ITエンジニアの中でも、社会の基盤やネットワークを下から支えるインフラエンジニア。インフラエンジニアは、他の職種のエンジニアと比べて、得られる給与はどのように違うのでしょうか。
インフラエンジニアを取り巻く環境は、2020年東京オリンピックに向けて、ITがかなり発達していることや、ITに関連するビジネスが数多く生まれているなど、非常に良好な環境になっています。そのことから、インフラエンジニアの給与もその流れに伴って上昇しているというイメージを持たれている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、インフラエンジニアの給与事情についてさまざまな観点でご紹介をしていきます。インフラエンジニアと言っても様々な職種があります。そしてその職種別にもらえる給与額も大きく違ってきます。また、年齢別に見てももらえる給与額は異なり、さらには会社への勤続年数で見るとインフラエンジニア特有の特徴を持っています。
職種別によってこんなに変わる給与事情
それではまず、インフラエンジニアと呼ばれる職業の職種別において、どのような給与事情になっているのかを見ていきましょう。
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- テクニカルオペレーター(20万円~40万円)
オペレーターの中でも、インフラやサーバー等の知識を使ってお客様からの問い合わせに答えるオペレーターのことを指します。このオペレーターという職種は、どれだけの問い合わせ件数に対応するか、どれだけ短い時間で対応できるか、さらに短時間で問い合わせ記録を残すということが、評価の基準になってきます。
ところが、どんなに優秀なオペレーターになれたとしても、給与の上限には限界があります。非常に優秀であったとしても35万円付近が限界なのではないでしょうか。一方、オペレーターを管理するチームリーダーやプロジェクトマネージャーといった職種になってくると、給与額は1つ上の段階にアップしていきます。
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- サーバーエンジニア(20万円~50万円)
WindowsServerやLinuxServerを取り扱っていくサーバーエンジニアは、同じ職種であったとしても、関わる仕事によって給与のレンジは変わってきます。言われたことを単純に行う作業者であれば、給与レンジの下限である20万円付近、設計構築などゼロから作り始める段階に関わっているサーバーエンジニアに関しては、50万円付近またはそれを超える給与となっていることもあります。
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- クラウドエンジニア(25万円~60万円以上)
VMWareやAWSに代表されるパブリッククラウドなど、クラウドを取り扱うエンジニアです。クラウドエンジニアは、クラウド特有の技術や経験が、給与へダイレクトに反映されてくる職種になっています。
また、クラウドとプログラミングやミドルウェアといったアプリケーションに近い分野の組み合わせは非常に相性が良くなっています。昨今の流れとして、インフラをコードで構築する「Infrastructure as Cord」という風潮も巻き起こってきています。そのため、プログラミングを操れるエンジニアは、給料額もそれに伴って大きくなり、60万円以上得ているクラウドエンジニアもいます。
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- ネットワークエンジニア(20万円~60万円)
ルーターやスイッチと言われるネットワーク機器を操るネットワークエンジニア。ネットワークエンジニアにおいても、サーバーエンジニアと同じく、すでに作られたconfigを投入するといった単純な作業だけでは、20万円から25万円といった給与額を超えていくことはできません。一方、要件定義から、ネットワーク機器の選定、構成図の作成など、ゼロから作り上げる仕事に関わる場合は、上限の60万円付近の給与をもらっているエンジニアもいます。
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- データベースエンジニア(25万円から60万円)
データベースエンジニアは、データベースの構築はもちろんのことですが、構築をした後の運用においてもニーズが高く、給与額も運用フェーズに関わっていたとしても、他の職種と比べて高い水準となっています。それはなぜかというと、データベースの運用は、運用が始まり、データのインプットアウトプットの量がわかった段階で、改めてデータベースのチューニングをする必要があります。そのチューニングの方法が、データベースの知識だけでは対応することが難しく、チューニングの経験やノウハウといった特有のモノが必要になるためです。
年齢別に見る給与事情
一般的な会社に勤める会社員の給与事情は、会社の勤務年数が増えれば増えるほど、それに伴って給与の額も上昇していきます。ところが、インフラエンジニアと言うよりも、IT業界に共通することではありますが、年功序列で給与が上がっていくことはなかなかありません。エンジニアが持っているスキルや知識、上昇志向といった、個人が持っている技術がものをいう業界になっています。
そこで今回は、インフラエンジニアの中でも、一般的な年齢別で見た給与事情を見ていきたいと思います。
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- 20代(300万円~450万円)
20代は、ITについては未経験から始まるインフラエンジニアが多く、入社時の月給が非常に低いため、年収の給与額も自ずと低い水準になっています。現場によっては残業時間が多くなることもあるため、残業代でこの給与幅を超えることもあります。
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- 30代(350万円~600万円)
30代になると、インフラエンジニアのスキルによって給与の額は大きく変わってきます。現場だけではなく、会社にも貢献しているエンジニア、何かのジャンルに特化して知識やスキルがあるインフラエンジニアの給与額は、この給与幅の上限、または上限を超える程度の給与を得ていることがあります。
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- 40代(400万円~700万円)
40代になってくると、インフラエンジニアとして現場で働くエンジニアと、課長や部長など管理職として本社に勤務し、社員を管理する管理職という立場になる2つのキャリアパスが考えられます。
現在の傾向としては、現場で働くインフラエンジニアよりも、社員の管理を行う管理職の方が責任は重いとされており、給料の額もそれに伴って上昇している傾向にあります。ただ、この年代になると残業代がつかなくなり、勤務時間外において、かなりの負担を強いられているということもよく見受けられます。
勤務年数で見る給与事情
先ほどもお伝えした通り、インフラエンジニアは勤続年数によって給与が大きく変わるという事はあまりありません。現場の作業をただ黙々とやり、資格も取らず、あまり上昇志向もないようなインフラエンジニアに関しては、なかなか給料は上がらないような状況になっています。
また、IT業界の会社では、「等級制度」という評価制度を導入している会社が多くなっています。最初は1 等級から始まり2等級、3等級と上がっていくに従って、給与も同様に上がっていく仕組みとなっています。
ただ、なかなか等級を上げる事は難しく、同じ等級でとどまっている場合には、年に2,000円、3,000円しか月給が上昇しないというのも、会社の給与事情としてのリアルといえるでしょう。
まとめ
ここまで、インフラエンジニアの給与事情についてまとめてみました。インフラエンジニアといっても、関わる職種は様々なものがあります。また、その職種により給与の幅も大きく変わります。
そして、同じ会社にいるとなかなか年功序列で給料が上がっていくというわけにはいかず、給与の上げ幅も会社によると思いますが、なかなか期待しにくいことも現実の1つです。
ただ、インフラエンジニアでは、エンジニア自身が持つスキルや経験、知識といった技術自体が、その人の価値を直接表すと考えられています。そのため、取り組み次第でいくらでも取得できる給与は大きく変えることができるということも認識しておきましょう。
あなたのインフラエンジニアに対する給与のイメージはいかがでしたか?あなたの持っていたイメージ、ぜひ教えてくださいね。
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