フリーランスのおよそ7割が色々な不安と闘っている
仕事を獲得できるか、収入を得られるか、締め切りまでに終わらせられるのか、体調を崩さないか……。組織に属さず、すべて自分の裁量で決められるフリーランスはやりがいのある働き方である反面、常にさまざまな不安と闘わなければいけません。タイムリーに今、悩んでいるフリーランスもいれば、これからフリーランスになろうと思っているけれど、なんだか色々心配、という人も多いでしょう。
実際に2015年版小規模企業白書によると、「フリーランス形態で事業を営む中で不安や悩みはあるか」との問いに対して、「ある」と答えた人は7割強にもなっています。そこで今回は多くのフリーランスが感じている不安や悩みはどのようなものか、twitterでつぶやかれている声を参考にしながら大検証してみます。不安を解消する手立てについても考えてみましょう。
あるあるその1 先行きが見えない不安
「フリーランスの将来が不安、というのは紛れもない事実。仕事が無くなるのが怖いと、常に思っています」
「フリーでやっていますが、未来を考えると不安で不安で眠れません」
「日々、先が見えない不安と闘っている。 貯金は大事です」
前述の小規模企業白書で明らかになったフリーランスの不安や悩みの第一位は、「収入の不安定さ」でした。さらに年収400万円未満のフリーランスに、不安や悩みの傾向が強いということも分かりました。
もちろん安定した収入、十分な貯金があれば金銭的な不安もなくなるはずです。しかし実態はというと、手取り年収が300万円未満、という人が約6割。貯金にいたっては100万円未満が約4割を占めています(2015年版小規模企業白書)。この数字だけを見ても、経済的な不安を感じる人が多いのは否めません。
しかし、会社を取り巻く現状も変わっており、年功序列で退職まで楽にいられるような職場は減っています。実力主義の評価制度が導入され、日々、精神をすり減らしている会社員もいるでしょうし、不本意な部署への異動や嫌な人間関係に悩む人もいるでしょう。
「会社員のとき、勤めていた会社がことごとくつぶれました。それで今フリーランスをしているわけですが、どんな仕事をしていても不安って付き物だなあと思います」
もはや会社員でも業績悪化や不正発覚などで給料カットや早期退職など先行きの見えない時代です。
将来の不安は多かれ少なかれ、誰にだってあるもの。フリーランスの仕事に波があるのは当然のこととして現実を受け入れ、どうすれば収入や貯金の増加につながる仕事ができるのか、前向きに考えることを始めてみましょう。
あるあるその2 暇になると不安になる
「仕事ばっかりだとしんどくなるのに、ぽっかり暇になると不安になる。本当にフリーランスって難儀」
「仕事の依頼がないと経済的な不安に陥るし、依頼があると期限までに終わらせなければいけないプレッシャーで日々悩んじゃう。これはフリーランスの宿命か?」
「休みが欲しい。でも仕事をしていないと不安になる」というのはフリーランス特有のよくある悩みです。「暇になる=収入がない」という状態なので、案件が切れてしまうと経済的な見通しが立たなくなってしまいます。
そのため、次のようなつぶやきも。
「今やっている仕事が忙しくて死にそうだけど、この案件が終わって暇にならないよう次の仕事を入れなければいけないのが辛い」
締め切りに忙しく追われているときでも、「次の仕事をどうするか」常にアンテナを張って、場合によっては営業もしなければいけない、というわけです。
フリーランスはなんて大変なんだろう、と思われるかもしれませんが、実は多くのフリーランスは複数のクライアントとコネクションを持っていて上手に使い分けています。一つの案件が終わっても、次のあてができている、という状態を保っているのです。お互いに信頼関係で仕事できるクライアントを複数持っていると、休暇を取ることも怖くなくなるでしょう。
そのような“強い”フリーランスになるにはクオリティーの高い仕事を続け、適切なコミュニケーションを取ってクライアントから信頼されることが必用です。
仕事がないときでも自分のスキルを磨き、向上心を忘れなければ良い仕事が舞い込んでくる可能性もあります。
あるあるその3 仕事を断ると次がないかも、という不安
「仕事を断ったら次がないかもしれないので、どれだけしんどくても体に鞭打ってやっている。養う家族がいると、もう本当に拒めない」
