フリーランスと会社員はよく比較されます。どちらも仕事をすることに違いはありませんが、まったく異なる働き方だからです。比較される方は、「フリーランスと会社員のどっちがいいのだろう?」という疑問を持っています。あなたもそうではありませんか?実際、どちらがよいのでしょうか。また、フリーランスになる前にやっておくべきこと・考えておくべきことは何なのでしょうか。
この記事では、フリーランスと会社員のどちらがよいのか悩んでいる方のために、両者の違いを説明し、選択の参考になる情報をお伝えしていきます。両者の違いをしっかりと把握して、自分に合った働き方を選びましょう。
また、すでにフリーランスになった方でも遅くはありません。フリーランスになる前にやっておくべきだったこと・考えておくべきだったことを見直して、今からでも行動に移していきましょう。
そもそもフリーランスってどんな働き方?
フリーランスと会社員の違いを説明する前に、そもそもフリーランスという働き方がどういうものなのか説明しておきます。
フリーランスは、特定の企業や団体に所属せずに働くことを指します。一部、法人を設立するフリーランスの方もいますが、その多くは個人事業主です。本業のかたわら、副業としてフリーランスをしている方も数多くいます。
フリーランスは、企業と直接契約します。いわゆる「業務請負契約」というものです。請負契約では、仕事の進め方を決める権利はフリーランスにあります。クライアントであっても、あれこれ指示することはできません。ゴールは決まっていますが、道筋は決まっていないのです。このため、企業常駐の案件でない限り、働く場所や時間は自由に決められます。家で仕事をしてもいいですし、カフェでもいいのです。フリーランスになろうと思う方の多くは、この自由さを求めています。
フリーランスと会社員のちがい
それでは、フリーランスと会社員の違いについて説明していきます。違いのポイントをおさえて、メリット・デメリットを理解しておきましょう。
仕事のやり方
フリーランスは上司がいないため、仕事のやり方を指示してくれる人はいません。全部自分で考えて行動していかなければいけません。もちろん、先輩にやり方を聞くこともできないため、自分で勉強してスキルアップしなければいけません。逆に言えば、小うるさい上司がいない分、気が楽かもしれませんね。
待っていても仕事が入ってくるわけではないので、営業などで仕事を獲得しなければならず、営業を経験したことがない方はここでつまずくことが多いようです。とはいえ、エージェントサービスやクラウドソーシングサービスを活用することで、営業なしで仕事を見つけられます。
収入
会社員は正社員として雇用されている以上、毎月安定的な収入が見込めます。しかし、フリーランスは、契約が取れなければ収入は0です。逆に言えば、仕事をすればするほど収入が増えます。一般的に、会社員よりもフリーランスのほうが単価は高いため、同じ仕事をしても収入が増えます。
フリーランスの年収は、100万円台~1000万円以上と、かなりバラつきがあります。結局のところ、フリーランスで稼ぐには「どれだけ仕事をもらえるか」が非常に重要です。営業力はなくても他でカバーできますが、スキルは絶対的に必要です。スキルのないフリーランスは、まず生き残れないでしょう。
お金の処理
会社員の給料は待っているだけで、会社から定期的に振り込まれます。しかし、フリーランスになると、報酬の請求を自分でしなければお金は入ってきません。請求書や領収書を発行して、お金の管理を自分でやらなければいけないのです。クライアントによっては、報酬が未払いになることもあります。このため、相手が本当に信用できるのか見極める力も必要です。先ほども紹介した、エージェントサービスなどを使うと、こういった不安を解消できます。
税金の処理
会社員は、特に理由がなければ確定申告をする必要はありません。税金の処理は、会社が全部やってくれるからです。あなたは年末調整の書類を提出するぐらいでしょう。フリーランスは、確定申告を自ら行い、所得税を納めなければいけません。他にも、住民税などの税金を自分で納める必要があります。
社会保障
フリーランスは会社員と比べて、社会保障が手薄です。病気や怪我で休業しても、手当金はもらえません。また、厚生年金に入れないため、別の年金に加入しなければ、将来もらえる年金額も月6万円程度になってしまいます。このあたりは自己責任で解決しなければいけません。
