新卒1年目のエンジニアにお薦めの本3選を、クラウドワークス テックのエンジニアが紹介していくリレー取材第1弾。
今回は、学生時代工学部からプログラミングをはじめたというエンジニアの那須 理也(なす まさや)、エンジニア歴5年目のソフトウェア開発エンジニアがお薦めする3冊をご紹介します。
エンジニアとしての基礎を支える本を紹介していますので、新卒エンジニアの方だけではなく、エンジニアを目指す方や若手エンジニアの方も是非ご一読ください。
参照:エンジニアとしてのベースを身に着けるために読みたい本を紹介した記事はこちら
エンジニアのキャリアについて学べる本
「逆説のスタートアップ思考」
─ どんなきっかけでこの本を読もうと思ったんですか?
この本は、「スタートアップやキャリアについて書かれている」という紹介をtwitterでみて興味を持ちました。
─ いつ頃どの位期間を掛けて読んだのですか?
これは比較的最近読んだのですが、2017年3月頃往復の通勤時間を使って読みました。通勤時間は、30~40分電車に乗っているので、往復だと1日1時間位でしょうか。5日間位かけて読んだ記憶があります。
─ どんな本か紹介してください
「スタートアップ」という会社が、どういう風に成り立っているか、そしてどうやってサービスを開発していくかという本です。スタートアップ的な思考というのは、キャリアにも応用できます。また、スタートアップはエンジニアがかかわる部分が多いので参考になると思います。
特に、サービス開発をするような会社の方には役に立ちますし、Web系やベンチャー企業などの、受託ではない会社の人向けにお薦めの本です。
─ 読んで良かった所や参考になった所を教えてください
キャリアの部分では、「バーベル戦略」という考え方が特に参考になりました。
バーベル戦略は、安全に成長できるモノに8割、残りの2割をリスクの高い挑戦に投資することで、もし一方で失敗をしても、もう一方で成功をすれば生き延びることができるという戦略です。大事なのは、安全圏で成長しながらも、並行して新しいことにも挑戦をすることで変化に対応していくという点ですね。
これを人生に取り入れると、不確実な世の中の中でも生存の確率が高まるので、人生のランダム性に対応する方法ともいえますね。
例えば、大きな会社に勤めていて、その中でのキャリアしか考えていないと、いざ会社が立ち行かなくなった時に困ってしまいますよね。2割を投資的に活用して、副業や他の軸を持っておくことで、人生の幅を広げることができるようになります。
─ どうして新卒1年目のエンジニアにお薦めしようと思ったのですか?
エンジニアは自身のキャリアに不安を持つ人が多い気がしていて、「キャリアの考え方を広げることができる」と思ったのでお薦めしました。
読むタイミングとしては、入社1年目の後半に仕事のイメージができて、心に余裕ができた頃に読むと良いかもしれません。
プログラマー必須の1冊
「プリンシプル オブ プログラミング」
─ この本を読んだきっかけを教えてください
僕は転職でこちらに入社したのですが、コードレビューをしてもらう際に、そこで使われる言葉を具体的に知るために読み始めたのがきっかけです。著者の方をTwitterでフォローしていて、そこから出版情報を知って手に取りました。
─ いつ頃どの位期間を掛けて読んだのですか?
2016年頃、これも電車の中で2週間くらいかけて読みました。分厚い本ですが、カタログなので割とサクサクと読み進めることができます。
─ 「プログラミング」や「原理原則」とありますが、エンジニア向けの本なんですか?
ITエンジニア向けの、プログラミングをするうえで考えることを学ぶことができる本です。
「同じコードを2度書くのは良くない」ということをDRY(Don’t Repeat Yourself)という言葉で表現するのですが、そういった原則を学ぶことができます。色んな書籍に散らばっていることを、1冊で知ることができるカタログみたいな本ですね。
─ 読んで良かった所や参考になった所を教えてください
エンジニアの原理原則である、「言葉」を知ることができたので、チーム内のコミュニケーションに役立ちました。
─ どうして新卒1年目のエンジニアにお薦めなんですか?