「スケジュール的に厳しくて、新しい仕事依頼を断った。売れっ子は困るね~、なんてのんきに喜べたらいいんだけど、次がなかったらどうしよう?という不安の方が大きい。この先行きの見えなさが、本当につらい」
仕事を継続して依頼されるのは大変光栄なことですが、中には「緊急でお願いします!」など困ったお願いもあります。お世話になっているクライアントだから多少の無理は聞いてあげたい、何より断るともう依頼がなくなってしまうかもしれない…。そう考えて引き受けたものの、やはり時間的にも体力的にも厳しくて、結局、後悔したような経験はありませんか。
「断る」というのは大変、勇気のいる行為です。しかし、無理に引き受けた仕事で心身ともに負荷がかかり、納品物の品質も下がったとしたら何も良いことはありません。
大切なのは誠意を込めて、上手にお断りする、ということです。何でも安請け合いをして、自分の価値を下げる方が将来的にはダメージが大きいはず。ちゃんと断ることで逆に、仕事に対するポリシーやプロ意識を相手に伝えることもできるのです。
「今、一番やらなければいけないことは?」、「大事にしたいことは?」。自分の中で仕事を引き受ける基準や軸をしっかり持ち、クライアントに言われるがまま、勢いで引き受けてしまった、というようなことがないようにしたいものです。
あるあるその4 この先何年、頑張れるんだろうという不安
「いつまで自分に仕事が来るのか不安。新しいことを勉強し、自分にも投資しなければ仕事の幅が狭まるのは分かっているが、そもそも仕事以外に時間を作ることが困難」「10年、20年先まで自分は必要とされる人材で居続けられるのだろうか。自分自身のモチベーションもいつまで続くんだろう」
フリーランスで移り変わりの激しい業界に身を置いている人も多いことでしょう。今目の前の仕事をこなすことで精いっぱいかもしれませんが、ふとしたときに同じ働き方をずっと続けていけるのか、不安に思う人も多いようです。
新しい技術の台頭、海外フリーランスの流入、クライアントの担当者が自分より年下、という現実に直面したら、働き方そのものを見直さなければいけない時期がきます。
もしかしたらフリーランスという働き方にこだわらず、その時々で雇用されたり、またフリーランスに戻ったり、ということを柔軟に考えられるようになった方が不安も減るのかもしれません。時代の変化に合わせ、働き方も変えていけるようにしましょう。
あるあるその5 健康に対する不安
「フリーランスの知人が入院したらしい。この仕事は有給も傷病手当もないところがつらい。病気になったら、本当に死活問題」
「忙しいと夜も土日も関係なく働き尽くめ。それで病気になっても、何の保障もない」
最後は健康に対する不安です。フリーランスは時間に自由な反面、深夜に仕事をしたり徹夜したり、生活習慣が乱れやすい傾向にあります。また自宅を仕事場にしていると家にこもりがちで、運動不足になるのも健康リスクを増大させます。
また自治体から健康診断の案内が来ても、面倒くさくて行っていない、という人が大半なようです。しかし、フリーランスは自分の体が一番の資本。何の支えもないわけですから、普段から何が何でも健康には気を遣うべきなのです。サラリーマンの傷病手当に代わる「就業不能保険」の情報も含め、健康保険についてもしっかり理解しておきましょう。
不安はあっても今後の展望は前向きなフリーランスがたくさん!
フリーランスにありがちな様々な不安を見てきましたが、共感するようなところはあったでしょうか。フリーランスを目指そうとしている人にとっては、ますます不安になってしまったかもしれません。
しかし2015年版小規模企業白書では、不安を抱えているフリーランスが多いという実態が明らかになった反面、「今後の見通し」については「フリーランスのまま事業を拡大したい」、「フリーランスのまま事業を維持したい」の合計が全体の7割以上を占める回答を集めました。
また「フリーランスという生き方、働き方」についても、およそ4割が「広がると感じている」と答えています。「現在とあまり変わらない」という現状維持の回答も含めると全体の8割近くが将来について前向きに考えている様子がうかがえます。
このように不安はあるものの、フリーランスに夢や魅力を感じている人が多いのも事実です。組織に頼らず自分の力で勝負していくフリーランスという働き方を通し、あなたももっと人生を充実したものにしてみませんか?
参照:仕事がないときに参考になるフリーランスのアクション一覧はこちら
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