子どもが生まれた!フリーランスの仕事、どう続ける?
妊娠・出産を経て、子どもを育てながら働く女性は年々増加しており、フリーランスの場合も例外ではありません。自宅で作業でき、量や時間を調整できるフリーランスだからこそ、産後すぐのタイミングで仕事を再開できることもできるでしょう。しかしフリーランスであっても、育児と仕事の両立が難しいことに変わりはなく、どう折り合いをつけていくか、は永遠の課題と言えそうです。
また会社勤めで育児休暇制度を利用できる立場とは異なり、フリーランスは休んだ分の収入が保障されず、「休むと仕事がなくなるのではないか」という不安も早い時期での復職に拍車をかけています。
子どもを保育園に預けることを考えても、ただでさえ待機児童の問題が叫ばれる時代、在宅のフリーランスは簡単に入園OKといかない現実があります。そこで今回はフリーランスの“保活(ほかつ)”にフォーカスしながら、柔軟に育児と仕事のバランスを取るフリーランスならではのライフスタイルについても検証します。
フリーランスのための“保活”成功ノウハウとは
一般に0歳~5歳児が利用できる保育園(保育所)には認可と無認可に分かれています。認可保育所は自治体が設置し、児童福祉法で定められた「保育所最低基準」を満たす施設のことです。利用するには保護者の就労状況など条件があり、地域によっては希望通りに入園できない待機児童の問題が起きています。
認可保育園の申し込みは市町村役場で随時、受け付けられていますが、入所希望が通りやすいのは年度の変わる4月です。4月入所の手続きは11月ごろに行われ、2月ごろ結果が通知されます。手続きに必要な書類は数種類あり、内容は自治体ごとに異なりますがかなり複雑です。このうち外勤の人が就労証明書を出す代わりに、自営業や内職の人は「就労状況申告書」や「タイムスケジュール表」などを提出します。
また平成27年4月からスタートした「子ども・子育て支援新制度」では、自治体が「保育の必要性の認定」を行うことが定められ、満3歳以上で保育所に入所したい子どもは「2号認定」、満3歳未満は「3号認定」を受けます(満3歳以上で保育を必要としない場合は「1号認定」で主に幼稚園へ入園)。認定の手続きは、保育所の入所申請と同時にできることになっています。
保育園の受け入れ人数には限りがあるため、一般的には優先度の高い人から入園できるシステムになっているのは仕方ありません。この受け入れ判断をするため、多くの自治体で定めているのが「保育所入所専攻基準」です。「就労」が理由のときはフルタイムで働く正社員が最も有利で、在宅で仕事をしているフリーランスは不利だと思われる方も多いかもしれません。しかし、ある自治体の例をみてみると、1日8時間以上の労働を月20日以上、外勤している正社員が指数10なのに対し、パートの指数は9、自営業も9となっており、パートと自営業では条件が同じです。
一方、子育て中のフリーランスのほとんどが在宅で仕事をしていますが、1日8時間以上の労働を月20日以上、在宅で働いている自営業は指数が8となっていて、さほど低いわけではありません(勤務時間によって指数は下がっていきます)。しかし、ここで言う自営業とは個人事業主のことを指すので注意が必要です。開業届を出さずに仕事を請け負っている場合は「在宅勤務者」もしくは「内職」と判断され、1日8時間以上在宅で働いていても指数は5しかありません。
そのためフリーランスが保育所に子どもを預ける可能性を高めるには、
- 打ち合わせや取材などで外勤も多い
- 自宅が仕事場でも電話や来客対応があって、子どもがいると仕事が困難
- 個人事業主として責任ある仕事をしている
- フルタイムの正社員に比べて優先度は落ちるので入園希望者の少ない園を狙う
といった点がポイントとなるでしょう。認可保育所に入れなかった場合は、無認可保育所の利用を検討することになります。中には国の基準を緩和し、独自の基準で設置している東京都の「認証保育所」などもあります。
参照:内閣府「子ども・子育て支援新制度 なるほどBOOK(平成28年4月改訂版)」
幼稚園という選択もあり!
