ITエンジニアとして会社に勤めていると、会社から自分に支払われる毎月の給与額はわかっても、あなたがサービスを提供しているお客様が、どれくらいの金額を出してくれているのか、なかなか把握することができません。
また、ITエンジニアに仕事を依頼するためには、依頼する仕事の相場観を知っている必要がありますが、パソコン製品のようにECサイトで一律に売られているわけではないため、情報を得ることは難しい状況です。
一言にITエンジニアといった場合でも、いくつかの具体的な職種に分類できます。同一職種であっても、開発言語スキルによる差や、開発経験(実力)による単価差もあります。
そこで、この記事では職種別での月額契約単価をご紹介していきます。あなたがITエンジニアで、お客様から支払われる単価を高めたいと考えるならば、そのヒントにしてみてください。
あなたがITエンジニアへ仕事を発注する立場にいる方であれば、こちらの記事を参考にして、依頼したい業務から必要となるエンジニアのレベルを考え、単価予測をしてみてください。ここではこれらを踏まえて、現在のITエンジニア相場である報酬単価をご紹介していきます。
相場観を養い、現実と乖離のない感覚を得て、あなたが目指すべきITエンジニア像や、業務を依頼すべき単価を確認していきましょう。
ITエンジニアの職種別月額契約単価
マークアップエンジニア
職種別単価
- マークアップエンジニア(ワーカー):30万円~40万円
- マークアップエンジニア(企画・設計含む):40万円~60万円
インターネットサイトをパソコン上に表示するために必要となる、HTMLやCSSというマークアップ言語を使ってコーディングをしていくエンジニアが「マークアップエンジニア」です。
HTMLやCSSを扱う仕事は、クラウドワークスのようなクラウドソーシングの普及もあり、日を経過するごとに単価が低くなっています。クラウドソーシングでランディングページを1枚依頼するような場合、相場としては5万円程度と低い水準となっています。ただコードを書くだけであれば、平均して月単価30万円程度に落ち着くレベルでしょう。
これから単価を上げていくのであれば、HTMLやCSSと関わりの深い、JavaScriptやPHP、Rubyといったプログラミング言語も習得していかないと、非常に厳しい状況となっています。
コールセンター・ヘルプデスク
職種別単価
- オペレーター:40万円~50万円
- Super Visor:50万円~60万円
消費者に提供されている製品やIT製品のサポート、会社内からの問い合わせを受け付け、対応していく仕事が、「コールセンター・ヘルプデスク」です。
オペレーターとしての単価は、一般消費者からの対応に関する仕事が相対的に低く、ITなどテクニカルな知識が必要とされる現場では、単価が高くなる傾向にあります。
そして、直接お客様と対応をするオペレーターよりも、現場を統括する立場であるSuper Visorの方が単価は高くなります。
とはいえ、単価の上限は頭打ちとなっており、オペレーターの仕事だけで単価を上げていくことは非常に難しい状況です。
関連記事:【経験者が書く】フリーランスのヘルプデスク業務の内容・必要スキルと適正
インフラエンジニア
職種別単価
- エンジニア(ワーカー):40万円~50万円
- エンジニア(構築・設計):50万円~70万円
WindowsやLinuxなどのサーバ設計・構築や、ルータやスイッチなどの設計・構築という上流工程から、それらの運用を行うエンジニアが「インフラエンジニア」です。
一般的に、「企画→設計→構築→運用→監視」という工程を踏み、アプリケーションの土台となるインフラが整備されます。そして、上位工程に関わるITエンジニアになるほど、単価は高くなる傾向にあります。
既に業務がマニュアル化されており、決められたことをやるだけのITエンジニア(ワーカー)であれば単価を抑えることができますが、現場のリーダーポジションを担う人材や設計・構築に関わる人材になると、単価を上げないと人はなかなか集まらない状況です。
関連記事:他の職業とは異なる給与事情!職種別に見るインフラエンジニアの給与相場は?年齢や勤続年数による給与上昇額は?
アプリケーションエンジニア
職種別単価
- Java:60万円~100万円
- Ruby on Rails:60万円~80万円
- PHP:50万円~70万円
- C++:40万円~50万円
アプリケーションエンジニアは、プログラミング言語を使って動的に動くシステムを構築していく人たちです。代表的なプログラミング言語として、JavaやRuby、PHP、C++などがあります。今回は上記4つの言語のITエンジニア単価を記載いたしました。
現在引き合いの高いプログラミング言語は、「Java」です。JavaのITエンジニアであるというだけで、60万円は軽く超えてしまう状況となっています。一方、一昔前の言語となりつつある「C++」のような言語については、使われるシステムが少なくなってきたこともあり、単価も低くなっている傾向があります。
アプリケーションを作る上でも、インフラ構築のように工程があり、上流工程に関わる度合いが大きくなるほど、単価も上がっていく傾向となっています。「検証テストだけ」「コードを書くだけ」というように、与えられたことを行うだけのITエンジニアの場合には、単価はレンジの中でも低いレベルとなります。
また、新しくシステムを作るのか、それとも既存のシステムを改修するのかという観点でも、単価は異なります。新しくシステムを作る場合、要件定義や事前調査・検証など、知識や経験がある高度なITエンジニアが必要となります。そのような場合、月額単価は高くなる傾向にあります。一方、既存のシステムを改修する場合には、必要とされる技術の難易度が下がり、作業もやりやすくなるため単価は低く設定されます。
プロジェクトマネージャー
職種別単価
- マネージャー:70万円~100万円
アプリケーションやインフラの構築状況を管理し、プロジェクトを成功に導く仕事が「プロジェクトマネージャー」です。
プロジェクトマネージャーは、「コードを書けるだけ」「サーバを構築できるだけ」では、到底務まる仕事ではありません。お客様の要望から実際にモノを構築して納品をするまで、一連の流れや勘所がわかり、実際に作業をするITエンジニアたちの統率ができる必要があります。
そのため、高度な知識や経験、スキルを求められるため、自ずと月額単価も高くなっていきます。プロジェクトマネージャーが関わる工程が増える、または難易度が高くなるほど、単価も上昇します。
インフラよりもアプリケーションのプロジェクトマネージャーの方が、求められる知識や技術が高くなるためか、単価は上がります。
関連記事:【要チェック!】ITエンジニアとは?~どんな職種がある?どのくらいの年収がある?
まとめ
ここまで、マークアップエンジニア、コールセンター・ヘルプデスク、インフラエンジニア、アプリケーションエンジニア、プロジェクトマネージャーの月額単価についてご紹介をしてきました。
ITの知識が深く求められる職種になるほど、月額単価は上昇していきます。逆の視点で見てみると、与えられたことを遂行するだけの単なる「作業者」であれば、低い単価で作業を依頼することができる時代の流れになってきていますね。
また、経験があるからといって単価が上がるわけでもありません。作業者としての経歴が長かったとしても、そこから生み出される価値はそれほど高くないため、単価は低調なままです。
一方、作業者としての経験を上流工程での仕事に活かすことで、長いプロジェクトの工程を、実体験を根拠とした実現可能性の高い管理をすることができます。経験がある管理者と経験が無い管理者とでは雲泥の差があります。
今回ご紹介した単価の相場は、2016年1月時点の最新情報です。ITに関する仕事を発注する立場にいる方や、ITエンジニアとして今後単価の高い、価値の高い人材になりたいと思っている方が近くにいましたら、ぜひここで紹介した情報を教えてあげてくださいね。
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