交流会はフリーランスにとって実際どうなのか?
フリーランスの成功は、いかに良い仕事を獲得できるかどうかにかかっています。実際に2015年版小規模企業白書でも、「直面した課題」としておよそ4割のフリーランスが「顧客の確保」だと回答しています。一方で「顧客を獲得するための方法」としては、大多数が顧客や友人・知人、同業者または異業種の経営者からの紹介だと答えており、「横のつながり」が非常に重要であるのは間違いありません。
人づてに人脈が広がることもありますが、もし新しい出会いを求めているならフリーランス同士の交流会やイベント、または異業種の集まりに参加するという方法もあります。最近はSNSなどで気軽に参加が呼びかけられる交流会も多く、大々的なものから少人数のものまで内容もさまざまです。
しかし実際に参加してたくさん名刺交換を行っても、その場では社交辞令の挨拶だけで終わり、具体的なビジネスの話にはならずガッカリした、という人も多いようです。中には、「フリーランス同士で、ただ愚痴を言い合うだけだった」や「仕事をくれる人脈は生まれなかった」といった感想を漏らす人もいます。
さらに異業種交流会では詐欺まがいの勧誘や、不動産、保険の営業にばかり捕まった、というのも実際によくある話です。そのため交流会に良いイメージを持たず、残念な体験談を聞くたび参加を躊躇してしまうフリーランスも多いのではないでしょうか。
一方で、もちろん交流会に参加して「有意義な経験ができた」、「良い人脈が得られた」という体験談もあります。では、フリーランスが本当に参加すべき交流会とはどのようなものでしょうか。その選択のポイントと参加する上での注意点などをご紹介します。
フリーランスが参加している交流会の事例とは
普段1人で仕事をすることの多いフリーランスは、交流会やイベントが良い刺激になるのは間違いありません。ここでは交流や人脈の広がりを第一目的として、フリーランスが参加できるイベントはどのようなものがあるか、いくつかの事例でご紹介しましょう。
- 事例その1
フリーランスと企業のマッチングを行っている会社などが主催するイベント。活躍中のフリーランスをゲストに招いてトークイベントやセミナーを行い、その後、懇親会を行うパターンがほとんどです。登録会員向けのサービスや新しい人材確保の一環として開くことが多く、参加費が無料のこともあります。 - 事例その2
地域の中小企業家同友会などが開催するオリエンテーション交流会やセミナー。入会を検討している中小企業経営者向けとなっていますが、自営業者や個人事業主でも参加可能です。同友会の説明が行われたあとは、各テーブルでグループセッション、また全体での懇親会もあり、地域社会における異業種での人脈作りに期待が持てます。 - 事例その3
有料会員制のオンラインサロンに入会し、定期的に開かれるイベントやオフ会、勉強会、合宿などに参加するパターン。オンラインサロンとは、ある特定の分野に優れた人などが主宰しWeb上に設けられた会員制コミュニティのことです。カリスマ的人気を誇る著名人やブロガーのサロンは入会待ち、ということもあります。主宰者を支持する、もしくは主宰者の活動に興味を持っている人たちの集まりであるため、交流会では参加者同士で意気投合しやすい側面があります。 - 事例その4
人気ブロガーなどがSNSやブログを通じて集客を図り、開催するフリーランス向けの交流イベント。主にブログのファンやSNSのフォロワーが参加します。ビギナー向けの内容から、すでにフリーランスとして自立している人向けの内容までさまざまあり、自分の立場にあったテーマを選ぶことが重要です。また主催者の人となりもよく判断しましょう。 - 事例その5
「朝カフェ」や「読書会」などというタイトルで、フリーランス、サラリーマンを問わず誰でも自由に参加できる集まり。カフェでお茶を飲みながら自由に談笑するタイプもあれば、おすすめの本を紹介しあったり、英会話を勉強したり、何か目的を持って開催しているタイプもあります。異業種交流会などに比べて気軽な雰囲気で、新しい人脈を広げられる可能性があります。
交流会でやるべきアクション
忙しいフリーランスがわざわざ時間を取って出かけていくのですから、交流会は「行って良かった」と思えるようにしたいものです。そのためには、以下のような点を心がけて参加してみましょう。
- やはり王道は名刺交換
できるだけたくさんの人と名刺交換をしましょう、というのは交流会の鉄則です。その場では社交辞令の挨拶だけでも、後日、人手が足りないときや依頼したい仕事ができたときに声がかかるかもしれません。そのためには、相手に覚えてもらえる名刺を作っておくことが重要です。しかしイベントや交流会では、不特定多数の人の手に名刺が渡る点は注意が必用です。たとえば普段、ビジネスの場では住所や電話番号も含めた連絡先がしっかり書かれている名刺でなければ信用はありませんが、交流会用の名刺ではメールやHPのアドレス、SNSのアカウント名を入れるだけでも良いでしょう。また相手の印象に残るような、インパクトのあるデザインにすることもおすすめです。 - 積極的に自分を知ってもらう!
