住宅は自分の資産として残すことが可能であり、老後の収入が不安視される昨今では、老後に家賃支払いをしなくてもよいという安心感や、自分は安いアパートで生活し、安定収入の糧として考えるなど、様々なメリットがあります。しかしフリーランスではローンが組めないと諦めている人も多いのではないでしょうか。実はフリーランス=ローンが組めない、という訳ではないことを知っていますか?少し地道ではありますが、住宅ローンを組みたいと考えた時、ある行動を続けることで圧倒的に住宅ローンの審査に通り易くなるのです。
フリーランスでもローンを組める人の特徴は
フリーランスは安定収入の保障を証明するのが容易ではありませんので、新規のクレジットカード同様、ローン契約を組みにくい傾向にあります。とはいえ、フリーランス=即ローンが組めないということはなく、実際に個人事業主でも立派な一軒家に住んでいる人もいます。しかも、平均年収とそれほど変わらない年収の方でも十分契約が可能なのです。フリーランスがローンを組みたい時、大切なポイントは「就業形態ではなく社会的信用がすでにあるかないか」という点につきます。
ここでいう社会的信用、とは社会に貢献しているであったり、知名度があるであったり、年商がものすごく高いということではなく、「クレジットカードの利用実績などにおいて延滞がないか」「無計画に借金を重ね年収の3割以上の借り入れをしていないか」といった点を指します。ローンを組む時、審査担当者にとって「きちんと月々の返済を行ってくれる人かどうか」が最重要ポイントであり、フリーランスや自営業であっても長期案件が確保できており過去3年ないし5年間の安定した収入実績が証明できれば、とりあえず門前払いになることはありません。よってフリーランスの実績が浅いであるとか、すでに借金の返済額が多いという人は、まず自身の社会的信用を積み上げることからスタートしましょう。
参照:厚生労働省「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」
収入が少ない人は中古物件も視野にいれよう
住宅購入というと、やはり新築物件に目が行きがちですが新築の戸建てや新築マンション購入を検討した場合、その維持費の支払いがきちんと計算に入っているかも重要なポイントです。市場平均と比較して相応かそれより少な目の人は中古物件できちんとリノベーションが済んでいる物件を探すのもひとつの方法です。ただし、中古物件を購入後リフォームする場合の費用は、住宅ローンではカバーできないことがあります。不動産担当とはどこまでリフォーム済みなのか、詳細まで打合せしておくことが必要です。
購入したい物件を決める時、予算の設定は「借りられる金額の総額から決める」ことよりも「月々に支払える金額の積み上げ」から逆算するのがおススメです。基本的にフリーランスにはボーナスがありません。そのため繰り上げ返済等は難しく、月々の支払額を多少多めに設定しなければ返済期間は伸びる傾向にあります。
また「毎月の家賃程度でマンションが購入できる!」といった広告を目にすることもありますが、これには修繕積立費や共益費、火災保険などの各種保険料などは含まれていないケースがほとんどです。思わぬ出費が必要になることも考えられますので月々の支払できる設定金額にはこれらに対する貯蓄も含める必要があります。
長期取引がある銀行なら、比較的契約しやすい
住宅ローンを組む方法として「フラット35」や民間金融機関の住宅ローンなどたくさんの選択肢がありますが、もし今あなたに、フリーランスとしての事業やお金の流れを理解している金融機関があれば、その金融機関の住宅ローンを視野に入れるとよいでしょう。金利や就業不能時の支払に関する条項などを考えると損になる場合もありますが、それほど金利が変わらない金融機関と比較するのであれば、長期取引がある金融機関の方が契約に繋がりやすいのです。
理由としては、あなたのお金の流れが見えているため、金融機関も「支払イメージを具体化」でき、より信頼して融資ができると言ったことが挙げられます。まだそのような金融機関に巡り合えていない場合や購入までに少し期間が開く場合は、ぜひ長期取引したい金融機関を見つけて信用を得ておきましょう。
金融機関の信用を得るコツとは?
金融機関の融資担当者にとって、やはり融資をするのであれば、きちんと利子と元本を返済してくれる人へ融資したいというのは当然の心理です。返済の可能性が高い人とみなされるようあえて継続した取引をするという、地道な努力が将来のマイホームへと繋がります。
- 1) 主要取引銀行(メインバンク)を設定しよう
報酬受取口座はなるべく一箇所に固定し、経費の支払いや下請け、協力会社への支払も一つの金融機関に絞ります。この時、既に年収が平均を大きく超えている場合を除き地場に根差した金融機関(地方銀行や信用金庫など)から選定します。地方の金融機関は地元企業や自営業者への手助けを行い、地域貢献するという名目があることから、それぞれの就労条件などに合わせてさまざまなローンや支払い状況の選定などを親身に行ってくれるケースが多くなっています。 - 2)プラスの利用実績を積み上げよう
ここでいうプラスの利用実績は定期預金などを指します。いきなり「お金を貸してください」といっても、どのくらいの事業実績があるかなどが全く分からない段階では渋られてしまうケースが多いでしょう。その点、貯蓄するだけの猶予がある事業を展開できるなら、といざ融資の話を持ちかけた時に審査が通り安くなります。そして金額も月々5万円~できれば10万円単位といったまとまった金額を貯蓄するのが理想です。「お金を借りるために貯蓄する」というのもなんだか不思議な話のような気もしますが、この貯蓄がゆくゆくは頭金に利用できるほか、フリーランスとして仕事をして行く上で活用できるものでもあります。ぜひこの機会に貯蓄を始めましょう。 - 3)事故情報を作らない
クレジットカードを作る時と同様、様々な支払が滞った履歴がローン契約の足かせになることが予想されます。日々の支払はきちんと行えていますか?当たり前のことが当たり前にできるのがマイホームの一歩となります。一般的に上記の3点を意識して3年から5年ほどフリーランス生活を進めていくと、金融機関の担当者から融資のご案内が来るようになり始めます。窓口で何らかの取引を行った際に近況伺いされることもあるでしょう。そうなれば具体的な物件の選定なども視野に入れてよいと考えられます。もちろん、プラスの信用情報が蓄積されることに関してはメリットが多く法人化する時の経費などを借り入れすることも可能になりますので、堅実に頑張ると得することが多くなります。
信用を得ることは仕事に責任を持つことにも繋がる
住宅を持ちたいという目標のために計画的に貯蓄をし、安定した収入を得ることは、単に目標を達成することだけでなく、様々な仕事に責任を持って継続した受注を得ることに繋がります。仕事の単金UPや工数管理に工夫をし、貯蓄をし、堅実に生活をするといった、
「家のために、家族のために仕事や日常を頑張る」という点においては会社員もフリーランスも関係ありません。ぜひ住宅を持ちたいという気持ちをきっかけに頑張ってみてくださいね。
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