フリーランスには、納めなければいけない税金や保険料があります。どんな税金や保険料があって、どのぐらい納めなければいけないのかを知っておかないと、納め忘れたり、お金が足りなくて納められなかったり、といったことにもなってしまいます。納税は、国民の義務として法律に定められています。納税しないと財産を差し押さえられてしまうことも。そんなことにならないように、しっかりと準備しておきましょう。
この記事では、
- これからフリーランスになろうと考えている方
- すでにフリーランスとして働いている方
のために、フリーランスが納めなければいけない税金や保険料の種類と計算方法についてお伝えします。
その1:所得税
すべての基本となるのが、所得税です。所得税は確定申告で算出するもの、というのはご存じの方も多いでしょう。所得税を計算する際には、所得金額を計算しますが、これが他の税金を計算する際にも使われます。つまり所得税が高くなると、必然的に他の税金も高くなるということです。そのため、できるだけ所得税を安くすることで、他の税金も安くすることができます。すべての節税の基本は、所得税にあるということです。
計算方法
所得税は、下記の計算式に基づいて算出されます。
(収入 - 経費 - 控除)× 所得税率 = 所得税額
収入は、単純にあなたの元に入ってきたお金(報酬など)です。経費は、事業を行う上で必要になった費用を指します。たとえば、事務用のパソコンやプリンタのインクなどです。控除とは、条件に該当する方が、所得(収入)から一定の金額を差し引くことができる制度です。いろいろな控除があるため、人によってどの控除が適用されるかは変わってきます。最後に所得税率ですが、これは計算された所得金額がいくらかによって、下記の表のとおりに決められています。
所得金額 | 所得税率 |
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% |
40,000,000円 以上 | 45% |
こうして、最終的な所得税額が算出されることになります。
その2:住民税
住民税は、現在居住している住所のある、都道府県と市町村に対して納める税金です。サラリーマンの方は、給料から天引きされていて、給料明細にもいくらと記載されています。フリーランスの方の場合は、直接納める必要があるため、銀行やコンビニなどから納めることになります。なお、”現在居住している住所”は1月1日時点の情報に基づいて決定されます。転居をされた方は注意しましょう。
計算方法
住民税は、大部分が所得金額に対しての課税となります。
具体的には下記の計算式で算出します。
所得金額 × (道府県民税4% + 市町村民税6%) = 所得割の住民税
道府県民税1,500円 + 市町村民税3,500円 = 均等割の住民税(5,000円)(※令和5年度分まで)
所得割の住民税 +均等割の住民税(5,000円) = 住民税
このように、一部はすべての方に一定の金額が課税されていますが、そのほとんどは所得金額によって増減します。なお、この計算式で算出されるのは年間の住民税です。実際には、この金額を分割、もしくは一括で納めることになります。
その3:国民健康保険料
フリーランスの方が一番負担に感じるのは、この国民健康保険料ではないでしょうか。サラリーマンの方は、社会保険に加入していて、半分を会社が負担してくれています。しかし、フリーランスの方は、これを全額負担しなければいけません。ほとんどの方は、今まで給料から天引きされていた金額の2倍程度になってしまうことでしょう。所得などに応じて増減はするものの、毎月数万円が消えていくのは非常に厳しいといえます。
なお、サラリーマンからフリーランスになる際に、社会保険から国民健康保険に切り替えることになりますが、申請すれば2年間は会社の社会保険に加入し続けることもできます。どちらにしても全額負担することに変わりはないのですが、人によっては社会保険のほうが安いこともあります。両方の金額を算出し、比較してみましょう。
計算方法
国民健康保険料は、お住まいの市町村によって税額が変わってきます。詳しくは、お住まいの市町村のホームページでご確認ください。なお、国民健康保険料は世帯主に対して請求されます。
その4:国民年金保険料
国民健康保険料の次に重い負担となるのが、国民年金の保険料でしょう。サラリーマンの方は、社会保険として厚生年金に加入していますが、フリーランスの方は、この国民年金に加入しなければいけません。これは義務となっているため、かならずいずれかの年金を納めなければいけないのです。国民健康保険と同じく、サラリーマンからフリーランスになる際に切り替えが必要です。なお、フリーランスの方は、第1号被保険者の扱いになります。
計算方法
国民年金の保険料は、月額で一定の金額を納めることになります。しかも、高齢化社会が深刻化していく中、年々金額が上がっていきます。2022年(令和4年度)の保険料は、月額16,590円です。なお、収入が一定以下などの条件に該当する方は、保険料の一部または全額を免除されます。納付が厳しいときは、役所に相談してみましょう。
その5:個人事業税
一部のフリーランスの方は、個人事業税を納めることになります。具体的には、決められた一部の業種で、前年の所得金額が290万円を超える場合に課税されます。これは国に納める税金ではなく、道府県に対して納める税金になります。非常に幅広い業種に対して課税されるため、前年の所得金額が290万円を超えている方は一度チェックしてみたほうが良いでしょう。
計算方法
個人事業税は、下記の計算式に基づいて算出されます。
(収入 − 経費 − 290万円)× 税率 = 個人事業税額
おおむね、所得税額を計算するときと似ています。ただし、税率は業種によって異なります。どのような業種が対象になっているか、また税率は何%なのかについては、各都道府県のホームページを参照してください。なお、損失(赤字)を繰り越している場合には、その金額が控除されます。
その6:消費税
こちらも、一部のフリーランスの方が納める税金となります。具体的には、前年の売上が1,000万円を超える方です。売上が1,000万円以下であれば、消費税を納める義務はありません対象になる方は急に納めることになっても困らないようにしておきましょう。
計算方法
消費税は、間接税といわれるもののひとつで、消費者から預かった税金を間接的に国に納めます。フリーランスの方も、事業を行う上で消費税を納めているため、その金額を差し引いて納めます。とはいえ、消費税の算出は煩雑な部分もあるため、売上が1,000万円以上もあるのなら、税理士の方にお任せすることをおすすめします。
まとめ
フリーランスが納めなければいけない税金や保険料はいろいろありますが、ここで挙げたのは、サラリーマンからフリーランスになったときに増えるものです。この他にも、今まで払っていた税金も納めなければいけません。年間の支払額がいくらぐらいになるか計算して、月額にするといくらぐらいのお金が必要になるか知っておきましょう。
税金はある程度まとめて納めることになるため、いきなり大きな金額を請求されても困らないようにしておくことが大切です。
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