交流会に参加しても「特に収穫がなかった」という人もいますが、どこに新しい出会いが潜んでいるかは分かりません。自分の仕事や考え方に共感してくれる人が増えれば、確実にビジネスチャンスは広がります。そのため交流会では、多くの人に自分を知ってもらえる貴重な機会として積極的に行動したいものです。デザイン系の仕事ならポートフォリオを持参し、話のきっかけをつかみましょう。 - 参加したあとのフォローが大事
大多数の人が参加している交流会では、名刺を交換しても誰が誰なのか記憶に残りにくいというデメリットがあります。自分を印象付けるためには、参加した後にメールで連絡を取るのが効果的です。
具体的には交流会の翌日をめどに、「○○交流会での名刺交換の御礼」などの件名でメールを送りましょう。そのうえで「大人数だったため、あまり詳しく話せなかったことが残念」などとし、「御社の事業についてHPを拝見し興味を持ちました。また後日、ゆっくりお話をお伺いさせていただけないでしょうか」など今後もお付き合いを続けたいメッセージを送ります。こういったフォローアップメールを効果的に送って、新しいビジネスにつなげていきましょう。
交流会という名の詐欺や悪徳商法に注意
交流会は新しい出会いが楽しみである一方、行ってみると詐欺まがいの内容であったり、名刺交換した人から後日、しつこく投資話などを勧誘されたり、といったリスクもあります。悪質な交流会につかまらないようにするポイントは以下の通りです。
- 主催者や主催団体がはっきり明記されているか
交流会は個人や個人的なグループ(団体)の主催で開催されることも多いものです。中には実態のない団体が主催していたり、マルチ商法など別の目的で開いたりしている交流会もあります。交流会に参加する前には、主催者の人物像やどのような活動を行っている団体なのか、また連絡先がきちんと明記されているか確認するようにしましょう。一方、企業の主催で開かれる場合も事業内容や事業規模などの確認が必用です。フリーランスのエージェント会社やクラウドソーシング運営会社など、フリーランスの利活用を進める企業の主催なら仕事につながる人脈が得られやすいでしょう。 - 交流会の目的や参加条件、基本ルールを定めているか
特に異業種交流会の場合、さまざまな立場の人が集まります。そのためネットワークビジネスやマルチ商法に携わっている人、宗教の勧誘、高額商品の販売目的の人を参加禁止としているかどうかは必ずチェックしましょう。その他、「お酒の場で営業の話はしない」など細かなルールを定めている交流会もあります。開催する目的をきちんと明記しているかもどうかも、安心して参加するための条件となるでしょう。 - 開催実績や口コミもチェックしてみる
単発で不定期に開かれるイベントもありますが、過去に開催実績のある交流会の方が安心して参加できるかもしれません。また実際に参加した人の口コミがHP上に投稿されていることもありますので参考にしてみましょう。 - 詐欺ではないが勧誘目的の人が多いことも
悪質な詐欺ではありませんが、保険会社や税理士事務所の関係者などが多く混ざっている異業種交流会もあります。そのような場では契約や相談の勧誘を受けることが多くなり、名刺交換したために後日、電話がかかってくることもあるようです。勧誘はお断り、の態度で巧みな営業トークに引っかからないようにしましょう。
フリーランスの交流会やイベントは実際、どのように開かれているのかを事前に知っておけば、最小限のリスクで効果的に参加できるようになるはずです。また、交流会に参加するからには何か一つでも得るものがなければならない!と肩肘張ってしまう方が大半だと思いますが、その場で手ごたえのある収穫があることはほとんどありません。「いつかどこかで仕事の依頼やつながりが生かされるかも」「愚痴を言い合ってすっきりした」「業界の現状や流れを知ることができた」くらいの収穫を望む気持ちで参加するのもいいかと思います。今まで交流会とは無縁だったあなたもこれを機会に一度、参加してみませんか。
参照:フリーランスが参加すべき交流会・イベントを紹介した記事はこちら
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