プログラマーという職業は10年後にはなくなる?これからの10年をどう生きるか
今、巷では人工知能が次世代の技術として話題になっています。人工知能(AI)は、人工的に人間の知能を再現する、という試みです。簡単にいえば、今人間がやっているようなことをコンピューターにやらせよう、というわけです。
過去にも人工知能の開発が盛り上がったことはありますが、その度に失敗し、今回が3回目のチャレンジになります。現在はコンピューターの性能が飛躍的に向上したため、今度こそ人工知能が完成するのではないかと期待されています。
一部の学者は、2045年にはシンギュラリティ(技術的特異点)が訪れ、人工知能が人間の知能を超える、と考えています。本当にそうなるかは今のところわかりませんが、今後10年の間に人工知能技術がさらなる発展をすることは間違いなさそうです。なぜなら、GoogleやAmazon、Microsoftなどの世界的な大企業が、巨額の資金を投じて研究を続けているからです。
これから人工知能の発展が続けば、人間の仕事が奪われることになるでしょう。10年後になくなる職業を予測した調査はいくつかありますが、一部の調査では「プログラマー」が入っているのです。本当にプログラマーは、人工知能に取って代わられてしまうのでしょうか?
この記事では、
- これからプログラマーとして働こうと考えている方
- すでにプログラマーとして働いている方
のために、10年後のプログラマーについて説明していきます。10年後はプログラマーという職業はどうなっているのか、プログラマー業界はどうなっていくのか、また10年後もプログラマーとして活躍し続けるためにはどうしたらいいのか、などをお伝えしていきます。ぜひご一読いただき、10年後もプログラマーとして活躍し続けましょう。
目次
目次
- プログラマー業界の変遷
- 日本と海外のプログラマーはどう違うのか?
- これからのプログラマーに求められる働き方
- 10年後も生き残れるプログラマーになるためにやっておくべきこと
プログラマー業界の変遷
はじめに、プログラマー業界の変遷を、過去・現在・未来に分けて説明していきます。当然のことながら、未来については予測になります。しかし、いろいろな情報から未来も見えてきます。
過去
1960年代ごろまでは、プログラミングは「パンチカード」という紙のカードに穴を開けて行われていました。当時の大型計算機は非常に高価で、また同時に複数人で使うこともできなかったため、このような方法が取られました。コンピューターの普及とともに、パンチカードはキーボード入力に取って代わられました。COBOLやFORTRANなどの高水準言語が普及し始めたのもこのころです。
現在
2000年代に入り、プログラミングはJavaやC#、C++など、オブジェクト指向をメインパラダイムとする言語が普及していきました。その後も、関数型や並列処理などを取り入れ、手続き型も含めより多くのパラダイムに対応するようになってきています。覚えることが多くなった反面、柔軟にプログラムできるようになりました。また、アジャイルソフトウェア開発が普及しはじめ、プログラミングのみならず、開発プロセスも改善が進んでいます。
未来
私は、おそらく10年後もプログラマーという職業はなくならず存在し続けると考えています。それは、今の人工知能に向けられる期待は大きすぎ、たいていこういった期待は実現しないことが多いからです。今も車は空を飛びませんし、たぶん22世紀になっても某猫型ロボットは生まれてこないでしょう。将来に対する期待は、たいてい大きすぎます。
とはいえ、なにも変わらないと言っているわけではありません。人工知能は確かにプログラマー業界に影響を及ぼすでしょう。クリエイティブな思考を必要としない、ただデザインをコーディングするだけの作業や仕様書の通りにキーボード入力するだけ、といった作業は人工知能に取って代わられるでしょう。
つまり、人間が得意とする柔軟な創造力を使わない仕事は人工知能に代替される、ということです。人間の脳のメカニズムは、まだ完全には解明されておらず、それが人工知能研究でも障害になると考えられます。シンギュラリティが2045年と考えられていることからも、それ以前に人間のクリエイティブな思考が代替されることはないでしょう。これから生き残れるのはクリエイティブなプログラマーだけです。
日本と海外のプログラマーはどう違うのか?
日本では、終身雇用制度のために、転職によってキャリアアップを図ることが一般的ではないように思えます。アメリカのように終身雇用制度がない国は、転職によりキャリアアップを図ることが一般的に行われています。もちろん、プログラマーでも例外ではありません。
かつては、アメリカにも終身雇用制度がありました。しかし、今はそうではありません。つまり、日本もいつまで終身雇用が続くかはわからないということです。プログラマーは技術職なので、転職によっていろいろな経験を積むことは有効です。これからの10年、20年にそなえるために、転職でのキャリアアップも検討してみてはいかがでしょうか?
これからのプログラマーに求められる働き方
アメリカでは、実に3人に1人がフリーランスとして働いている、という調査結果が出ています。日本においても、フリーランスは増加傾向にあります。特に、技術職であるプログラマーはフリーランスとして働きやすい職種であるといえます。
また、慢性的なエンジニア不足から、企業もフリーランスを積極的に活用していくことでしょう。いつまでも企業にしがみついているよりも、独立して一人で生きていく力をつけたほうがこれからの10年を生き残っていけるのではないでしょうか。
また、日本だけでなく世界も視野にいれることも大切です。日本のプログラマーの平均年収は低く、アメリカの半分以下です。政府は改善のために努力しているようですが、すぐに改善するとも思えません。日本にある仕事は世界のほんの一部でしかありません。海外も視野にいれることで、仕事の幅が飛躍的に広がることでしょう。
10年後も生き残れるプログラマーになるためにやっておくべきこと
最後に、10年後も生き残るためにやっておくべきことをお伝えしていきます。時代は必ず変わります。時代に取り残されないようにしましょう。
クリエイティブなスキルを身につける
上述のとおり、人工知能の発展が続けば、機械的な仕事は失われます。そのため、今のところ人間にしかできないクリエイティブなスキルを身につけることが重要です。これからはアジャイルソフトウェア開発が普及し、プログラマーも設計を担当する時代です。0から1を生み出すような設計作業は、当分人工知能にはできない芸当でしょう。つまり、プログラマーであっても、システムエンジニアのようなスキルを身につけなければいけないということです。
最新情報を得て現状を把握する
朝起きたら世界が一変していた、そんなことはまずありませんね。どんな変化も、何かしらの予兆があります。プログラマー業界の最新情報を得ることで、その予兆を事前にキャッチできるでしょう。これからの変化を予測し、その変化について行けるようなスキルを身につける必要があります。変化を拒めば、時代の流れに取り残されるのは必然です。
まとめ
これからの10年は、プログラマーという職業に大変革をもたらすでしょう。パンチカードからキーボード入力に移り変わったように、プログラミングの新たな時代が訪れるものと思われます。
しかしながら、変化は一朝一夕に起こるものではありません。しっかりと現状を把握しておけば、時代の流れについていくことができます。時代に取り残されないように、常に最新情報をキャッチアップしていきましょう。人工知能がどれだけ人間に近づけるかは興味深いところです。あなたの仕事は人工知能にできると思いますか?
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