企業の問題を解決に導く「分析力」がカギ
個人や企業が抱える何らかの問題を解決に導く「コンサルタント」の業務は、業務を知らない人にとって「クライアントにアドバイスをするだけで高額のコンサル料が入るなんてうらやましい」などと言われることもあります。しかし実際はアドバイスに至るまでの膨大な分析や業界研究などへの対価であることはあまり知られていないのではないでしょうか。
そんなコンサルティングの基本から、コンサルタントの業務をフリーランスで行うためのポイントについて考えてみましょう。
コンサルタント業務の概要とフリーランスとしての展望
コンサルティングはクライアントの問題点や改善点を見つけること以外にも、新規事業立ち上げに対する提案等を行うなど、「クライアントの事業をどのように成長・成功させるか」を様々な角度から分析・検証します。
コンサルタントとして就業するためには、一般的に必要な資格等はありません。そのため、コンサルティング会社で勤務したことがない人でも、自分の専門分野に対する豊富な経験や知識があれば今日から「コンサルタント」として名乗ることも可能です。実際に、経営のノウハウがある、業界の動向をつかむことが得意であるといった側面から、個人事業主として経営・戦略コンサルタント業を営む人の中には、社長をはじめとした役職経験者が多いという統計もあるくらいです。
とはいえ、やはりクライアントは料金を支払って依頼するのですから専門分野の業界経験がなく知識だけ豊富なコンサルタントには依頼しがたく、第一線のコンサルタントとして活躍したいのであれば、コンサルティング会社に就職するか、自身の専門とする業界の経験を積んでから独立するのが一般的なルートであり、重要なポイントといえます。
では、コンサルタントとして就業経験がない、または就業経験が浅い場合、フリーランスのコンサルタントになることは不可能なのでしょうか。とても狭き門ではありますが、十分に就業のチャンスはあります。
例えば、コンサルタント業として需要の高い経営コンサルタントや医療コンサルタント等は、案件が多い反面、競合も多くいます。コンサルティング業を展開している人の少ない分野へ路線変更し、第一線で活躍することができるのもフリーランスだからこそのフットワークの軽さに起因します。大手と提携することは難しくとも、自身の得意分野の知識をフル活用して、緻密でクライアントに寄り添ったコンサルタントになることができれば、企業勤めと同様のやりがいや実績を積むことができるでしょう。
なお「どう頑張っても営業に時間を割けない」「具体的な営業方法がわからない」、といった不安に関しては、クラウドワークス テックのような紹介エージェントを利用するのも一つです。上記はIT系コンサルタントの例ですが、様々な案件に特化したエージェントがありますので、有効活用してみるのをオススメします。
参照:厚生労働省「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」
コンサルタントの分業制とフリーランスならではの苦労
一般的なコンサルティング会社の場合、各コンサルタントは専門のチームとして業務を遂行し、経理や営業に相当する業務は後方支援として、それぞれの分野は独立しています。また、各コンサルタントはメインの担当を持っていることはあれども、案件の立ち上げ等の重要な場面を一人でサポートすることは少なく、チームで分析・提案を行うことが大半です。これらは、コンサルタントの業務が広範囲にわたる分析に基づくものであり、十分なコンサルティングが一筋縄で実現しないことなどが理由であり、各コンサルタントが分析・企画/改善策立案などの業務に専念するためには必要な分業といえるでしょう。
一方、フリーランスでコンサルティング業務を行うためには営業や経理、その他上記で挙げたようなものを自分ですべて担当しなければなりません。一般的に、コンサルティング業務で発生する経費等は他業種に比べて比較的単純なものではあるものの、日々の業務の隙間時間で少しずつこなせなければ確定申告等、税金の処理に困ることになるでしょう。
そのため、まずフリーのコンサルタントとして心がけたいことは、雑務を溜めないこと、日々、自身のコンサルティングも担当していると意識することです。セルフプロデュースができないコンサルタントはやはり信頼が薄くなります。慣れるまでは大変ですが、いきなり大きな事務所を構えたり、大口案件を抱えたりしなければ、日々の努力でカバーできるでしょう。
コンサルタント仲間との横のつながりを大切に
フリーのコンサルタントが抱えやすい悩みのひとつに「クライアントがこのまま継続契約してくれるのか」ということがあります。コンサルタントは企業の悩みに対し、分析、改善策の提案等を行いますが、その内容が本当に改善に繋がるか、短期間で結論が出るとは限りません。
自身のプレゼンに落ち度はなくとも、短期間で結果が実感できない場合、クライアントからコンサルティングの解約を申し付けられる可能性もあります。フリーのコンサルタントは分析結果や提案内容を常に評価してもらえるとは限らず、孤独と向き合いながら業務をこなす日々が続くこともあります。
では、先ほどのような「分業をせず一人でこなすことへの不安」や「クライアントからの評価や実績がすぐに実感できない焦り」「今後のクライアント・案件確保への不安」には、どのように立ち向かえばよいのでしょうか。
それには「様々な人脈をつくること」が有益です。「一般的にはいい提案ではあるものの、次の契約は見合わせたい」と判断されるとき、たとえば「評価結果や改善案が自分の会社の問題に寄り添ったモノではなかった」などがその理由に挙がることがあります。一人でコンサルティングを行うと、自分の分析結果を客観視できなかったり、クライアントの置かれている状況を誤って理解してしまい、適切な報告書を作成できなかったりします。クライアントの業界をコンサルタントが体験することは容易ではありませんし、寄り添おうとするあまり、実際の提案内容がクライアントにとって必要な情報から逸脱してしまう可能性もあります。
チームで業務を行うことが難しいフリーランスのコンサルティングにおいて、そのような知識不足や分析内容の提案テクニックを補うためのヒントは、コンサルタント仲間や既存のクライアントとの対話に隠れていることが少なくありません。フリーランスのコンサルタントにとって、様々な情報に触れるために、時に異業種交流会なども参加し、色々な知識を吸収することや発想力を養うことはとても重要です。
このように、コンサルティング業でフリーランスを目指す際には、いかにコンサルタント業務以外のことを充実して行えるかが鍵になってきます。フリーランスになれば、企業勤めのときよりもスケジュールを自分で組むことができるなど、時間を自由に使うことができるようになります。しかしながら、現実的には業務やそれ以外のことに追われ、蓋を開けてみればサラリーマン時代の方が時間があったということもしばしば。フリーランスとして活躍していくためには、まず、フリーランスとして独立した際にどのような問題が起きるのか、どのような生活スタイルになることが予測されるのかをじっくり考えることにつきます。フリーランスコンサルタントについての詳細もさることながら、フリーランスという働き方について理解を深めるとことから始めましょう。
参照:自由に仕事ができるフリーランスコンサルタントについて解説した記事はこちら
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