これから進学予定の高校生や既に大学や専門学校に在学中で、システムエンジニア(SE)を目指している方は将来について色々と頭を悩ませているかもしれません。どのようなルートを取ったとしても、努力次第では目標に届かない事は無いと思いますが、出来れば効率よく希望の職に就きたいものですよね。今回は、どの様な学部・学科で学べば将来優秀なシステムエンジニアになれるか、学部を選択するポイント等について一緒に考えてみましょう!
どのようなステムエンジニアが目標ですか?
みなさんはどのようなシステムエンジニアになることを目標としているでしょうか?言い換えると、どのような業種、職種のシステムエンジニアが目標でしょうか?
コンピュータシステムやプログラムを作る職種であればどんな業種でも構わないという方もいると思いますし、金融業界でシステムエンジニアとして働きたいという方もいると思います。また、Web系のシステムエンジニアになりたいという方もいると思います。
本来システムエンジニアは業種や職種により多くの種類に分けることが可能ですが、今回は目指すシステムエンジニアの種類を大雑把に以下の二種類のシステムエンジニア、「業務系システムエンジニア」と「技術系システムエンジニア」に分けたいと思います。
業務系システムエンジニア:金融システムなど、ある業種のシステムに強いシステムエンジニア
技術系システムエンジニア:特定の業種によらず、一般のコンピュータシステムやアーキテクチャに強いシステムエンジニア
システムエンジニアになるために学部、学科は選ぶべき?
みなさんは、「業務系システムエンジニア」と「技術系システムエンジニア」のどちらが目標でしょうか?と言っても、既に将来のイメージがボヤっとでも決まっている方は少ないかもしれませんね。では逆に、どうしてシステムエンジニアを目標とされているのでしょう?ここでは、「業務系システムエンジニア」と「技術系システムエンジニア」のどちらを目標とするかから、どの様な学部、学科を選択する必要があるのかの整理を手伝います。
まずコンピュータそのものやプログラミング自体に興味があり、システムエンジニアを目指している方はやはり「技術系システムエンジニア」が合っていると思います。
例えば、
- スマホのアプリやゲームを作りたい
- 色々なWebシステムを作りたい
- 人工知能(AI)を使用したステムを構築したい
- もっと使いやすいATMや自販機を作りたい、等
業種ではなくて、システムやアーキテクチャ自体に興味がある方は「技術系システムエンジニア」が向いています。
逆に、以下の様な特定業務の仕組みづくりに興味のある方には、「業務系システムエンジニア」が向いている可能性があると思います。
- 銀行員として金融システムを作りたい
- 証券取引システムに関わりたい
- 製造メーカー等の販売管理システムを作りたい、等
システムアーキテクチャに関わらず、ある業種のシステム構築に関わりたいと考えている方が当てはまりますね。
「技術系システムエンジニア」が合っていると思われる方は、迷わず理系の学部や学科を選ぶべきです。技術系の考え方や理系の地力を高める事は今後の成長にとって無くてはならないものです。
一方、「業務系システムエンジニア」になりたいなと思われた方は、文系の学部や学科を検討してみる価値があると思います。例えば銀行のシステム構築には、経済学や商学、法学の知識が必要ですが、システムエンジニアとしてこれらの専門知識があることは大きな武器になります。
実際に働いているシステムエンジニアの出身学部事情は?
実はシステムエンジニアとして働くようになってから、先輩でも同期でも後輩でも、また他社の方でも、特に出身校や出身学部を意識した事はありません(もちろん自社の同期については知っていましたが)。今までも飲み会の席などで、「数学科ですかー」、「文系なんですね!」と出身学科等を後で知ることが多かったです。ですので、実際にシステムエンジニアの出身学部がどの程度の割合か経験上からも不明な点がありますが、「文系学部」が凄く珍しいという事はありません。
システムエンジニア向けの学部、学科は?
次にシステムエンジニアになるために向いている学部を幾つか挙げますので参考にしてください。
情報工学科
情報工学科は、コンピュータのハード、ソフトについて専門に学ぶ学科です。
特にコンピュータのハードウェアを学びたい場合はこの学科に進むと良いでしょう。
何が学べる?
基礎科目としては、情報数学や、情報理論、プログラムの演習など。その後ハードウェア系では、コンピュータやアーキテクチャ設計、ネットワーク理論など。ソフトウエア系ではシステム工学、言語理論、人工知能等を学びます。
経営情報学
情報工学科は、「情報処理システムを使用して経営をいかに効率よく運営していくか」を学ぶ新しい学科です。会社の経営にITを駆使して社内SEとして関わりたいという方はこの様な学科を検討してはいかがでしょうか?
何が学べる?
経営学や経営数学、統計学等の経営学の基礎と、情報処理論や情報工学、システム設計、プログラミング実習など、経営と情報処理に関する科目を幅広く学べるのが特徴です。
数学科、物理学科など
これらの学科は現代ではコンピュータを利用することが必須なので、コンピュータ関連の科目を十分学ぶ事が可能です。また、数学を通してコンピュータの本質を学びたい方にお勧めします。
何が学べる
どちらの学科も数学の基礎科目と、数学科では純粋数学または応用数学、物理学では物理数学や原子分物理学、各物理学等を学ぶことが可能です。人工知能や画像処理等のシステムの研究や実装をしてみたい方には、このような学科で学べる数学的な学力が必須ですので是非進学を検討してみてください。
機械工学、電気・電子工学科など
機械工学科では数学の基礎と各力学、機械工学、電気・電子工学などの各工学を学びます。また、電気・電子学科では同様に数学の基礎と、力学や電子工学、電磁学など電気に関する工学から、半導体や回路等幅広く学びます。
どちらの学科も情報系を学ぶ事ができますので、各領域のシステム化に興味がある方は両学科で学ぶ事を考えられても良いと思います。特に、電気・電子エンジニアと対等に電気について話せる、組み込み(エンベデッド)システムエンジニアは大変な戦力になるので、組み込みシステムエンジニアを目指す方は是非、電気・電子工学科を検討してみてください。
出身学部はシステムエンジニアのキャリアにどう影響するの?
入社する企業により多少違うかとは思いますが、一般的なシステムエンジニア職であれば、出身学部は特にキャリアには関係は無いと思います。もちろん、システムエンジニアといっても研究職系は理学系や工学系の学科を卒業している必要があるでしょう。
文系の学部を卒業してシステムエンジニアになった場合、最初の社内研修は他の理系の学生よりも情報系の学科を学ぶ時間が少なかったと思いますので付いて行くのは大変かもしれませんが、そこを頑張って乗り越えれば大丈夫です。その後は、引き続きIT系の最新の情報を学びながら、文系学部を卒業したメリットを実務でアピールして行きましょう。文学部出身であれば設計書の文章や構成、報告書等でアピールするのも有効だと思います。
一点、現在文系の学部で学んでいる方も情報科目を学ぶ機会があるとおもいますが、その授業についていくのが難しいと感じるようであればシステムエンジニア職はやめておいたほうが良いでしょう。でも、難しくても楽しいと感じるようであれば可能性ありです!ぜひ、システムエンジニアにチャレンジしてください。
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