SEとして実力もついてきた頃、独立しようと考える人も多いのではないでしょうか。日本には約250万人以上の社長がいます。自分の会社を作って、一国一城の主になるというのはひとつの夢ですよね。サラリーマンではどうしても会社の方針に左右されてしまいますが、自分が社長になれば会社の方針は自分で決めることができます。もちろん、それだけ責任は大きいものです。しかし、成功することができれば、サラリーマンでは決して得られない利益を得られるでしょう。
この記事では、独立を考えているシステムエンジニアの方のために、独立する方法や株式会社を設立するメリット・デメリット、どんな事業を行うかなどをお伝えしていきます。今や株式会社の設立は誰にでもできることになっています。ぜひご一読して、あなたも社長になってみませんか?
独立するための方法は2つ
はじめに、独立するための2つの方法について説明します。どちらの方法を選ぶかによって、その後の手続きが大きく変わることになります。
個人事業主
名前の通り、個人として事業を始める方法です。法律的には会社(企業)ではありません。そのため、会社名ではなく代わりに屋号を名乗ることになります。屋号は基本的に自由につけられますが、○○○株式会社など会社と混同するようなものや他社と混同するようなものなどは禁止されています。なお、屋号はつけなくてもかまいません。具体的には、自営業やフリーランスの方が個人事業主に該当しますね。従業員を雇うことも可能です。家族を従業員にすることで節税にもつながります。
法人設立
起業と言ったら、やはり法人設立のイメージが強いと思います。株式会社だけでなく、合名会社や合同会社、合資会社などいろいろな種類があります。一番メジャーなのは、なんといっても株式会社ですね。外資系の企業では、合同会社など株式会社以外の形態をとっているところもあります。日本ではまだまだ株式会社以外の形態はしっくりこない印象を受けます。個人事業主とは違い、法人格(会社の名義)が存在し、法人格の責任は社長個人が負う必要はありません(有限責任)。そのため、会社が破産しても個人の資産は守られます。なお、社長個人の名義で契約がなされている場合はこの限りではありません。
この記事では、株式会社について説明していきます。
それでは、株式会社のメリット・デメリットをみていきましょう。
株式会社を設立するメリット
株式会社を設立するメリットにはどんなものがあるのでしょうか?主なメリットは、下記の3つです。
個人事業主より信頼性がある
同じ事業を行っていても、個人事業主より株式会社の方が、一般的には信頼性が高くなります。企業によっては個人事業主では取引をしてくれないこともあり、法人であることが求められる場合もあります。また、従業員を雇う場合にも法人の方が集まりやすいでしょう。ホームページ等に記載する会社名も○○○株式会社となっている方が、箔が付きますよね。
所得が多い場合節税になる
個人事業主ではなく、株式会社を選ぶ理由のひとつには節税が挙げられます。個人事業主では、所得(売上)が増えていくほど税金の負担がどんどん大きくなっていきます。一方、株式会社(法人)では個人事業主よりも税率が低く抑えられ、税金が安く済むのです。ただし、所得が低い場合には逆に株式会社の方が、税金が高くなってしまいます。基準としてはだいたい800万円前後を考えておくとよいでしょう。
融資が受けやすい
会社設立の際に、従業員を雇ったり、設備投資をしたりする場合には先立つものが必要です。十分な貯金があるならそれに越したことはありませんが、十分な資金を持って独立できる方はそれほど多くはありません。そのため、銀行などからの融資を検討する必要があるでしょう。その場合、個人事業主よりも株式会社の方が、信用を得やすく融資してもらいやすくなります。もちろん、株式会社だからといっても簡単に融資してくれるわけではありません。しっかりとした事業計画書を用意して、融資に値する企業だということを証明しなければいけません。
株式会社を設立するデメリット
株式会社の設立はいいことばかりではありません。悪い面も知っておきましょう。
赤字でも税金が発生する
株式会社(法人)を設立している場合、たとえ赤字であっても法人住民税として毎年7万円ほどの税金を支払わなければいけません。十分利益が出ている場合には、大した金額ではありませんが、赤字のときには泣きっ面に蜂になります。そのため、安定した利益が確保できるようになってから法人化したほうがよいでしょう。
設立の手続きが煩雑
法改正によって設立のハードルが下がったとはいっても、設立の手続きは煩雑で初めての方には難しいものです。もちろん、自分で登記することはできないわけではありません。近年、オンラインでの手続きも可能になり、年々会社設立のハードルが下がってきていることはたしかだと言えるでしょう。しかし、司法書士などの専門家の方にお任せしたほうがなにかと安心です。
廃業(解散)するのも大変
株式会社は設立するのも大変なのですが、解散するのも大変です。個人事業主のように明日からやめるというわけにはいきません。解散にはさまざまな法的手続きが必要であり、専門家の方の手を借りなければならないでしょう。これは、倒産してしまった場合でも同じです。ある程度存続の見込みを持ってから設立するのが無難でしょう。
どんな事業をするか明確にしよう
最後に、株式会社で行う事業の一例を紹介します。会社の事業はいろいろありますので、一例として考えてください。
自社サービスの開発
ウェブサービスなどの自社サービスを開発する事業です。最近では求人倍率が回復しつつあり、人手不足が深刻化しはじめています。特に、エンジニアなどは2020年の東京オリンピック時には37万人以上不足すると予想されています。そのため、求人サイトや転職サービスの需要が伸びていくでしょう。人事関係のサービスを提供すると需要が見込めるのではないでしょうか。
サービスの提供
デザイナーの方の起業に多いのが、WordPressなどでのホームページ制作業務を請け負う事業です。ホームページ制作の需要は尽きることがなく、今まで行っていた業務の延長としてそれほどリスクなくはじめることができます。従業員を増やしていけば、順当に事業を拡大していけるのではないでしょうか。
フリーランス
フリーランスの方でも稼ぎが多い場合、節税のために株式会社を設立する場合があります。信用力や融資のために法人化する方もいるでしょう。法人化するといっても、事業的にはフリーランスと変わりはありません。フリーランス=個人事業主というわけでもないのです。ITコンサルタントなどの高収入な方は法人化を検討してみましょう。
まとめ
今すぐ独立したくなってきましたか?お伝えしました通り、独立するにも2種類の方法があります。最初は個人事業主からはじめて、事業を成長させる目処がついたら株式会社の設立を考えてもよいでしょう。もちろん、ご自分の経営能力に自信がある方は、いきなり株式会社からはじめるのもアリです。メリット・デメリットをよく考えて選択してください。なお、都道府県によっては起業する方を対象に助成金を出しているところもあります。一度役所のホームページなどで調べてみることをおすすめします。あなたはどんな会社を作りたいですか?
参照:フリーランスと起業のメリット・デメリットを解説した記事はこちら
フリーランスになるために必要な知識やスキルアップの方法等、様々なお役立ち情報を発信していきます。
(リモートワーク案件に強いフリーランスエージェント「クラウドワークス テック」を運営)