次は人の管理能力が大きく求められます。プロジェクト管理能力を高めるための勉強が効果的です。
ITエンジニアになるために必要なこと、求められるスキルについて把握できたでしょうか?身近にITエンジニアとして働く方やエンジニアと一緒に仕事をしている方がいれば、人材が不足している職種等についても話してみると良いでしょう。
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