この本を読むことで、先輩が言っていることがわからなかったり、エンジニアの方が書いている技術的なブログで使われている言葉を理解して、その人の意図を正確にくむことができるようになります。
エンジニアとして仕事をしはじめたときに読んだ方が良い本です。先輩エンジニアが知っている知識なので、コミュニケーションを円滑にするために欠かせない本だと思います。特にソフトウェアエンジニアの方、プログラミングに触れる方にお薦めです。
伝わる文章を書けるようになる本
「考える技術・書く技術」
─ どんなきっかけでこの本を読もうと思ったんですか?
仕事でエンジニアブログの執筆を手掛けることになって、それをきっかけに読みました。2016年頃に読んだのですが、購入したのはもう少し前の前職の時でした。ネットで紹介されていて、評判が良かったので購入したのですが、積んでいたんですね。
─ 読むのにどの位時間を掛けましたか?
これは少し時間がかかったのですが、3週間位で読んだ記憶があります。
─ どんな本か紹介してください
「伝える文章を書く」ことを章立ててわかりやすく説明しています。「相手に伝わるように書く」ということが参考になりました。
多くのことを盛り込むと読んでも伝わらないとか、関連をわかりやすくするようにピラミット構造で考えていくとか、誰でもできることを紹介しているので応用しやすいです
─ 読んで良かった所や参考になった所を教えてください
一度読んでも、僕自身ちゃんと理解できているか怪しいのですが、しばらくたってからまた読むとより理解することができる本で、長く使えます。
僕はブログの執筆のために読みましたが、設計書や社内向けに伝えたい文章など、書くことに非常に役に立ちます。考え方のフレームワークも載っているので、取り組みやすいと思います。
─ どうして新卒1年目のエンジニアにお薦めしようと思ったのか聞かせてください
僕自身、新卒で入社した当初は、「技術的なことをやった方が良い」と考えて、プログラミング言語の本や考え方を紹介する本を中心に読書をしていました。
けれども、どちらかというとエンジニアは「問題解決」をやるべきだと今は思っています。作業者であってはいけないんです。
いわゆる上から与えられた仕様を愚直に作るだけではなく、考える人がいないと立ち行かなくなっていくと思うのです。そのために、是非研修の後の実務に入った頃に読んで欲しいですね。
流行りの技術書は、1年経つと古くなることもあるので、さっさと読んで実行した方が良い!
─ どうしてこの3冊を選びましたか?
新卒の人だったらプログラミング言語の本は何も考えずに買うと思ったので、それをあえて薦める必要はないと思いました。
であれば、考え方に関する本が大事だと思ったんです。「問題感を持った時に手元にあった方が良い本」という括りですね。
一度読んで手元に置いておくことで、繰り返し読むことができて、より理解が深まるし、お薦めの時期を紹介しましたが、読むタイミングは自分で決めて良いと思います。
─ ちなみに、新卒の頃ってどの位本代を掛けていましたか?
新卒の頃は、1ヶ月に5,000円位掛けていましたね。今も3,000円~5,000円位毎月掛かります。
趣味が読書ということもありますが、技術書は高いけど良い投資になると思っています。
─ 最後に、新卒エンジニアさんへのエールをお願いします
流行りの言語やフレームワークの本は、買って積むと翌年価値がなくなるので、さっさと読んで実践した方が良いです。
賞味期限が決まっている本は1年で無価値になってしまうこともあるので、そういう系の本を買うなら仕事に近い奴を買ってすぐに読むように心がけてください。
お薦めした本は、時間がたっても色あせないので、買える時に買った方が良いです。特に「考え方」が書かれた本に関しては、わりとよく絶版になることがあるので、入手が難しくなります。(笑)
本のジャンルは問わず、何でも読むという読書家の那須さん。新卒エンジニアに向けて、技術だけではなくキャリアや伝え方など多彩な本を推薦してくださいました。
最近は、「オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史」のような、硬派な本を読んでいるそうです。
新卒1年目は、何かと勉強をすることも多いものですが、是非ご紹介した3冊を手に取って、より良いスタートを切ってくださいね。
参照:エンジニアとしてのベースを身に着けるために読みたい本を紹介した記事はこちら
この記事の著者 by あおみ ゆうの 制作集団ことのは代表 ライター/ディレクター お酒と紅茶とブッフェと編み物と漫画が大好き クラウドワークス:あおみ ゆうの |
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