エンジニアの転職を成功させるためには重要な要素がいくつかあります。年齢や性格、これまでの経歴、スキルセットなどです。これらの要素のうちでも、特に重要となる要素が「年齢」と「スキル」です。
この記事では、年齢とスキルのバランスから転職のベストタイミングについて見ていきます。
未経験でも30代前半までなら転職できる
最近では職種をエンジニアにコンバートし、ゼロからエンジニアとして転職活動する方が増えてきています。元々はマーケッターであったり、営業職に従事していた人がエンジニアを独学で勉強し、エンジニアとして第二のキャリアを歩んでいくパターンです。
このような転職は一見難しいように見えますが、実は多くの人がこのパターンでの転職を成功させています。全くスキルのない状態からなぜ転職できるのでしょうか？
第一に現状のエンジニア求人マーケットは需要過多の状態です。企業サイドからすればもちろん経験のあるエンジニアを採用したい気持ちはあるのですが、そういったエンジニアは競争が激しく、必ずしも採用に繋がるとは限りません。また、彼らの給与水準は高く、小さい企業では採用する体力がないのが事実です。
第二にプログラミング未経験者がこれまでよりも簡単にプログラミングを独学できる環境が整ってきているため、エンジニアになる障壁が下がっていることも要因の１つです。営業職の方でも、平日の就業時間後と土日を使って勉強すれば半年もすれば一定のプログラミングのスキルは身につきます。
そういった理由から、エンジニアとしての経験がなくとも転職は可能な時代になっています。ただし、この転職パターンは高い給与水準を望むことは多少難しいです。なぜなら、エンジニアとして働けるレベルにはなったとはいえ、そのレベルは決して高くないためそこまで高い給与は望めないでしょう。
したがって、給与水準を一度落としてでもエンジニアとして働くことに意義を見出している人のみにこの転職が適しているといえます。30代前半であれば、これからスキルをさらに伸ばしていく期間は十分にあるため、転職の余地は十分にあります。
エンジニア歴があれば20代は引く手数多
新卒からエンジニアとして働き、これまでいくつかのプロジェクトの新規開発や運用などを行っている人は
20代のうちはキャリアアップのための転職をする絶好のタイミングです。
上述の通り、エンジニア求人マーケットは引く手数多の状態で、少しでもレベルの高いエンジニアを採用しようと躍起になっています。ただし、このキャリアアップを目指す転職を成功させるためには市場で求められるスキルを身に付けておく必要があります。
まず現状で最もニーズが大きいのがアプリ開発エンジニアでしょう。最も盛り上がっていた時期は過ぎましたが、アプリ開発は今でも根強いニーズがあります。特に日本の場合は、iPhoneアプリ開発ができるエンジニアの求人は多いです。2014年にiPhoneアプリ開発言語のSwiftが発表されましたが、Swiftを扱えるエンジニア人口はまだ多くなく、しかし需要が大きい状態です。Swiftというスキルを身に付ければ、あなたにとって非常に大きな武器になるでしょう。
次に今後３〜５年の流れを汲み取ると、機械学習系のエンジニアのニーズは間違いなく上昇傾向にあります。2016年に入り、より機械学習が現実的なものになり、この技術を活かして新しい製品を開発する企業が増えています。
機械学習のスキルは他のプログラミング言語やアルゴリズムに比べて多少複雑な部分があり、誰でも入れる領域ではありません。数学的な思考が苦手なアプリケーションエンジニアににとっては少し難しい領域です。つまり、習得することが比較的困難であるからこそ、このスキルを身に付ければあなたの市場価値は上がります。
他にもアプリ開発需要の大きさに伴い、APIなどを含めたサーバーサイドエンジニアやインフラエンジニアもスキルとしては魅力的なものになります。
キャリアアップをするには30代がベスト
「エンジニアは35歳がキャリアとして限界だ」というような記事が時々見かけられますが、現実はそうではありません。20代の間にエンジニアリングに関するスキルを幅広く見につけ、さらにチームでの開発手法なども身に着けているあなたは、30代にはキャリアアップするチャンスが転がっています。
現状のエンジニア業界では、まだまだ未熟なエンジニアも多数いるため、そのようなエンジニアを束ねていくリーダーが必要です。このリーダーに求められる資質は、その本人の技術力もさることながら、後輩エンジニアの技術力の引き上げやチームマネジメントなども挙げられます。
まず、約10年間で培ったエンジニアリングのスキルはどこの企業から見ても魅力的です。10年間もエンジニアリングに携わっていれば、アプリケーション開発・サーバーサイド開発や運用、インフラなどのスキルを幅広く手にしている万能プレイヤーになっているか、ひとつのスキルに特化したスペシャリスト型になっているかのどちらかです。
どちらのパターンでもこのような人材は急成長企業などが欲しい人材に該当します。これからさらにサービスを拡大させていこうと考えている成長企業には、中核となる人材が必要となり、どんなエンジニアリングでも簡単にこなせる万能型プレイヤーや、急拡大するサービスのインフラを責任をもって担ってくれるスペシャリストなどが求められるのです。
さらに、30代のエンジニアとしてエンジニアチームのリーダーとして活躍することも可能です。CTOの右腕となるような存在で、技術選択や人材育成、チームマネジメントなどができるエンジニアは非常に貴重な存在です。20代ではそのようなスキルセットを持つ人材は少なく、40代になるとそういった人材は既に流動性が低くなっているため、30代が最も適切な時期といえます。
このような立場で転職を成功させると、給与面はもちろん、やりがいの部分でもステップアップができる転職になります。エンジニアチームを束ね、後輩を育成していくことはこれまでと異なった視点での仕事となり、あなたの人生に刺激を与えることとなるでしょう。
これまでの経験を活かして40代CTOとして転職
40代にもなるとエンジニアとしての転職は難しいのではないか、と思う人が多いようですが、スタートアップやベンチャー企業でのCTO候補として転職活動をすることは十分に可能です。
CTOに必要なスキルは、エンジニアリングに関する技術知識やチームマネジメントなどに加え、経営に関するスキルも必要になります。経営陣の一員としてチームに参加することになるので、待遇面はこれまでとは大きく異なり、良くなるでしょう。しかしその一方で求められるスキルは多岐に渡り、その責任も大きくなります。
例えば、企業としてのエンジニアチームの採用活動の方針も決めなければいけなくなりますし、技術選択も積極的に行っていく必要があります。毎月全エンジニアとの面談も行うでしょう。
こういった仕事は20代や30代の人たちには難しく、40代までの20年間で自分自身の技術を磨き続けてきた人にだけ与えられる重要な仕事です。責任感は大きくなりますが、その分企業の中核としての楽しさを得られるでしょう。40代になってしまったから転職は難しいと考えるのではなく、40代のあなたを必要としている企業は数多くあります。
さいごに
あなたのこれまでの経験年数とそこで得た技術を振り返り、目的にあった転職活動ができるようにしていきましょう。エンジニアのスキルは他の職種に比べて陳腐化しやすく、自己研鑚が求められます。自分のスキルセットと市場のニーズを比較し、どの部分をいつまでに磨き上げるのかをプランとして持っていくことが大切になります。
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