保育園に子どもを預けて思いっきり働く、という女性フリーランスがいる一方、子育てはできる限り自分でやりつつ仕事も続けたい、というニーズも少なくありません。この場合、乳幼児のころは家庭内での保育をメーンとし、就園できるようになったら幼稚園へ通わせる、という選択もおすすめです。
学校教育法で定めているところの幼稚園の入園対象は「満3歳から小学校就学の始期に達するまでの幼児」です。そのため一般的には4歳になる年の4月に年少として入園しますが、一部の幼稚園には年少のさらに下のクラスとして「満3歳児クラス」を設けているところがあります。「満3歳児クラス」では3歳になった時点で入園でき、幼稚園のカリキュラムに沿って教育、保育が行われるため園によっては「年少々クラス」とも呼ばれます。
「満3歳児クラス」を設置している園は一部ですが、多くの幼稚園に開設されているのが「プレ教室」や「2歳児クラス」などとする週に1~3回程度の子育て支援の場です。「満3歳児クラス」が正式に入園しているのに対し、「プレ教室」や「2歳児クラス」はお試し入園や慣らし保育、または幼児教室的な習い事として幼稚園を利用します。母子分離で預かってくれるタイプなら、週に数日でも自分の時間を持てることになるでしょう。
幼稚園は保育園に比べて預かり時間の短いことがデメリットですが、最近は朝8時からの早朝保育や、夕方6時までの延長保育などに対応している園も増えてきました。また送迎バスのサービスがあれば、送り迎えの負担も軽減されます。夏休みなど長期休暇中に預かってくれる園もありますので、いろいろ調べてみましょう。
幼稚園は保育所と違って各施設に直接、入園を申し込みます。人気のある幼稚園は「プレから入っていないと入園できない」や「願書をもらうのに前日から並ぶ」といったこともありますので、ママ友などから情報収集しておくのをおすすめします。
新しい保育の選択!認定こども園や地域型保育とは?
2015年にスタートした「子ども・子育て支援制度」では従来、多く利用されてきた保育所と幼稚園に加え、「認定こども園」や0~2歳児を預かる「地域型保育」といった選択肢も強化しています。
認定こども園は一言でいえば幼稚園と保育所が一緒になった施設のことです。0~5歳で長時間の預かり保育を必要とする子どもが通う一方、幼稚園教育を受けるために通う3歳以上の子どももいます。幼稚園として入園する場合は施設に直接申し込みを行い、希望者が多いときは抽選や先着順などで園が入園者を決定します。一方、保育所としての入園では認証保育所と同様、自治体に申請し、保育を受ける必要があるかどうか審査を受けて入所が決まります。認定こども園は保育園としての設備や職員の体制が整っているため、もし幼稚園児として入ったとしても早朝や夕方の延長保育を利用してフリーランスの仕事も継続しやすいでしょう。
一方、「地域型保育」とは待機児童の多い0~2歳児を対象に、保育所より少人数で子どもを預かる認可施設です。具体的には自宅などで5人以下の子どもを預かる「家庭的保育(保育ママ)」や、定員6~19人の「小規模保育」などがあります。家庭的な雰囲気の中で保育されるのが特徴で、待機児童解消に一役買っています。
自分らしい育児スタイルが選べるのもフリーランス!
幼い子どもは母親が育てるべき、という固定概念は取り払われ、一緒に過ごす時間の「長さ」より「質」が大事、だという考え方も浸透してきました。在宅で仕事をしていてもイライラするぐらいなら思い切って子どもを預け、その代わり一緒に過ごす時間は思いっきり甘えさせる、などの方がお互いに心地よく過ごせる、ということもあります。
一方で仕事のペースは落としても「子どもとの生活を楽しみたい」というニーズがあるのも事実です。そのようなときでも、フリーランスなら仕事量の調整をしたり、必要に応じて育児サービスの手を借りたり、柔軟な発想で育児期を充実して過ごせるのではないでしょうか。子育てで思うように時間がとれなくても、できる範囲で仕事を続けていけば必ずキャリアはついてきます。子育てとの両立で苦労した経験は、時間管理や仕事の効率化といった目には見えないスキルを生み出す可能性だってあります。
自分らしい毎日を過ごすため、育児と仕事の両立をどうすればよいのかは、個々の事情で異なります。保育所の待機児童問題などでネガティブに育児を捉えるのではなく、まずは身の周りで利用できそうな保育サービスを比較検討することから始めてみませんか。
参照:フリーランスが利用できる育児サービスを紹介した記事はこちら
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