IT業界では、技術の革新のスピードが激しく、ある技術への需要が急激に増加しても、数年後には他の技術に取って替わられているということが珍しくありません。
そのため、ITエンジニアは現状の状態に甘んじることなく、日々技術の研鑽を続けなくてはいけません。
そして、IT技術への需要が高まっているにも関わらず、その需要に応えられるほどの技術者が足りていないものもあります。
例えば、PHP・Java・Rubyなどのプログラミング言語を使うことのできる開発者や、プロジェクトを統括できるプロジェクトマネージャー、システムや運用を設計できる管理者など多岐にわたります。
ここでは、スキル保有者と需要のバランスがとれていないものをご紹介し、該当スキルを伸ばす方法まで解説していきます。
ITエンジニアとして生き残るためのスキルや、スキルを伸ばす方法を知りたい方は、ぜひあなたの現在のスキルと照らし合わせて、進んでいく方向を検討してみてくださいね。
参照:エンジニアのスキルアップ・リスキリングの重要性と取り組み方について解説した記事はこち
需給ギャップが発生しているスキルとは?
IT業界が求めているスキルと、スキルを持っているITエンジニアとの間で、需給ギャップが発生しているスキルがあります。そのスキルと理由をお伝えしていきます。
1 PHP・Java・Rubyなどのプログラミング言語スキル
PHPやJava、Rubyというようなプログラミング言語を操ることのできる技術者が、数多く求められています。需給ギャップが発生している分、月額単価もHTMLやCSSといったマークアップ言語と比較して高く設定されています。
ビジネスの展開はWebアプリケーションの構築・運用が欠かせません。その構築を行うためには、マークアップ言語だけではなく、動的にサイトやシステムを動かすためのプログラミング言語が必要になっています。
マークアップ言語だけを扱っているのであれば、プログラミング言語もマスターして守備範囲を広げていくようにしましょう。インフラエンジニアにとっても、作業の効率化という面では今後必要となってくるスキルです。
プログラミング言語については、家庭教師型の勉強や、簡単なサイトを構築できるシミュレーションサイトも多く出てきています。自分1人では勉強することが難しい場合には、そのようなサービスも積極的に利用していきましょう。
2 プロジェクトマネジメントスキル
作業者としてではなく、プロジェクトマネージャーとして全体を統括して作業を推し進めていくスキルが求められています。言われたことをこなすことのできる作業者は多く市場に存在しているものの、全体の進め方を考え、細かい作業に落とし込み、その作業を指示できるITエンジニアは少なくなっています。
「納期」というIT技術者には必ず守らなくてはならない日に向けて、作業の指示だけではなく、問題や課題の潰しこみも行うことのできるITエンジニアが求められています。
部門の幹事など、業務とは関係が無いことからでも構わないので、小さなプロジェクトを数多く完遂させる経験を積んでいきましょう。そうすれば、全体を統括する力を養成することができます。
3 ドキュメント作成
ITエンジニアは、成果物が多いためドキュメントを作成する機会も多くなっています。また、社内や社外の営業において、アピールしたい内容をまとめてプレゼンテーションする機会もあります。
基本設計書や詳細設計書といったフォーマットが決まっているものから、プレゼンテーション資料のようにストーリーや色の使い方、構成などを考えるものまで幅広くスキルが求められます。
特にプレゼンテーション資料は作成する機会も少ないため、センスの良い資料を作成できるITエンジニアは少ないのが現状です。
社内の勉強会や、プロジェクトの中での資料作成には、積極的に手を挙げて作成をしていくようにしましょう。
資料作成は数をこなすごとに完成度も増していく傾向があります。また、デザインに関する本を読んで色や配置について学ぶことも有効です。
4 チーム統率スキル
いわゆるチームリーダーと呼ばれているメンバーを統率していく役割を、責任感を持って、マネージャーやメンバーとの橋渡しができるスキルが求められています。
プロジェクトマネージャーよりも、もっと細かいレベルでの作業の割り振りや、問題・課題の潰しこみを行い、チームが能動的に動くことのできる環境を作ることができれば、質の高いアウトプットを出すことができます。
メンバーとして指示待ちになるのではなく、
チームリーダーとして「今は何をやるべきなのか」を自主的に考えて行動すること
が大事です。
仕事や心配事が増えるからか、積極的にチームリーダーをやる人は少ない状況です。そうではなく、失敗が許される状況で、どんどん自分が正しいと思った方法を実行していきましょう。
5 データ解析スキル
IT業界で注目されている分野として、「ビックデータ」というものがあります。今までは取得していなかったデータ、廃棄していたデータ、放置していたデータに再注目して、目には見えない関係性を見出すことが大きなメリットです。
大きなデータを集積する仕組みだけであれば、インフラエンジニアやアプリケーションエンジニアで構築することができますが、それらのデータをどのように活用すべきかという観点まで提示することは困難です。
そこで登場するのが、データサイエンティストです。ビックデータを様々な解析手法を使って、経営に活用できる情報や法則性を導き出すことをミッションとしています。
このデータを分析・解析する力は、様々な場所で求められているスキルです。この力は、知識だけではどうにもならず、現場で経験を積んでいく必要があります。
とはいえ、ビックデータは国からも数多くの種類が提供されています。それらを使って何か新しい発見がないかどうか、探してみるのもいいでしょう。
6 運用設計スキル
新しい仕組みを導入する時や、お客様からもたらされる営業情報から要件を達成するための体制を提案する時など、具体的に運用する際にどのようにするのかということを設計するスキルも求められています。
ITの現場は、詳細に具体的となっていることを提示されることはめったにありません。「○○を使って監視体制を構築したいが何人体制で実現可能か?」「新しいシステムを導入するが、どのような運用体制を構築したらいいのか?」というように、あいまいな情報の中で、より具体的な情報を出していかなくてはいけません。
そんな時に、過去のIT現場における体験から、運用の方法を具現化し、相手に体制やスケジュール、実現方法などを提示できると、受注できる可能性が一気に高まってきます。
IT現場の経験があって、運用設計スキルがあれば、様々な話に対しても柔軟に対応することができます。
チームのメンバーとして現場に参画している場合でも、参画している体制はどのように出来たのか、どんな工夫をして運用されているのか、日々考えるようにしましょう。そうすれば、違う現場や案件であっても、その時に気が付いたポイントを応用させることができます。
まとめ
ここまで、様々な現場で求められるITのスキルについてご紹介してきました。もしかすると、会社の中では資格取得を口酸っぱく求められているのかもしれません。
ただ、私は資格というのは、知識を体系的に得ることができる1つのツールであり、本当に大事なことはもっと他にあると感じています。
全部で6つのスキルをご紹介しましたが、どれも資格としては証明することが難しいスキルとなっています。勉強して習得するというよりも、IT現場で習熟していくと得られるスキルといえるのかもしれません。
ただ、IT現場に長くいたとしても、それだけではそれらのスキルは習得できません。毎日の業務をなんとなくやり過ごすのではなく、目的意識を持ちながら取り組むことによって、点と点がつながり、幅広いスキルを得ることができるのです。
あなたの現場や会社では、どのようなスキルが求められていますか?きっと、ここで挙げたスキル以外にも求めているものがあるでしょう。ぜひ、どんなスキルが必要になっているのか見つけ出してくださいね。
参照:エンジニアのスキルアップ・リスキリングの重要性と取り組み方について解説した記事はこち
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