フリーランスでよくいわれるデメリットとは
会社員からフリーランスへ転身しようと考えるとき、多くの人が働き方の変化に不安を感じることだと思います。また既にフリーランスで働いている人も、本当にこれでよかったのだろうかと迷うこともあるでしょう。
漠然とした不安はフリーランスに限らず、どのような働き方をしていても必ずついてくるものです。そしてその不安は往々にして、対象となっている物事をよく理解できていないことで沸き起こります。
そこでフリーランスで働くことのデメリットとはいったい何なのか、デメリットとされていることは本当にデメリットなのか、そしてデメリットをメリットに変える方法にどのようなものがあるのか、この3点を軸にしてフリーランスのデメリットについて考えていきましょう。
まず、一般的に考えられているフリーランスのデメリットを簡単にまとめてみました。
- 収入が不安定
- 有給休暇がない
- 確定申告が面倒
- 孤独を感じる
フリーランスでは、収入の不安定さを危惧する傾向が強く見られ、有給休暇がないことも欠点と捉えられがちです。毎年の確定申告も、事務処理を苦手とする人にとってはネックとなるでしょう。さらには自分で決めたこととはいえ、一人で仕事をすることで寂しさを感じる人もみられます。
しかし、これらのことは本当にデメリットなのでしょうか。一つずつ見ていきましょう。
収入が不安定
フリーランスのデメリットとして一番に挙げられるのが、収入が不安定であるということです。自分で営業して、営業がうまく行かなければ仕事がない、仕事がないと収入がない…。そう考える人が多くいます。
もちろん会社員のように、職場に行けば自分のしなければならない仕事があり、会社が倒産しない限り安定した収入を得ることができるということに比べれば、収入は不安定であるように見えます。しかしながら、会社員はどんなに頑張っても毎月決まった給料が支給されるのみというのが一般的で、その努力がお給料に即反映されるかというとそうではありません。
インセンティブがつく給与体系であっても、基本給が低かったり、業績給がわずかであったり、成果に見合うほどの報酬となっているとは限りません。ボーナスに個人や部署の業績が反映する規定となっているケースでも同様です。
それに対して、フリーランスでは自分の努力が収入アップに直結します。もちろん短期的に見ればフリーランスは収入が安定しないというリスクがあるのも事実です。しかしながら、長期的に見れば積み重ねた努力は確実にスキルに変換され、仕事の実績はすべて個人の信頼につながります。これはこれからの時代を生き抜くための大変強固な武器となるのです。
その根拠となる調査が下の企業倒産件数のグラフです。
この調査によると、2014年に倒産した企業は全国で9,731件。倒産件数は2008年より減少傾向が見られますが、それでも毎年10,000件近い会社が倒産しています。つまり、給料が安定していると思われがちな会社員であっても、長期的に見れば勤務先が倒産するリスクがあるのです。
短期的にみれば不安定だが、長期的に見れば安定するフリーランス、短期的に見れば安定だが、長期的に見れば不安定な会社員。どちらの働き方の方がデメリットが大きいかと比べた際に、簡単にフリーランスの安定しない働き方がデメリットだと決め付けることはできないのではないでしょうか。
有給休暇がない
フリーランスになると会社員にはある有給休暇がありません。そのため休んだ日は収入が入らず損だ、と言われることがありますが、こちらも果たして本当にそうなのでしょうか。
確かに、会社員では出勤日に休んでも有給休暇として消化すれば、減給されることはありません。派遣社員でも、原則として半年以上働けば、有給休暇を取得できるようになります。しかし、有給休暇は法律で決められた権利ですので、そもそもの給与が有給休暇を取ることを前提に設定されているとも言えます。つまり、有給休暇は損でも得でもなく当たり前のことを当たり前のように消化しているに過ぎないのです。
そう考えると、むしろ有給休暇があるのに取得できていない会社員は損をしているともとれます。フリーランスは有給休暇がありませんが、仕事の納期さえ守れれば自由に休日を設定することができるので、特に短所と感じることはないといえます。
確定申告が面倒
会社員は所得の申告が勤務先で行われるので、原則として確定申告は不要です。それに対してフリーランスでは、個人として事業所得を申告する義務が生じます。この確定申告を面倒と感じる人もいるでしょう。
もちろん確定申告には多少なりとも労力がかかります。確定申告とは何かという知識の理解から、実際に確定申告を行うまで時間をとられることも事実です。しかしながら、フリーランスの確定申告には会社員には認められていない権利があるのです。それが経費の存在です。
例えば、自宅を事務所として使っている場合、家賃や公共料金は使用割合に応じて経費として計上することができます。その他、仕事に使用するパソコンや書籍の購入費用、スキルアップのための学習費用も経費に含まれるため、同じ収入を得ている会社員よりも所得税などの各種税金が安くなる可能性があるのです。
また、確定申告は手間隙を掛ける(青色申告)ほど税金を安くすることができ、経理ソフトを利用するとその作業も比較的簡単にできます。売上がある程度確保できれば、税理士に確定申告を依頼し業務に専念することもできます。
参照:フリーランスだからこそできる自由な働き方について解説した記事はこちら
孤独を感じる
フリーランスはときに、誰とも話さずに一日が終わる日もあります。そんな日が続くと、気が滅入ることもあるかもしれません。
しかしながら昨今では、フリーランスや個人事業主、ノマドワーカーの増加に伴い、シェアハウス・シェアオフィスや電源・ネット環境の整ったカフェも充実するようになりました。
交流イベントが開催されていることも多く、同業者や異業種の人と親しくなるきっかけをつくれる可能性も増えています。職場の人間関係に悩んでいた人にとっては、常時、人に接しなくて済むフリーランスは気楽ともとれます。
フリーランスでデメリットといわれていることは、しっかりと理解し視野を広げてみると実はメリットであるということも少なくありません。フリーランスとして実績を上げている方や、シェアオフィスなどを積極的に使っているフリーランサーの方の中には、これらのデメリットをうまくメリットに変える方法を知った方も多くいらっしゃいます。
実際にそういう方々と会ってみるのもよし、SNSなどを有効に活用してみるのもよし、たくさんの方とつながりを作って充実したフリーランス生活を送ってみましょう。
フリーランスになるために必要な知識やスキルアップの方法等、様々なお役立ち情報を発信していきます。
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