フリーランスと会社員の違いは様々ありますが、保険や保障、年金など、小難しそうな手続きや支払いについて自分自身で考えなければならないというのもフリーランスの大きな特徴の一つです。このような各種サービスの本質は「未来に向けての貯金」「もしものときの蓄え」のためのサポートで、会社員はそのほとんどを会社が代わりに行ってくれるため、何も考えなくても老後の心配が軽減されます。自己管理だけじゃなかなか難しい貯金というものを自分に代わってやってくれるこれらのサービスですが、ではフリーランスはどのように貯金を進めていけばいいのでしょうか。
フリーランスの平均貯蓄額は431万円
「ライフネット生命」が2014年に行った統計によると「フリーランスの平均貯蓄額は431万円、正社員の平均額は359万円」となっています。フリーランスの方が高い貯蓄率なのには、様々な保障を受けられるサラリーマンと比較して今後の蓄えを自ら行おうとする現状が見え隠れしています。一方で全く貯蓄を行っていない人の割合は5人に1人とフリーランスの方が高くなっています。これにはフリーランスになったものの、「想定より単金が安かった」、「案件が確保できず思いのほか収入がアップしなかった」「初年度で経費などがかさみ貯蓄を切り崩した」という辛い現状の表れでもあります。
参照:ライフネットジャーナル「フリーランスと正社員 貯蓄額が多いのはどっち?」
貯蓄をするには「報酬からの定期預金」が中心
毎月ある程度の定収がある会社員と違い、毎月の収入が不安定になりがちなフリーランスでは「余ったお金を貯蓄に回す」という発想ではまず貯蓄ができません。また、月により報酬額に変動がある場合、報酬が多い月は「ご褒美!」とつい多めに金銭を使用してしまう人も少なくないでしょう。このため、貯蓄をしているフリーランスにはお金が余るかどうかに関わらず定期的な報酬を確保し、そこから一定額を自動で定期預金に振り替えるよう設定している人が多いようです。
そもそも貯蓄をする癖のない人は、常にお金をギリギリまで使う傾向にあります。もちろんストレス発散などにプチ贅沢をすることも有益ですが、まずは、「もしもの時に備えをすること」が先決です。では、いくらお金があればひとまず安心できるのでしょうか。先ほどの統計では平均貯蓄額が約400万円と平均年収に近い額となっていますが、1000万以上の貯蓄をしている人が含まれているため平均値が上がっており、実際に構成比が高いのは貯金をしていない人、次いで「100万円台」の貯蓄をしている人となっています。100万円というと「漠然とした大金」「とりあえず100万円かぁ」と考えがちですが、フリーランスが100万円を目標に貯金を行うにはしっかりとした訳があります。
- 月の貯蓄額が比較的抑えられるため、節約しすぎてストレスが溜まることを回避できる。
- 3か月間仕事がなくても生活できる額である。
他にも色々なメリットはありますが、特にフリーランスは収入が安定しない働き方ですので、多少の間仕事がなくなっても生活できるように、最低3ヶ月分の生活費の貯蓄をしっかりと準備しておく必要があります。
一般的に会社員が失業した場合、失業給付金を受け取ることができるのは皆さんご存じだと思いますが、この給付金の受け取り期間のうち最小単位は90日です。もちろん長く雇用保険をかけている人はその恩恵に長くあやかれるケースもあるものの、そもそも厚生労働省の見解として「条件さえ合えば平均して90日間以内で就労できる」ということを意味しています。
つまりフリーランスにおいて何らかの不都合が発生し、再び会社員に戻ることがあった場合、月額30万程度の預貯金があれば90日間そこそこの生活を維持でき、就職活動にも専念できることでしょう。もちろん会社員へのリターンだけでなく、不慮の事故によるケガなどで一時的に就労不能になった場合において、保険金が下りるまでにかかる家賃や医療費の立て替えにもある程度対応可能な額と言えます。
今日から3年以内に100万貯める
100万円というと貯蓄の習慣がない人にとっては、ちょっと大変な額に聞こえるかもしれません。ボーナスがないフリーランスは平均して毎月の報酬から月々25000円~30000円を貯蓄に回す必要があり、慣れるまでは辛いこともあるでしょう。
そこでお金に関する自分の生活を見直してみましょう。冷静に振り返ってみると、確実にムダになっているモノが存在するはずです。せっかく時間が自由になるのに自炊をせず毎日コンビニ弁当で済ませていませんか?スマホを購入する際に加入した本来は必要のないオプションをそのままにしていませんか?無駄な引き落とし手数料などを毎回支払っていませんか?
貯蓄の習慣がない人ほど、収入をあげることに目が行きがちです。そんな人はまずお金の流れを見直すだけで数千円~1万円の節約が可能です。ぜひ今スグ収支のバランスを見直しましょう。
貯蓄ができない人の特徴として、
- 貯蓄の仕方がわからない
- 貯蓄にメリットを感じない
- 貯蓄ができるほど収入がない
というケースがあります。とはいえ「年収300万以上あれば貯蓄は十分可能」という調査結果もあります。コツとして、「ストレス解消の贅沢」をする時としない時のオンオフがはっきりしていれば、無理なく貯金を続けられます。例えば、毎日のランチに1000円*週五日使っていた人が、平日は自炊弁当で300円に抑え、週末にフリーランス仲間と3000円の立ち飲み屋に行ったとしても500円貯蓄に回せる計算になります。フリーランスの仕事が軌道に乗るまでは特に、この「オンとオフ」をうまく利用することを念頭においてお金を運用して行きましょう。
参照:フリーランスのための貯金方法について解説した記事はこちら
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