ヒット曲を影で支える作曲家(音楽家)のお仕事とは?
作曲家と聞くとあなたは何をイメージしますか?アイドルユニットなどの楽曲の作成はもちろん、映画やゲーム、アニメなどに使われる曲や音の作成はほとんどが作曲家の仕事となります。他にも、校歌や合唱曲などを手掛けている作曲家の方もいらっしゃいます。作曲家は、あらゆる楽曲の作成に携わっている曲づくりのプロなのです。
作曲と編曲はよく混同されやすいのですが、作曲は曲のメロディーを考えるプロであり、編曲はギターやドラムなどのメロディー以外の部分を考えるプロです。ただし、クラシックの場合は、作曲と編曲を同時に行うことが多いため、クラシック専門で仕事をしていきたいのなら、編曲を踏まえ音楽に関する高度な知識が必要になってきます。
そして、作曲家にとって最低限必要なことは、さまざまな楽器の譜面を読めること、実際に弾くことができるということです。よく使用されるピアノやギターは弾けるようになっておきましょう。さらに、曲を作る上での理論や音楽に関する知識を豊富に持っておくことも、さまざまな作曲に対応するうえで大切なことです。
また近年では、デジタル機器、パソコンソフトを使用した作曲が主流になってきています。パソコンを使用した作曲スキルも磨いておくとなお良いでしょう。作曲におけるパソコンスキルについては、後ほど詳細を解説します。
作曲家はプロダクション勤務かフリーランスの二択
作曲家の仕事の報酬や働き方は、プロダクションで勤めるかフリーランスで活動するかによって大きく変わってきます。主な違いは2つです。報酬の面、仕事の仕方において異なってきます。
まず、報酬について。プロダクション勤務でも委託契約の場合は、フリーランスと同じような扱いになってきますが、企業に所属する場合は月給制が多く毎月報酬が安定しています。しかし、フリーランスや委託契約の場合は、出来高によって報酬が大きく異なってきます。
特に、作曲家の場合は「印税」というものが関わってきます。印税とは、曲が売れれば売れるだけ、売り上げの中の一定の率がマージンとして入ってくる収入のことです。アーティストの楽曲などが、印税報酬にあてはまります。曲が売れれば、自然に報酬も増えるのが印税収入の魅力です。中には、印税報酬ではなく一曲につきいくらと報酬が決まっているものもあるので、仕事の契約を行う前にしっかり確認しておきましょう。
次に働き方について。プロダクション勤めの場合は会社が仕事を持ってきてくれますが、フリーランスの場合は、コンペ方式がほとんどです。コンペとは、応募して採用されたら報酬が支払われるというもの。募集によっては倍率が高く、メロディーだけでなくバックミュージックをつけるなどの工夫がないと採用が難しいことも少なくありません。コンペ式なので、さまざまな案件に応募できるという点はメリットではありますが、採用されなければ報酬は入らないので、なかなか厳しい業界だと言えるでしょう。
参照:厚生労働省「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」
作曲家におすすめなソフト選びのポイント
1990年代以降、パソコンでの楽曲作成が主流になってきている作曲業界。パソコンを使っての楽曲作成のスキルは欠かせません。パソコンでの楽曲作成におけるツール、すなわちソフトを総称して、一般的にはDAWと呼ばれています。それぞれのソフトに特徴があり、どれが良いかは一概には言えないので、ソフト選びの参考にしてみてください。
DAWにはさまざまなラインナップがあり、どのソフトを選ぶかが楽曲作りにおいて大切になってきます。はじめに確認しておきたいのが、パソコンのOSに対応しているかです、OSにはWindowsとMacがありますが、中にはMacに対応していないものやWindowsに対応していないものもあります。
マルチに対応しているものでおすすめなのが、CABASEやProTools。CABASEは世界的にもシェアの高いソフト。シェア率が高いので、情報を得やすくサポートにも期待できます。いずれもOSにこだわらずに導入できるのがメリットです。Windowsであれば、SONARがおすすめ。音源の豊富さとMIDI入力の充実が魅力のソフトです。普段からwindowsに使い慣れている場合は、windowsに合ったソフトを選ぶと良いでしょう。
MacでおすすめなのがApple社のLogic。18,000ものループ素材の豊富さと低価格が魅力です。素材の豊富さなどのクオリティーにひかれ、Macに乗り換える方も少なくありません。音作りに強いこだわりがあるなら、Macに乗り換えてみるのも良いかもしれません。
次に、エフェクトや打ち込みについて。エフェクトが多いと楽曲の幅を広げることができます。エフェクトを重視しながらソフトを選ぶのも良いでしょう。打ち込みは、パソコンを使っての打ち込みの他、キーボードを使って打ち込みができるものがあります。パソコンのマウスなどを使った打ち込みは、ピアノを弾けなくてもできるのがメリットです。しかし、キーボードでの入力に比べ効率が落ちるのも事実。ピアノに近いキーボードを使った入力のメリットは、実際に弾きながら入力ができるので、マウスで入力するよりも効率が良いという点。利便性を考えて、どちらが自分に合っているのか、キーボードを導入するべきなのか検討しましょう。
発注者が見ているポイントとは
フリーランスの作曲家の場合、コンペ式での仕事の応募になります。つまり、発注者側は数ある楽曲の中から、曲を選ぶということ。当然、何か心に残るものなどが採用されます。コンペで採用されるためには、常に自分の曲のクオリティーを高めると同時に求められている曲をよく理解している必要があります。特に曲は不変的なものではなく、時代によって移り行くもの。常に新しい感性を持って、今売り出されている曲の研究に事欠かないという姿勢が大切です。
また、コンペ式での応募の場合は締め切りが3日後から1週間後と短納期のことも少なくありません。短期での仕事を成功させるためには、仕事のときだけでなく常に音楽を生活の一部として取り入れていくことが大切です。常に音楽に触れる生活を送ること、常に新しい曲を作ることによって、短納期でも柔軟に対応することができるようになります。
作曲家成功のカギは・・・
作曲家が成功を手にするためのコツは、とにかく質の良いものをいかに早く作れるかということにかかっています。フリーランス特有のコンペでは、応募数の中のたったひとつしか採用されません。ひとつのコンペに賭けていては、安定した生活を送ることは難しいということです。そのため、作曲家として成功するためには、できるだけ多くのコンペに参加してどれだけ採用数を増やしていくかがカギになります。いかに早く、クオリティーの高いものをつくれるかが成功のコツです。また、自分の苦手意識にとらわれず、さまざまな音楽に携わることによって、音楽における感性も磨かれていくことでしょう。
フリーランスの作曲家の場合、コンペ方式での採用になるため、他のフリーランスの業種などと比べて安定した収入に持っていくのにかなりの労力や努力が必要とされます。フリーランスと活動していくには、作曲家だけでは生活できないかもしれないということを念頭に入れておくことが大切です。また、フリーランスの作曲家で陥りやすい失敗が、専門を磨いても採用されないこともあるということ。残念ながら、音楽に正解や不正解は存在しません。成功へと持っていくためには、自分の得意分野だけでなく、さまざまな音楽の分野に精通し、自分のできることを増やすことも大切です。
作曲家は、世の中に自分の作った曲を配信できる魅力的な業種でもあります。しかし、フリーランスで活躍していくには、なかなか難しい面があるのも事実。フリーで活動する前に、実際に作曲家として活動されている方に成功の秘訣や失敗談について伺ってみませんか。
参照:サウンドプログラマーになるための方法について解説した記事はこちら
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