働き方の多様化とともに脚光を浴びるようになってきたのが、フリーランスという働き方です。
しかし、入社から定年まで一つの会社に属し、職務を全うすることが昔から良しとされてきた日本社会では、未だに「フリーランスは生活が不安定」「社会的信用がない」などと言われることがあります。
日本の場合、会社員は毎月給料がもらえるうえ厚生年金や失業保険などにも入ることができるので、生活が安定しているイメージがあります。逆にフリーランスの場合、こういった手厚い「保証」がないため、ネガティブなイメージを持たれやすいのかもしれません。
フリーランスは儲かる働き方なのか、その実情を知りたいという方も多いかと思います。
会社員という働き方とフリーランスという働き方を比べて、どれくらい儲けの差があるのか考えてみましょう。
フリーランスって実際のところ儲かるの?
結論から言うと、儲かっている人とそうでもない人と、両方存在します。
会社員でも、人によって年収400万円の人もいれば3,000万円の人がいるのと同じで、収入はその人次第です。
特にフリーランスの場合、会社員のように毎月決まった金額をもらう契約をするわけではないため、人によって受け取る報酬額の差は会社員以上に大きくなります。
たとえば日本では、役員・経営者などではない、一般の会社員という立場で年収1億円以上をもらうのは非常に難しく、そんな人はほとんど存在しないでしょう。
しかし、フリーランスや自営業であればその人次第で実現可能です。1億円まではいかずとも、年収数千万のフリーランスというのも珍しくはありません。
だからといって「会社員ではなかなか給料が上がらないし、フリーランスになれば儲かりそう!」という安易な考えでフリーランスになると、失敗する可能性がありますので注意です。
その理由を、次の項でご説明しましょう。
フリーランスと会社員の収入差は
フリーランスが儲かる働き方かを考えるために、会社員との比較をしてみましょう。
月収が同じでも、手取りが違う
月給30万円の会社員と、月収30万円の報酬を得るフリーランスがいると仮定します。
一見、同じ月30万円の収入があるように見えますが、手取り額はかなり異なります。
保険の入り方や年齢などによっても変わりますが、会社員・フリーランスともに支払う社会保険料、所得税、住民税が同じ金額だったと仮定しても、フリーランスの方が手取りは少なくなります。なぜなら、会社員にはない「経費」がかかるからです。
経費は青色申告で控除が効くから、支払う税金が少なくなるのでは?と思うかもしれません。確かに、節税面では有効です。
しかし、これはあくまでも「税金をかける利益額を、65万円(※青色申告特別控除の条件を満たした場合)引いた金額にできる」というものであって、かかった経費そのものが減るわけではありません。
ほとんどの場合減る税額以上に経費がかかりますし、会社員にも給与所得控除がありますから、会社員よりも有利になるわけではないのです。
経費で落ちないフリーランス
会社員の間では「経費で落とす」という言葉がたまに使われますが、フリーランスの場合はこれも当てはまりません。
会社員の場合、業務上で自分が立て替えた経費や交通費は、領収書を経理に持っていけば会社が支払ってくれます。
しかしフリーランスの場合、経理=自分ですので、領収書があっても代わりに支払ってくれるところは残念ながらありません。
経費は、あくまでも利益から引いて税額を減らすために計算しておくもので、かかった経費自体は全て自腹です。
このように、フリーランスが会社員と同じ手取りを実現するには、かかった経費分を余計に稼がなくてはならないのです。
参照:厚生労働省「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」
これはNG!儲からないフリーランスの特徴はコレ
最初に、「儲かっている人とそうでもない人がいる」とご説明しましたが、儲からないフリーランスとはどういう人なのでしょうか。
儲からない人には、いくつかの特徴がありますので、同じ失敗をしないように気をつけることで、高い報酬を得られるフリーランスを目指しましょう。
1.友達割引や過剰なサービスをしてしまう
フリーランスですから、クライアントや業務の内容によって、どんな値段をつけるのかは全くの自由です。時と場合によって、割引やサービスをすることもあるでしょう。
しかし、労働量に見合わない過剰な割引はあまり好ましいとは言えません。
「そんなこと、言われなくてもしてないよ」
「これからフリーランスになっても、するつもりはないけど」
という人も、本当にそう言い切れるでしょうか?
「友人だからサービスして!」「今回は予算がないけど、次は大きな話があるから!」などの声に負けてしまう、
直接まけてほしいとは言われていなくても、最初は安くしないと次の仕事に繋がらないかもしれない、と空気を読みすぎてしまう、
などの理由で、通常よりも多めに割引していることはありませんか?
そういうことを何度もしていると、いつの間にか割引価格のつもりでいたものが通常価格になってしまいがちです。こうして、なかなか報酬が増えない原因に繋がっていきます。
「そうはいっても、割引をしないと仕事が来なくなってしまうから」と割引をやめられない人は、なかなか儲からず、赤字になってしまう可能性が高くなります。
次の項でも述べますが、割引をしないと依頼してこないようなクライアントからは、こちらから徐々に離れていくべきです。
2.「腐れ縁」を切れない
「お客様は神様です」という言葉には一理あります。どんな職業でも、顧客の要望や期待に応え、満足してもらうことが大切だからです。
しかしだからといって、クライアントとの間に上下関係ができてしまうのは少し違います。
お互い、同じ目的を達成させるためのパートナーとして協力をし合った方が、よりよい仕事ができるでしょう。
1の割引問題でも述べましたが、友情や今後の約束などをちらつかせることで、不当な値下げを要求してくる人や支払い期限を守らず、遅れるたびにこちらから催促をしなくてはならないクライアントもいます。
これらを許してしまった瞬間から、徐々に上下関係が生まれてきてしまい、一度許せばその後も同じことをされる可能性が高くなります。
こういった関係のクライアントとの付き合いが多ければ多いほど、あまり儲からないフリーランスになってしまうでしょう。
それでもフリーランスにこだわる理由
フリーランスになれば、会社員よりも稼げる可能性は広がりますが、それと引き換えにどうしても犠牲になるのが「収入の安定感」です。
しかし、会社員の場合も安定するのは定年の60歳前後まで。その後も仕事を続けたい場合は、別の仕事を探さなくてはなりません。
年金だけで暮らしていくのが難しい世の中になった今、フリーランスであれば一生の生きがいとして仕事を続けることも不可能ではありませんし、時間が自由・休日も自由・仕事量も自由などの会社員にはないメリットもたくさんあります。
稼ぐ金額が多少少なくても、自分の好きなことを仕事にして自由に生きていけたらいいと考える人もいるでしょう。
さあ、フリーランスと会社員。あなたは、どちらを選びますか?
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