「システムエンジニアって大変でしょ?!」筆者はこの言葉を何度言われたかわかりません。
どうやらシステムエンジニアをはじめとするIT業界には、一般的に「ブラック」というイメージを持たれているようですが、皆さんのイメージはいかがでしょうか。
この記事ではシステムエンジニア業界が本当にブラックなのか、業界の実態に迫ります。
「ブラックじゃなければシステムエンジニアになりたい」「どうすればブラックな働き方を回避できるのか知りたい」といった、ご自身の就業環境に疑問をお持ちのシステムエンジニアの方、システムエンジニアを目指しているけど不安を抱いている方には必見の記事です。
参照:システムエンジニアが激務から逃れるための3つの方法を解説した記事はこちら
システムエンジニアにとってブラックな環境とは何か
長時間労働や残業代不払いの問題
休日出勤したにもかかわらず代休がなかったり、残業代が出なかったりすればブラックだと言われても仕方がないでしょう。また日常的に長時間労働が続いているようであれば、これもブラックだと言えます。
ただしこれはシステムエンジニア業界だけに限らず、どんな業界でも起こりうることです。
長時間労働と残業だけでブラックと決めつけるのは早い
長時間労働や残業が多いことだけを理由にブラックだと決めつけるのは早計だと筆者は考えます。
その理由は経営者もマネージャーも長時間労働や許容範囲を超えた残業を望んでいないものの、納期や案件規模の関係で長い期間、長時間労働や残業をしなければならない状況も考えられるからです。
モノ作りをするエンジニアである以上、これはどんな会社でもこのような事態は起こりうることですから、ブラックとは呼べないケースもあります。
システムエンジニアとして成長できない環境はブラック
システムエンジニアとして成長できない環境とは、会社の都合でエンジニアとしてのキャリアが閉ざされてしまい、転職も難しくなるケースです。
例えばシステムエンジニアとして就職したにもかかわらず、設計や製造工程は一部のエンジニアにだけ担当させ、その他の社員は営業やクレーム処理などのエンジニア以外の業務に従事させるケースがあります。
もちろんこれらの仕事は大切なものですが、システムエンジニアはシステム設計のスキルで評価されるため、この実務経験を積めない就業環境はキャリアの命に関わる問題です。経験の乏しいシステムエンジニアの市場価値は低く、致命的な環境と言わざるを得ません。
なぜブラックな就業環境になるのか
受注するための値引き競争に巻き込まれた
仕事を受注するために残業コストを考慮しないような低い見積もり額を提示してしまった場合、そのしわ寄せがシステムエンジニアに降りかかることは容易に想像できます。
さらに下請けの仕事であれば、元請けからの値引き要求に応じざるを得ないといったこともブラックな就業環境を作り出す原因になるでしょう。
人員配置の偏りが生む、成長できない環境
前述したようにシステムエンジニアとして成長できない環境は、受注計画の狂いや経営方針の変更によりやむを得ず作り出されることがあります。
つまりシステムエンジニアを営業やクレーム処理といった仕事にだけ従事させるような、偏った人員配置が発生してしまうと、一部のエンジニアがキャリアを歩めない就業環境ができあがる仕組みです。
システムエンジニア業界に見るブラック傾向
発展途上の企業はブラックになりやすい?
これから発展していこうという企業はどうしても、受注を優先させなければならないことがあります。そうなると安い見積もりを提示したり、元請けから足下を見られて安く受注せざるを得なかったりするため、過酷な労働環境になってしまうことがあります。
経営者も社員もこれから頑張っていこうというモチベーションがあれば、決してブラックという言葉でくくることはできませんが、競争の激しいIT業界ではこのような状態が長く続くこともあります。
エンジニアとして成長できない環境は大手に意外と多い?
システムエンジニアにもかかわらず、設計の実務に就けないことは意外と大手企業で見られるようです。
例えば大手企業では経営方針や受注計画が大きく変更されると、配置転換により大量のエンジニアが専門の業務に従事することとなり、社員は思い描くキャリアパスから遠ざかってしまうことになります。
会社員である以上、会社の方針に従うことは仕方ないことかも知れませんが、システムエンジニアとしての評価がなかなか高まらないのは非常に辛いことでしょう。
システムエンジニアのブラック世界を覗いてみましょう
システムエンジニアの世界独特とも言える、成長できない環境のケースを実際に覗いてみましょう。
システムエンジニアとして就職したのに・・・
大手IT企業に就職したAさん。システムエンジニアとしての1年目は議事録作成と資料作成でした。設計の仕事は他の先輩社員が担当し、ひたすらWordやExcel、PowerPointと格闘する日々。
ようやく設計の仕事に従事できると期待した2年目に待っていた仕事は、先輩社員がリリースしたシステムの運用監視、クレーム処理の専任担当でした。
というのも参画するはずだった新規案件の受注計画が変更され、Aさんの新たな配属先がなくなってしまったのが原因です。
先輩社員が開発したシステムの運用監視などは外注される予定でしたが、経費削減の流れを受けて外注も中止。
Aさんは会社から「設計の経験はないが、システムの知識があるため適任」と判断されたものの、さらに数年間システム開発に関わる機会を失ってしまいました。
この数年間で、Aさんの社内におけるキャリアパスは運用監視とクレーム処理に関連する仕事と見なされるようになり、システム開発業務に携わることはありませんでした。
これは実際に筆者が勤めていた会社で起こった出来事です。
もし1年目の社員にもシステムエンジニアとして設計や開発業務にあたらせ、若手社員に経験を積ませる社風や就労環境であれば、このようなことは起こらなかったでしょう。
システムエンジニアはどうやって働くべきか、本当にシステムエンジニアになっても良いのか
残業代不払いや代休も手当もない休日出勤などは論外ですが、システムエンジニアとして成長できないようなブラックな環境に身を置きたくなければ、自分のキャリアを会社に委ねずみずから切り開く気持ちを持って働くことが大切です。
現在では年功序列で定年までひとつの会社で勤め上げることは簡単なことではありませんから、転職や独立を視野に入れることはとても大切でしょう。
そしてこれからシステムエンジニアになろうとする方も、そんな熱意を持っていれば素晴らしいシステムエンジニアになれると思います。
フリーランスのエンジニアは究極のホワイトかも??
フリーランスは会社員に比べると不安定な要素が多いものの、システムエンジニアとしてのキャリアを自分で切り開く手段としてはとても魅力的な選択肢です。
もちろん、フリーランスでも長時間労働することもありますし、実務経験を積めない仕事を受ける必要もあります。
しかしあらゆることの選択権や裁量が自分の手元にあるため、ブラックな就業環境になることは稀です。
正社員に固執して不本意な気持ちを抱えて働くより、フリーランスになったほうがシステムエンジニアとして長く働けるケースもあるようです。
自分で変えられるものをどんどん変えていく意気込みを!
この記事ではシステムエンジニアとブラックをテーマに、システムエンジニアのブラックな就労環境として、長時間労働や残業代不払い、そして成長できない環境を挙げました。
会社員である以上、会社の都合や方針で自身のキャリアが左右されてしまうことは致し方ない面もあります。しかし、そのような環境にあっても”自分で変えられることはどんどん変えていく”という意気込みを持つことが重要です。みなさんは今の仕事に納得していますか?理想通りの道を歩むことは決して簡単ではありませんが、理想に近づくための熱意と努力を持ち続けましょう。
参照:システムエンジニアが激務から逃れるための3つの方法を解説した記事はこちら
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