個人情報の管理はしっかりできていますか?今日では、個人情報保護法が制定され、個人情報の管理もかなり厳しくなっています。個人情報といえば、特に住所(居住地)が挙げられますが、フリーランスの方の大半は個人事業主で、自宅を事務所にしている方が多いため、仕事にも自宅の住所が絡んできます。その筆頭は「名刺」でしょう。営業も自分でしなければならないフリーランスは、名刺を作っている方が多いからです。一般的に、名刺には住所が記載されています。では、フリーランスは名刺に自宅の住所を書かなければいけないのでしょうか?
この記事では、フリーランスになったばかりの方のために、フリーランスの個人情報の取り扱いについて説明していきます。具体的には、名刺に記載する住所について、記載するべきなのか、記載するにあたってのポイント、記載したくない方のための対処法をお伝えしていきます。
また、すでにフリーランスとして働いている方のために、住所変更の際の各種手続きについても説明していきます。ぜひご一読して、個人情報の取り扱いについて学んでおきましょう。
フリーランスは名刺の住所欄をどうしているのか?
住所は立派な個人情報です。やはり、自宅の住所を公開することに抵抗を持っているフリーランスの方は多く、特に女性は不安に思う傾向にあります。ネット上でも、どうしたらいいのか迷っているという質問をされている方が多いです。住所が問題となる一番の原因は「名刺」でしょう。
自宅の住所を公開したくないため、名刺に住所を書かない方もいますが、多くの方は仕事だと割り切って住所を記載しているようです。もしくは、後ほど紹介する方法を使って、自宅以外の住所にしたり、住所を公開する相手を選んだりしています。みなさん、いろいろと気を使っているようですね。
そもそも、名刺に住所を記載する必要はあるのでしょうか?次項で、名刺の住所の必要性についてお伝えしていきます。
名刺に住所は書くべき?書かなくてもいい?
問題となっている名刺の住所は、書くべきなのでしょうか?書かなくてもよいのでしょうか?結論から言いますと、フリーランスとして長くやっていくつもりなら「名刺に住所を書くべき」です。それはなぜか?その理由は2つあります。
住所がないと信用度が下がる
あなたなら、どこの誰かもわからないような人に仕事を頼んだりしますか?非通知で電話がかかってくるようなものです。一般的に、住所が記載されていない名刺は信用度が低くなりがちです。人によっては、なにか住所を書けない理由があるのではないか、と勘ぐられてしまいます。世間話でも、相手に住んでいる場所を聞いて答えなかったら、「なにかあるのか?」と思いますよね。それと同じようなことです。
郵便物を送れない
最近の仕事のやり取りは、大部分がメールやチャット、SNSなどで行われるようになりました。とはいえ、どうしても紙の媒体やDVDなど物理的になにか送りたい場合もあります。また、重要書類など、インターネット上ではやりとりできないものも郵送する必要があります。そんなときに住所がわからないと、郵便物を送ることができません。その時教えればいいのでは、と思うかもしれませんが、相手にしてみれば、最初から名刺に書いておいてくれ、と思うことでしょう。
以上の理由から、名刺に住所を記載するべきです。とはいえ、利点だけなら誰も迷ったりしませんよね。もし、「自宅の住所」を記載するなら、次のような問題点があることも事実です。
勝手に家に訪問してくるかもしれない
一部のマナーのない方は、住所が書いてあるというだけで、アポイントメントなしで勝手に訪問してくるかもしれません。男性ならそれほど気にならないかもしれませんが、女性は不安に思うことでしょう。日中ならまだしも、夜に訪ねて来るとさすがに気味が悪いです。もちろん、ほとんどの方はそういったことはしないでしょうから、それほど心配する必要はありません。
心理的な抵抗がある
一番の問題は、単純に心理的な問題でしょう。実害があるかないかにかかわらず、住所を公開するには心理的な抵抗がともないます。たとえば、セミナーなどで名刺を配る場合を考えてみましょう。もし、住所を知られたくない、と思っているとするなら、おそらく名刺配りもあまりはかどらないでしょう。心理的な影響は思いのほか大きいのです。
この問題点は、次項で紹介する対処法で軽減または解決することができます。それでは、どうするべきなのでしょうか?
名刺に住所を書きたくない人のための対処法
それでは、名刺に自宅の住所を書きたくない人のための対処法を2つ紹介します。どちらも、誰にでも実行できる方法です。
バーチャルオフィスを活用する
バーチャルオフィスをごぞんじですか?バーチャルオフィスは、一言で言えば、住所を貸し出しするサービスです。住所を借りる、というのはどういうことでしょうか?普通は、他人の住所を勝手に名刺に書いたりはできませんよね。住所を借りることで、あたかもそこが自分の住所であるかのように名刺などに記載することができるというわけです。
また、多くのバーチャルオフィスは、付加サービスとして郵便物の転送サービスを行っています。これなら、借り物の住所でも相手から郵便物を受け取ることができます。他にも、電話の転送サービスや秘書サービスなど、人手が欲しいフリーランスの方に役立つサービスも提供されています。
名刺を使い分ける
フリーランスの方は、自分の名刺を自由に作れますので、なにも名刺が1種類だけと決まっているわけではありません。そこで、「最低限の情報だけ」を記載した名刺と、「すべての情報」を記載した名刺の2種類を作って使い分けるのです。
もちろん、最低限の情報には住所を含みません。相手によって、この2種類の名刺を使い分けることで住所を公開するリスクを軽減するのです。今や名刺は、ネットショップで3,000円も出せば作れますから、2種類作ったとしても負担はわずかです。
フリーランスは転居したら手続きが必要!重要な3つの手続き
最後に、フリーランスの方が、転居などで住所変更をする際の手続きについて説明していきます。忘れやすいので、しっかり実行しておきましょう。
開業届けの住所変更
開業届けを出してフリーランスになった方は、開業届けに記載されている住所の変更が必要です。フォーマットは同じですから、過去の開業届けを参考に変更の手続きをしましょう。転居地の税務署にて、転居から1ヶ月以内に行ってください。また、転居先の都道府県によっては、合わせて事業開始の届け出が必要です。
所得税の納税地の異動に関する届け出
住所の変更で納税地も変更になるため、所得税の納税地の異動に関する届け出を行う必要があります。こちらも、開業届けを参考に税務署にて手続きを行ってください。また、振替にて納税をしている方は、そちらも合わせて住所変更を行っておきましょう。
国民健康保険への再加入
国民健康保険に加入している方は、一度国民健康保険から脱退した後で、再度転居先の国民健康保険に加入する必要があります。その際には、一時的に資格を喪失し、保険証を返還しなければいけないことに注意してください。病院に行く予定がある方は、先に済ませておきましょう。
参照:国税庁「個人事業者の納税地等に異動があった場合の届出関係」
まとめ
個人情報の守り方がお分かりになりましたか?必ずしも、名刺に自宅の住所を書く必要はありません。メリット・デメリットを考慮して、書かない、という選択も可能です。不用意に個人情報を公開してしまわないようにしましょう。特に、インターネット上では注意が必要です。住所をレンタルできるサービスも活用しましょう。また、フリーランス(個人事業主)として活動しているなら、転居などの際に住所変更の手続きが必要です。手続きは一つではなく、いくつもあるため、自分に必要な手続きを一つ残らず忘れずに実行しましょう。さて、あなたは名刺の住所をどうしますか?
参照:提出するだけで有利に!? フリーランスが提出するべき届出についての記事はこちら!
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