休日
いつ働くかは自由なので、いつ休むかも自由です。自己管理がしっかりできないと、上手くバランスが取れません。だらけ過ぎたり、働きすぎたりしてしまわないように注意しなければいけません。このため、スケジュール管理が重要です。
信用
一般的に、会社員よりもフリーランスの信用は低くなりがちです。これは、特にお金にまつわる手続きに影響を及ぼします。たとえば、クレジットカードの作成やローンの借り入れなどです。とはいえ、フリーランスが軌道に乗れば、会社員と同等の信用を得られます。
参照:厚生労働省「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」
会社員からフリーランスへ転身する前には事前準備を
次に、会社員からフリーランスになる前にやっておくべきことを説明します。しっかり準備した上で、フリーランスを始めましょう。
人脈を作っておく
多くのフリーランスの方は、サラリーマン時代の人脈から仕事を得ています。そのため、会社員のうちに、フリーランスになった時のために仕事の根回しをしておくとよいでしょう。フリーランスになってから仕事を探していては、しばらく無収入になってしまうかもしれません。注意しておくべき点としては、会社の看板はなくなってしまうことです。あなたが思っている以上に、会社に所属しているという信用は大きいものなのです。
スキルを磨いておく
フリーランスは実力社会なので、スキルがもっとも重要です。クライアントはあなたのスキルに対して、お金を払うのです。そのため、会社にいるうちに、どんどん新しいことにチャレンジしてスキルを養っておきましょう。資格制度がある企業なら、利用しない手はないでしょう。
お金にまつわる手続きをしておく
上でも触れたとおり、フリーランスになると、クレジットカードの作成やローンの借り入れが一時的にでも難しくなります。近々入用になりそうなら、会社員のうちに済ましておいたほうが賢明です。特に、クレジットカードは事業用に1枚もっておくと、備品の購入などの際に便利です。
フリーランスになる前に考えておくべきこと
最後に、フリーランスになる前に考えておくべきことを説明します。フリーランスは、会社員よりも多くのことを自分で考える必要があります。
どの年金に加入するのか?
フリーランスは、会社の年金から脱退して、別の年金制度に加入しなければいけません。少なくとも、1つの「公的年金制度」に加入する必要があります。また、それだけでは将来の年金はかなり少なくなってしまうため、「任意加入の年金制度」に加入するかどうかも検討したほうがよいでしょう。
どの健康保険に加入するのか?
会社員とは違い、フリーランスは複数の健康保険の中から選択できます。中でも、会社の健康保険を「任意継続」するかどうかを決めておく必要があります。なぜなら、退職後20日以内に申請しなければいけないからです。他にも、国民健康保険(組合)や扶養家族に入るなどの選択肢があります。
白色申告と青色申告のどちらにするのか?
フリーランスの方は、確定申告をする必要があります。確定申告には、白色申告と青色申告の2種類があり、会計処理の仕方が異なります。そのため、フリーランスを始める前にどちらか決めておき、適切な会計処理を行わなければいけません。今では白色申告のメリットはほとんどなくなってしまったため、青色申告をおすすめします。なお、青色申告には申請が必要なので注意してください。
まとめ
フリーランスと会社員の違いがお分かりになりましたか?両者には、さまざまな違いがあります。どちらを選ぶかはあなた次第です。人生は長いので、一方といわず両方を経験するのも悪くはありません。うまくいかなくてもまたやり直せばいいのです。とはいえ、行き当たりばったりで始めるのではなく、やっておくべきこと・考えておくべきことを実行しておきましょう。そのほうが成功率は高まります。すでにフリーランスになった方も、今の自分の働き方を見直しておきましょう。目先のことだけではなく、5年、10年先のことも視野に入れておくべきです。あなたはフリーランスと会社員どちらがいいと思いますか?
参照:フリーランスと会社員との報酬の違いについて解説した記事はこちら
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