リモートワーカー、特にフリーランスによくある課題の1つに所在地があります。例えば自宅兼オフィスの住所の公表に抵抗感を感じたり、ブランディングに影響するなどのお悩みに対し、選択肢の1つとしてバーチャルオフィスの活用が挙げられます。ここではバーチャルオフィスの意味と、メリットデメリットを紹介します。
バーチャルオフィスとは?
バーチャルとは「仮想」を意味する言葉です。したがってバーチャルオフィスとは、事業に必要な住所や電話番号だけを借りることを意味します。実際に仕事を行うのが自宅・クライアント先であるため、作業スペースは不要だが連絡先だけが欲しい、といったニーズに適しています。
また、バーチャルオフィスの新しい形として、仮想のオフィス環境そのものを提供するサービスも出てきました。PCやスマホに付随するカメラによって、作業場所を問わずに同僚の様子が映し出され、顔をあわせて作業することも可能です。
ちょっとしたことをつぶやけるなど、ほぼ通常のオフィスと同じように働くことができるため、企業やチームに適したサービスといえるでしょう。その一例としてRemottyというサービスが挙げられます。
リモートワークに最適なバーチャルオフィス 企業のリモートワークに「Remotty」
レンタルオフィスとは違う
レンタルオフィスという言葉もありますが、レンタルオフィスとバーチャルオフィスの違いは作業スペースと備品の有無です。レンタルオフィスとは作業スペース、主に備品付き個室を使うことができます。そして会議室・会議スペースも借りることができるサービスが増えています。
逆にバーチャルオフィスとは、住所や電話番号・FAX番号などといった必要な情報だけを借りることができるサービスであり、作業スペースは含まれません。バーチャルオフィスに届く郵便物や電話は、設定した住所や電話に自動的に転送されます。
従って、仕事をする空間も欲しい人には、レンタルオフィスの活用が適しています。
リモートワーカーがバーチャルオフィスを使うメリット・デメリット
リモートワーカーにとって必ずしもバーチャルオフィスが適しているとは限りません。あなたが絶対満たしたい条件を意識しながら、メリットデメリットを知り、賢く選択しましょう。
メリット
バーチャルオフィスの一番の魅力は、イニシャルコストを削減できることです。オフィスを借りてしまうと月々の固定費が発生しますが、バーチャルオフィスの場合には必要な機能だけに絞ることができるため、場所を選ばず働くリモートワーカーには最適な選択肢の1つといえるでしょう。
また、バーチャルオフィスは都心の一等地にあることが多く、起業したての段階や事業規模が小さなうちは特に、信頼性をアップさせる効果も期待できます。特にリモートワークで全国の企業と仕事をしたいと考えている場合には大きな効果を発揮します。
たとえば地方に移住してリモートワークを考えている場合、都心の会社がわざわざ地方の取引先を選ぶ可能性は、特別な理由がない限り低いと予想されます。しかし都心の住所を手に入れておけば、そういったブランディングの壁はなくなり、全国の企業と取引しやすくなるためです。
また、バーチャルオフィスなら自宅の住所を公表せずにすみます。女性にとってもプライバシーを確保できるメリットは大きいでしょう。
デメリット
バーチャルオフィスの場合、会社設立のための各種申請が通りにくくなってしまう可能性があります。具体的には、銀行の法人名義の口座開設・社会保険や雇用保険の手続申請・創業融資などが挙げられます。
また、許認可を要する業種、たとえば古物商や派遣業なども、バーチャルオフィスでは実体がないため許可がおりない可能性があります。許認可が必要な業種で仕事を始めるならバーチャルオフィスでも支障がないか、事前に確認をとるのが安心でしょう。
さらに、多くの会社が同じ住所を使用するため、住所検索されると複数の会社がヒットしてしまい、バーチャルであることが明らかになるのもデメリットの1つとされます。
バーチャルオフィスを選ぶ時の注意点
リモートワークが普及してきた最近のサービスのため、付随するサービスは会社によって大きく異なります。例えばコワーキング空間の条件付き利用、電話対応代行などがありますので、その点も注意しながら選ぶとよいでしょう。
またバーチャルオフィス契約であっても会議室を条件付きで利用できる場合があります。打合わせを時折要する場合や、打合わせ内容が外に漏れてしまうのが気になる場合には、会議室が使えるバーチャルオフィスを検討するのもよいでしょう。
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まとめ
バーチャルオフィスはリモートワーカーにとって魅力的な選択肢の1つです。会社設立関係の申請が通りにくくなってしまうデメリットはありますが、一方でブランディングやプライバシーの確保ができるといった大きなメリットもあります。あなたに必要な機能を見極めながら、賢く導入を考えていきましょう。
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