フリーランスとして独立するにあたって、知っておかなければならないことがたくさんあります。それらを把握しないで、中途半端に始めると失敗したり、思うように進められなかったりします。また、本当に独立すべきかどうかの判断も下すことはできません。
この記事は、これから独立してフリーランスを始めようと思っている人に向け、フリーランスの現状から独立に必要になる準備、独立後の活動において、押さえるべきポイントをお伝えします。
会社から独立してフリーランスになる決意をした理由とは?
もっと自由に働きたい、もっと自分らしい仕事をしたいと願い、会社をやめて独立しようと思ったことはありませんか? 中小企業庁発表の2015年度「小規模企業白書」によると、フリーランス全体のうちおよそ7割の人が会社をやめて個人経営で仕事を始めています。
小規模企業白書では「フリーランスという働き方を選択した動機や理由」についても尋ねていて、最も多い回答は「前職を退職した」という理由でしたが、「自分自身の力を試したい」が2番目に多い回答を集めました。一方で「前職の職場での先行き不安」や「前職での待遇の悪化」が3・4番目に多い回答となっており、雇用状況の悪化が影響していることも考えられます。また中には「自身の顧客を持っている」や「周囲の人の勧め・誘い」といった回答も複数見られ、独立を後押しする人間関係があることも決断する決め手となっているようです。
個人経営になって本当に食べていける?手取り年収はどれぐらい?
独立するかどうか決断するとき、最も気になるのは果たして本当に食べていけるかどうかでしょう。2016年度小規模企業白書で示された「フリーランスの手取り年収」では、100万円未満が約21.5%、100万円~300万円未満が約35.2%となっており、300万円~500万円未満が24.9%と100万円~300万円未満が約4割を占めていることになります。次いで500万円~800万円未満が約13.2%、800万円~1,000万円未満が約2.7%でした。
フリーランスは会社勤務時代より厳しい経済状況に置かれると思いがちですが、上記に示したフリーランスの金額は「手取り年収」であるため、給与所得者の平均給与に比べて同水準かそれ以上になっている可能性もあります。またフリーランスの手取り年収で800万円以上と回答した人が全体のおよそ5%いることが分かりました。フリーランスであっても、事業がうまくいけば高収入を得られる道は開けていると言えるでしょう。
安定性はピカイチ?サラリーマンで働く利点と今後の展望
サラリーマンは毎月、決まった給与を受け取れる保障があるため将来の見通しが立てやすいのがメリットです。たとえこっそりサボる時間があったとしても、求められる仕事さえしていればお給料はちゃんと受け取れるはずです。また病気や不意の用事で会社を休むときは有給休暇が使えたり、通勤手当や住宅手当など福利厚生があったり、退職金、雇用保険(失業保険)といった面を考えてもメリットが大きいのは間違いありません。
一方で雇われる身である以上、会社の方針や上司の指示に従うのが大前提となります。嫌な仕事も当然やらなければいけませんし、転勤や転属の指示にも従わなければなりません。また、能力給や成果報酬を採用している企業は少ないことから、仕事のできる人ほどいくら頑張っても給与に反映されにくい、という悩みもあるでしょう。
それでも安定した生活が保障されているなら我慢できるでしょうが、もはや終身雇用制度は崩壊しつつあり業績悪化や不正発覚、最悪の場合は倒産など会社を取り巻く状況もめまぐるしく変化しています。大企業に勤めていても給与カットや給料据え置きなどはよくある話。そのため昔ほど給与所得者の立場にこだわらず、柔軟な働き方を求める志向が高まっているのです。
自由だけど不安定? 自営業者のメリットとデメリット
自営業者になれば「やりたい仕事ができる」、「自分の頑張り次第で収入を増やせる」といった仕事上のやりがいだけでなく、自由に働けることでプライベートとの両立がしやすくなる、というメリットがあります。また通勤や社内での付き合いから解放され、時間を有効に使えるのもポイントです。メリハリを付けて働き、人生を充実させられる、という意味ではフリーランスは大変魅力ある選択と言えるでしょう。
一方で、すべてが自己責任で収入に直結するためクライアントの信用を失う失敗はできません。また、自分自身が病気で倒れるとお金を稼ぐことができなくなります。働いた分だけ収入を得られるので、思い切って休みを取れないこともあるでしょう。多くの個人経営者が心配になるのは先々の収入が不安定で、将来的な見通しを立てにくいこと。たとえばローンを組んだり、クレジットカードを作ったりといったことも自営業者は社会的信用が低いと判断され、サラリーマン時代より難しくなります。
しかし2015年度「小規模企業白書」では「フリーランスという生き方、働き方の今後の見通し」について、およそ8割のフリーランスが今後も事業が持続もしくは拡大すると答えており、前向きな展望を持って働いているようです。
サラリーマンよりフリーランスが向いている人とは?
フリーランスは自由な働き方ができるのが最大の魅力ですが、休み中でもクライアントから連絡が入ることもあり、ON/OFFの切り替えが難しいという側面もあります。また、時には納期が迫って、徹夜同然で仕事をしなければいけないこともあるでしょう。フリーランスは自由である反面、自己責任で時間管理しながらしっかり仕事をこなし、自身の体調やメンタル面もうまくコントロールできる人でなければ成功しないのです。
特にメンタル面では、仕事の依頼が減ったときにも強い気持ちを持てる人や、1人で仕事することに孤独を感じない人、ストレスを貯めない人が向いています。常に向上心があり、自身の仕事を天職として楽しめるかどうかも、フリーランス成功の鍵と言えそうです。
参照:フリーランスとして独立する際に押さえておきたいポイントを解説した記事はこちら
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