ITエンジニアの間でますます英語スキル習得のニーズが高まってきています。その理由は以下の3つです。
- プログラムを書く際に英語はそもそも必須だから
- 東南アジアを中心に外国人のエンジニアとのコミュニケーションが求められるから
- エンジニアx英語で市場価値を高められるから
これからプログラミングを勉強し、エンジニアとして働く人はまず最低限の英語力を身に付けることが必要となります。プログラムを書く際には変数名、関数名、クラス名などのほとんどが英語で書かれているため、中〜高校生レベルの英語ができなければ周りに迷惑をかけることになってしまいます。また、迷惑をかけないように毎回英語をGoogleで検索していると作業効率が下がってしまうことになりかねません。
さらに、近年では東南アジアでのオフショア開発地点を保有する企業が増えてきていたり、安価な人件費を求めて東南アジア人のエンジニアを採用する企業が増加しているため、英語でのコミュニケーションを求められる場面が増えてきてきています。
このような市場環境の変化に適応するためには、英語スキルを伸ばしていくことが必要となってきます。もちろん、全てのエンジニアが英語を話せる必要はないのですが、エンジニアのスキルに英語スキルを掛けあわせることであなたの市場価値はこれまでよりも高いものになるでしょう。
この記事では、実際に外国人と英語でコミュニケーションを取りながら業務をした経験がある私の視点から、エンジニアとしてどのような英語力が求められるのか、またどのようにしてそのスキルを身に付ければいいかをご紹介します。
参照:プログラマのための英語でググる技術について解説した記事はこちら
最低限身に付けるべき英語スキル
まず最低限の知識として「読み」と「単語」のスキルは身に付けなければなりませんね。
「読み」のスキルはドキュメントを読む際に必要になってきます。エンジニアとして仕事をしていると様々なライブラリやプラグインを使う場面が出てきますが、それらは外国で作られたものであることが多いです。つまり、それらの使い方は英語で書かれているのです。
決済システムを導入する際には、膨大な量の英語のドキュメントを読む必要があるため、それらを読む英語力がないと非常に効率が悪くなってしまいます。毎回わからないところをGoogle Translate等に頼って日本語に訳しても良いのですが、あくまでそれはその場しのぎであって、あなたの開発効率を向上させてくれません。したがって、ドキュメントを英語でも読める力が必要になるのです。
「単語」のスキルはコーディングの時に必要になります。冒頭で説明したように、変数名・クラス名・関数名などは全て英語で命名することが当たり前になっています。特にこれらの命名というのは不適切な単語での命名をしてしまうと、そのプログラム自体がわかりにくいということになりかねません。関数名を例に上げれば、関数の名前を見るだけでそのプログラムがどのような処理を行っているのかを推測できることが良い関数名・良いコードと言われます。
英語力が乏しい場合、適切な命名をすることができず、あなたのコードが「読みにくい」「わかりにくい」という原因の1つになってしまいます。したがって、少なくともプログラミングをする上でよく出てくる英語だけでも頭に入れておくことが必要になります。
できれば身に付けたい英語スキル
「読み」と「単語」はどのエンジニアにも共有して必要になる英語スキルですが、「リスニング」「スピーキング」は一歩先に行くために必要な英語スキルです。
「スピーキング」と「リスニング」を鍛える目的は、「英語でのコミュニケーションが取れるようになる」ためです。冒頭でも述べましたが、既に東南アジアからのエンジニア採用などは活発化しており、多くの企業で英語でのコミュニケーションを必要としている場面が見受けられます。さらにこの流れは今後数年でより加速していくでしょう。安価だが日本人と同等のプログラミングスキルを要するエンジニアが東南アジアから流れこみ、日本人エンジニアは彼らに代替される可能性が出てきます。
こういった人材マーケットの変化に追いつくことはエンジニアとしての生存戦略のうちの1つです。もちろん、マネジメントスキルを身に付けたり、技術力を研鑽することで彼らと差別化することは可能ですが、最終的にはそういった外国人と共に働くためには英語のスキルが必須になってくることが安易に予想されます。
またこういったネガティブな理由からの対策だけではなく、ポジティブな面から英語でのコミュニケーション力を鍛える理由があります。東南アジア人が日本に移動してくることと同様に、日本人も海外に出て行くチャンスがどんどん増えてきます。
今後数年の間に国と国の境目はよりなくなっていき、グローバル化が進むことは間違いありません。例えば、Bufferというアメリカ発のベンチャー企業は世界中に支社を立てており、全員がリモートワークで連携をとって24時間フル稼働しています。このような働き方は今後増加していくため、英語が話せればそういった選択肢をあなたのキャリアに入れることができるのです。日本のエンジニアの給与水準は世界に比べると低いと言われています。もしあなたが英語の能力を身につけることができれば、アメリカやオーストラリア、ヨーロッパなどの高水準の給与で働くことも可能になるわけです。
エンジニアに必要な英語を身に付けるためのツール
ボキャブラリー
単語力を身につけるためには、コードを読みながら単語を覚えていくのが良いです。例えば、イギリス政府が公開しているこちらのレポジトリを読むことを習慣にし、ネイティブがどのような単語を使って命名しているのかなどを勉強すれば、実践的な英語を最短で身につけることができます。もちろん、日本人が書いたコードを読んでも良いですが、ネイティブが書いたもののほうが本格的な英単語を身につけることができます。
リーディング
リーディングは日々の積み重ねが大切です。おすすめの勉強方法は、Mediumなどのプログラミングに関する記事を毎日1記事読むことです。英語のニュースを読むよりも、プログラミングや技術に関する記事を読んだほうが実践的なスキルが身につきます。私はいまでもMedium等を使って定期的に英語の記事を読むことを習慣としています。
リスニング
これまでの内容からおわかりの通り、普通のニュースやリスニング教材を使うのではありません。エンジニアとしての英語リスニング力を鍛えるのにおすすめなのは、テクノロジー関連のPodcastを聴くことです。
単語やリーディングを鍛えることで、Podcastを聴いていたら徐々に単語や文章が理解できるようになってきます。さらに技術トレンドなども合わせてキャッチアップできるので一石二鳥なんです。Podcastは無料なのでお財布にもやさしいですよね。
スピーキング
スピーキングは一番身に付けることが大変です。またエンジニア向けのスピーキング練習方法として特別なものは今のところ見当たりません。Mediumなどのプログラミングに関する記事。
できればその際にはテクノロジー関連の話題を話すようにすると、今まで勉強してきた内容を活かすことができ、シナジーのある勉強方法になります。
さいごに
とにかくポイントとしては、「普通に英語を勉強するのではなく、エンジニアとしてすぐに実践に活かせる勉強方法を見つける」ということです。金融業やコンサル業がそうであるようにエンジニアはエンジニアとして使う英語のスキルは日常会話だけでは補うことができません。
せっかく英語を勉強するなら、最短最速で実践スキルを身に付けましょう!
参照:プログラマのための英語でググる技術について解説した記事はこちら
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