フリーランス新法とは?メリットや対象者、罰則まで徹底解説!

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最近、「フリーランス新法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)」という言葉を聞いたことがありますか?フリーランスとして働く人や、これからフリーランスになりたい人にとって、とても大切な法律です。

今回は、この「フリーランス新法」について解説します。法律と聞いて「難しそう…」と感じた人にもポイントがしっかり理解できるようにわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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目次

「フリーランス新法」の概要

フリーランス新法とは?

フリーランス新法の正式名称は「フリーランス・事業者間取引適正化等法」といいます。名称が表す通り、フリーランスが事業者(発注者)と適正な取引を行えるようにするための法律です。

これまでのフリーランスは会社員とは違い、法律で守られる機会が非常に少ない傾向にありました。仕事の内容が不透明な状態での契約締結や、報酬の支払い遅延などが発生しても、フリーランスに適用される法律が存在しないために不利な状況で働かざるを得ないといったケースも見られました。

しかし、フリーランス新法の施行によって、仕事の内容や報酬を事前に明確化しなければいけなくなったり、支払いの遅延が認められなくなったりするため、フリーランスがより安心して働けるようになると考えられています。

フリーランス新法の目的

この法律ができた背景には、フリーランスとして働く人が増加しているという点があります。フリーランスは会社員と比べて自由度が高い一方、仕事を確保しづらい・報酬の未払いが発生しやすいなどといった不安定な面もあります。

このような事情からフリーランスを保護する必要性を鑑み、「フリーランス新法」が制定されるに至りました。

この法律の目的は、大きく分けて3つあります。

  1. フリーランスの権利を守る
  2. フリーランスと発注者(発注事業者)との公平な関係を作る
  3. フリーランスが安心して働ける環境を整える

つまり、フリーランスが安全に、かつ不利益を被ることなく働けるようにすることが、この法律の大きな目的といえます。

フリーランス新法はいつ施行される?

フリーランス新法はいつから施行されるかというと、令和5年4月28日の可決成立、同年5月12日の公布を経て、令和6年11月1日に施行される予定となっています(令和6年10月現在)。

フリーランスの働き方が大きく変わる可能性のある法律がまもなく施行されるということで、各方面から注目を集めています。

フリーランス新法の対象

対象となる「フリーランス」とは?

では、フリーランス新法の対象となる「フリーランス」とはどのような人を指すのでしょうか?

一般的には、「企業に所属せず、個人で仕事を請け負う人」のことをフリーランスといいます。

たとえば、

  • ウェブデザイナー
  • プログラマー
  • ライター
  • イラストレーター
  • コンサルタント

などの職種にフリーランスが多い傾向があります。

フリーランス新法では、以下の条件を満たす人を「特定受託事業者」と呼び、適用の対象としています。

【特定受託事業者】
業務委託の相手方であって、次の①、②のいずれかに該当するもの
① 個人であって、従業員を使用しないもの
② 法人であって、一の代表者以外に他の役員がなく、かつ、従業員を使用しないもの

出典:公正取引委員会「フリーランス・事業者間取引適正化等法Q&A」

対象となる「発注事業者」とは?

フリーランス新法では、フリーランスに仕事を発注する側も適用の対象としています。

対象とされる発注事業者は「業務委託事業者」または「特定業務委託事業者」と呼ばれ、以下の条件を満たす必要があります。

【業務委託事業者】

フリーランスに業務委託をする事業者

【特定業務委託事業者】

フリーランスに業務委託をする事業者であって、次の①、②のいずれかに該当するもの

① 個人であって、従業員を使用するもの

② 法人であって、二以上の役員があり、又は、従業員を使用するもの

出典:公正取引委員会「フリーランス・事業者間取引適正化等法Q&A」

対象となる取引の内容

フリーランス新法の対象となる取引(業務委託)の内容は、以下の通りです。

●物品の製造・加工委託

→発注側が規格・品質・デザインなどをフリーランスへ伝え、物品の製造や加工を委託すること

●情報制作物の作成委託

→ゲームソフト、システム、プログラム、映像、アニメーション、漫画、設計図などの作成をフリーランスへ委託すること

●役務の提供委託

→フリーランスへ特定の役務(コンサルタント、営業、運送、演奏などのパフォーマンス、物品の修理など)の提供を委託すること

発注事業者に求められる対応や罰則は?

フリーランス新法において、発注事業者に求められるのは以下のような対応です。

●取引条件の明示義務
フリーランスへ業務委託を行う際には、取引の条件を書面またはメール・SNS・チャットツールなどにより明示しなければなりません。明示すべき事項の一例は以下の通りです。

・委託業務の内容
・納品日
・報酬の金額、支払日、支払い方法

●期日における報酬支払義務
発注事業者は、委託した業務が提供された日から60日以内に報酬を支払う必要があります。その際、支払期日はできるだけ短い期間で定めなければいけません(再委託の場合などはこの限りではありません)。

●7つの禁止行為
発注事業者がフリーランスに1か月以上の業務委託を行う場合、以下の7つの行為は禁止されています。たとえフリーランスの了解・合意があった場合や、事業者側に故意がなかった場合であっても違法とみなされます。

①受領拒否
②報酬の減額
③返品
④買いたたき
⑤購入・利用強制
⑥不当な経済上の利益の提供要請
⑦不当な給付内容の変更・やり直し

●募集情報の的確表示義務
発注事業者が広告などによって業務委託先となるフリーランスを募集する場合、広告へ掲載する情報は正確かつ最新である必要があります。虚偽の表示、誤解を生じさせる表示などは法違反となります。

●ハラスメント対策に係る体制整備義務
フリーランスの就業環境を守るため、ハラスメントに対する相談体制・必要措置などを整備する必要があります。また、ハラスメントに対する相談を行ったフリーランスへ不利益な扱いをすることも禁じられています。

●中途解除等の事前予告・理由開示義務
フリーランスへ6か月以上の期間で業務委託を行う場合、契約の解除・不更新については契約の解除日または満了日から30日前までに予告する必要があります。

●育児介護等と業務の両立に対する配慮義務
6か月以上の期間で業務委託を行うフリーランスから申出があった場合、フリーランスが業務と育児・介護などを両立できるように配慮する必要があります。(6か月未満の業務委託を行う場合についても配慮する努力が求められます)

罰則

上記の義務・禁止行為に違反した発注事業者には、行政による調査が実施され、その結果に応じて指導・助言、必要な措置への勧告などが行われます。
勧告に従わない場合は、命令・企業名公表をされることがあり、命令に従わない場合には50万円以下の罰金が科されます。

なお、発注事業者の違反が疑われる際は、取引を行っているフリーランス自らが、公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省などに対して申出を行うことができます。

罰則の存在によって、フリーランスはより安心して仕事がしやすくなります。また、発注事業者も法律を遵守しようとする意識が高まり、結果として双方の良好な関係づくりにつながると考えられています。

まとめ

ここまで、フリーランス新法について解説してきました。もしあなたがフリーランスとして働いているのであれば、この法律をしっかり理解しておくことで、自分の立場や権利を守れる可能性が高まります。また、これからフリーランスになろうと考えている人にとっても、この法律は大きな後押しになるでしょう。

フリーランスの働き方が見直されている今、この法律もまた大きな注目を集めています。これを機に、フリーランスとしての新しい一歩を踏み出してみるのも良いかもしれません。

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フリーランスの世界は、可能性に満ちています。この新しい法律と共に、あなたのフリーランスとしての未来も、きっと明るいものになるはずです。頑張ってください!

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