働き方改革の一環として推奨された「テレワーク・デイ」。直訳すると「離れたところで働く日」となりますが、その実態については知らない方も多いのではないでしょうか。「テレワーク・デイ」は社会人であれば知っておくべき言葉の1つですので、ここでしっかりとチェックしておきましょう。
テレワーク・デイとは?
テレワーク・デイというのは、政府が主導する一斉にテレワークを行う日のことです。東京都および経済団体連合会と連携し、全国から参加する企業や団体を募集する形で実施されます。期間は2017年から2020年までと定められ、毎年7月24日、東京オリンピックの開会式に当たる日付が「テレワーク・デイ」とされています。
これらの取り組みは2020年の東京オリンピックにおいて予想される、交通混雑を避けるために行われました。参考にしたのは2012年のロンドンオリンピック・パラリンピックです。当時も交通混雑によって通勤に支障が出ると予測されたことから、テレワークの活用が呼びかけられました。
結果、多くの企業と市民の賛同を得ることができ、会期中の交通混雑を避けることに成功。また実施した企業では生産性の向上や仕事の満足度向上といった効果もあったことから、日本でも交通混雑の回避と働き方改革の一つとして取り入れられました。
テレワーク・デイの目的と得られる効果
テレワーク・デイの目的については、短期と長期で分けられます。まず短期的には2020年に開催される東京オリンピックにおいて、交通混雑が経済活動や都市機能に支障をきたさないようにすることが目的です。
2017年から開催されているのは予行演習とテレワークを普及させるためであり、毎年募集する企業を増やしつつ本番を迎える計画となっています。そして長期的には、通勤ラッシュの緩和と、働きに出づらい女性や障がい者の就業機会を増やすことが目的です。
2013年に国が定めた「世界最先端IT国家創造宣言」においては「2020年までに国内企業の約3割にテレワークを導入し、週に1日以上在宅で仕事をするワーカーを10%以上にする」という目標も設けています。
またテレワーク・デイの効果については、第一回目の2017年には約950団体が参加し、6万3千人が一斉テレワークを実施。そのときの効果はピーク時間帯(8時台)の地下鉄利用者が最大で10%減少し、消費電力量を測定した12団体すべてで電力量の削減が確認され、平均で7.1%、最大で18%の削減効果が出ました。
テレワーク・デイには懸念点も・・・
テレワークデイは、これまでの予行演習によって、日本でも交通混雑を緩和できると確認できました。しかし一斉テレワークには良いところだけでなく、課題となる部分もあります。2020年の東京オリンピックまでに、どのような解決策を出していくのか、政府だけでなく関係する企業や団体も考えていく必要があるでしょう。
テレワークを導入できない職種がある
接客業や介護を始めとした人と接する職種や、特殊な機械を操作しなければいけない職種など、現状ではテレワークの導入が難しい仕事もあります。またテレワークを導入して活用しようにも、社外でできる仕事がほとんどないという企業もあります。そういったテレワークをしたくてもできない職種に対して、今後どういったアプローチをしていくべきか考えなければいけません。
セキュリティ面での不安
カフェやコワーキングスペース、自宅などからアクセスする場合に、どのようにしてセキュリティ対策を行うのかも検討する必要があります。個人情報や企業機密といった重要情報の漏えいは、企業や団体の根幹を揺るがしかねないため、可能な限り徹底した対策をしなければいけません。ただ、強固なセキュリティにはコストが付きものであることから、費用対効果の面も意識しておかなければいけません。
オフィスで働く社員の負担が増える
テレワークが活用されるほど、オフィスからは人が減ってしまいます。当然、それまで行われていたオフィス業務を、残った社員だけで対応しなければいけないため、1人あたりの仕事量は増えることになります。電話対応や顧客対応の時間が増えれば、必然的に自分の仕事をする時間は減り、残業の増加につながってしまうでしょう。
同僚に引け目を感じてしまう
オフィスの負担が増えることに関係しますが、テレワークで働く社員が引け目を感じてしまうことも課題の1つです。オフィスで働く社員に申し訳ないという気持ちや、目に見える結果によって働いている姿を見せようとする気持ちなど、引け目を感じることの影響は長時間労働につながる可能性をはらみます。
まとめ
政府が主導するテレワーク・デイは、2020年東京オリンピック開催中の交通混雑対策であり、一億総活躍社会を目指すうえで重要な役割を持つ、働き方改革のきっかけでもあります。
すでに世の中に浸透しつつあるテレワーク。新たな働き方が浸透すれば、今とは違った日本の日常が見られるようになるかもしれません。
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