システムエンジニアの海外事情〜貴重な人材になるスキル

学習・スキルアップ システムエンジニア(SE)

システムエンジニアの海外事情
現在、クラウドソーシングといった新しい働き方を提案する仕組みが登場し、海外で働く日本人はどんどん増えています。システムエンジニアの仕事も例外ではなく、日本の求人だけに縛られず海外に目を向ける方が増えているようです。

そこでこの記事ではシステムエンジニアの海外の現状と、海外で働くことのメリットデメリット、さらに海外でSEとして働くために必要なスキルなどを解説しました。

そもそも海外のシステムエンジニアは待遇が良いのか

海外で働く上でもっとも気になる賃金からまずは見ていきましょう。賃金に関してはこのサイトの別記事で取り上げたことがありますが、米国・シンガポール・フランスといった欧米アジア各国において日本に比べるとシステムエンジニアは好待遇で迎えられています。

<システムエンジニアの平均年収>

  • 日本:470万円
  • 米国:750万円
  • シンガポール:600万円
  • フランス:610万円

日本のシステムエンジニアの年収が低いのは年功序列?

筆者はシステムエンジニアとして日本の大手SIerで10年以上勤務していましたが、給与設定や昇級の仕組みはほぼ年齢によるものでした。

日本の賃金体系は良くも悪くも年功序列の風潮が拭われていません。そのためシステムエンジニアとしてのスキルに対して対価を与えるという考え方よりも、35歳だからこのくらいの給料に設定する、といった年齢給の考え方や精度を引きずっている企業が多いのが筆者の印象です。

筆者の周りで大きな給与を得ているシステムエンジニアの特徴は比較的新しい会社が優秀なシステムエンジニアを得るために高い給与を設定して、役員待遇でプロジェクトマネージャーを募集しているといった「システムエンジニアをもてなす姿勢」のある会社に転職したことです。

海外ではシステムエンジニアは貴重な人材

日本におけるシステムエンジニアの募集要項には「文系OK」という文言が散見されます。

しかし海外でシステムエンジニアとして働くためには基本的に大学などでコンピュータサイエンスなどの専門教育を受けたことが前提となるため、システムエンジニア自体が希少かつ優秀な人材であるとされています。
中には「計算機科学の学位はプログラマの素養があると見なされる条件」という厳しい声があるほどです。

よって海外では日本に比べてシステムエンジニアの待遇が良くなるのは必然であり、むしろ日本の「誰にでも門戸が開かれているシステムエンジニア職」のほうが珍しいと考えるべきでしょう。

システムエンジニアとして働くためにはITの専門知識だけでなく、コミュニケーションスキルやコーチングスキルなどさまざまな素養が必要です。
そのため文系出身のシステムエンジニアが働ける日本やそのフィールドが用意されている社会は素晴らしいことだと思いますが、門戸の広さゆえに誰でもできる仕事と考えられてしまえば待遇が下がるのはやむを得ないとも言えます。

逆に海外は専門教育を受けた人材、さらにはその会社が必要としている分野の研究成果や業績を残しているシステムエンジニアを入社させるため、システムエンジニア自体が取り替えのきかない人材となるため高い給与で仕事ができる状況です。

システムエンジニアが海外で働くために必要なスキル

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システムエンジニア職の募集はプロジェクトの穴埋めや新たに必要になった技術分野を持つエンジニアの補充という形で募集が行われることが多いため、募集されるスキルは非常に限定的なものが多いようです。

例えばゲームプログラムの開発経験のあるシステムエンジニアという募集があったとしても、これはあくまで応募する資格があるだけのこと。
実際にふたを開けてみるとゲームの中でも「オープンワールド系のキャラクターデザインを主としたプログラミング経験」が必要など、非常に細かい条件が求められることがあります。

日本ではこのように細かいスキルを見られる転職はあまりないと思いますが、これは日本と海外の就職に関する意識の差から生まれるものです。

海外では会社に就職しない〜では何に就職する?

日本では就職や転職というと「その会社に入ること」を指します。よってその会社が必要としているスキルや社風に合うかどうかといった要素が就職転職の合否に大きく関係します。

しかし海外の場合は会社に就職するのではなく「募集されている役職に就職」するという考え方です。
システムエンジニアとして海外で働くためには「その会社が募集している役職にピンポイントでハマるスキル」が必要です。そのため上に書いたような非常に細かいスキル条件を満たすことが海外の就職には必要です。

役職の観点から自分を説明できるスキル

よって「◎◎のスキルがあれば海外で通用する」といった考え方でシステムエンジニアとして海外を目指すのは得策ではありません。

むしろ自分が担当した仕事をわかりやすく他者に説明し、現在の会社やこれまでの実績を「社内ではどんな立場、役職」でどのようなプログラムやシステムを構築したのかをわかりやすく説明するスキルが重要です。

応募した海外の企業がその実績に興味を持てば「ならば◎◎の分野はどうか」「◎◎のシステムの経験はないか」など自社に適した人材かどうか判断するために選考のステップに進むことができるようになります。

あなたと一緒に仕事をしたいかどうか

日本で仕事をしていても新しくやってくるマネージャーやエンジニアがどんな人か、誰でも気になるものですよね。
役職に就職するという感覚を持つ外国でもこれは同じことですし、あなたを迎え入れてくれる上司や同僚はその点をとても気にしています。

採用面接などの段階でこれまでの業務経験やトラブル解決、プロジェクトを成功に導いたエピソードなどから一緒に働きたい人かどうか判断されるようです。

自分の仕事やエンジニアとしての姿勢を自分の言葉で語れることは、海外の就職においても非常に重要なことですよね。

最低限揃えておきたいスキル一式

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海外でシステムエンジニアとして働くために最低限必要なスキルにはどのようなものがあるでしょうか。

現地語は基本必須だが国によっては不要

まず現地の言葉は最低限必要だと思われがちですが、求人を見ると通訳が常駐している会社もあるようです。
これはベトナムのような、日本人のエンジニアが欲しいけれども現地語を話せるエンジニアがほとんどいない国に見られるようです。ベトナム語は非常に難しい言語のひとつとされているため、現地語必須とすると人が集まらないため通訳が置かれているのでしょう。

現地語の他に英語は必須

英語は必須です。アジア圏の就職では欧米ほどではないものの英語ができるのとできないのでは大きく変わります。

例えばアジアの一部の国ではテレビ放送が現地語と英語で行われており、現地の人々は英語を日常的に使用することが一般的です。

なにごとも数字で示す力を身につけておく

リサーチをしていると「海外では数字が求められる」という声を多く聞きしました。

日本ではシステムエンジニアはITの専門家として顧客に細かいサービスを提供しますが、これは実績の数字としてなかなか現れないものです。
しかし海外においては自らの実績を数字で表現することが求められるため、日本で働くよりももっと合理的でドライな働き方が求められるでしょう。

お客様に満足して頂くことは重要ですが、それよりもむしろ「お客様の業務を◎◎%改善した」ときちんと数字で示せなければ評価されないと考えて良いと思います。

これは日本でも身につけられる考え方、行動です。是非実践されて下さい。

システムエンジニアの海外事情は日本と違う?

この記事ではシステムエンジニアの海外事情として、現状や必要なスキルなどについて書きました。
海外のシステムエンジニアは学位を持った専門職であり、日本のシステムエンジニアとは立場が異なります。

海外から見ると日本のシステムエンジニアの仕事は「エンジニアというよりコーディネータ」に近いようです。

就職に対する考え方の違いなどから、求められるスキルは募集要件ごとにかなり差があるものの、自分のスキルを役職や数字を絡めて客観的にわかりやすく説明できれば大丈夫です。

みなさんはどんなエンジニアになりたいですか?海外ではあなたを貴重な人材として、役職を用意して待っています。エンジニアとしてシステムを作るという漠然とした実績や気持ちではなく、確固たる深淵をもってスキルを積み上げていくことが、海外で働くことにつながるようです。]]>

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