エンジニアとして働いている人の中には「年収をアップさせたい」「もっと様々な現場で経験を積みたい」と考え、フリーランスになる方も多いようです。
リモートワークが当たり前になった現在、仕事内容や業務時間を選べるフリーランスという働き方を選択するエンジニアの方はますます増えています。
しかし、フリーランスエンジニアになると収入だけではなく、社会保障や求められるスキル等、様々な要素が会社員時代とは変わることになります。
本記事では、エンジニアの方がより良い選択を出来るように、フリーランスエンジニアの平均年収や求められるスキル、正社員との違いについて解説していきます。
参照:フリーランスでプログラマーとして活躍するための方法について解説した記事はこちら
フリーランスエンジニアの年収
結論からお伝えすると、フリーランスエンジニアは正社員として働くエンジニアと比較して、より多くの収入を得られる可能性がある働き方です。
フリーランス協会の調査によると、フリーランスエンジニアの年収は以下のような結果となっています。
年収 | 割合 |
---|---|
400万円未満 | 19.3% |
400~800万円 | 36.2% |
800万円以上 | 44.5% |
年収800万円以上の割合が44.5%
上記を見るとわかるように、「年収800万円以上」と回答した人は44.5%となっており、回答者の多くを占めていることが分かります。
この数字から、フリーランスエンジニアとして活躍する人の多くが、かなりの高収入を得ていることが分かります。
フリーランスになれば必ず稼げるわけではない
ただし、フリーランスエンジニアになれば必ず「年収800万円以上」という金額を稼げるというわけではなく、「400万円未満」と回答した人は19.3%、400~800万円と回答した人は36.2%となっています。
また、ある程度求められるスキルを身に着けたエンジニアがフリーランスとして独立する傾向にあるので、フリーランスになれば稼げるというわけではないことに注意が必要です。
さらに、フリーランスという働き方にはデメリットも複数あるので、フリーランス転向を検討しているエンジニアの方は収入面以外の側面も把握したうえで決断する必要があります。
システムエンジニアの平均年収は約523万円
エンジニアと一言でいっても、開発言語や案件内容、また企業勤めエンジニアでは住んでいる地域などにより収入が変わってくるので、ほかの業種と比べて年収の個人差が大きい業種と言えるでしょう。
それでは、フリーランス以外の「企業に雇用されているエンジニア」の年収はどれくらいなのでしょうか?
厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「Jobtag(以下Jobtag)」によれば、ソフトウェア開発を行うシステムエンジニアの平均年収は523万円で、平均年齢は37.3歳となっています。
また、エンジニア関連職種の平均年収と平均年齢は以下の通りとなっています。
職種 | 平均年収 | 平均年齢 |
---|---|---|
システムエンジニア(業務用システム) | 523万円 | 37.3歳 |
プロジェクトマネージャ | 733.6万円 | 40.3歳 |
IT業界全体は売り手市場
IT・WEB業界全体としては基本的に人手不足の傾向があり、極端な不況などの影響を受けにくいのも特徴といえます。
そのため、一度エンジニアとして就業したことがあれば比較的安定して業務を得られる業界とも言えるでしょう。
人材不足が追い風となり、未経験でも積極的にエンジニア採用を行う企業もあるため、「未経験だけどエンジニアとして稼ぎたい!」と考えている方は、まずは企業に社員として経験を積み、そのうえで経験を生かしてフリーランスになるか否か判断するのがおススメです。
フリーランスエンジニアの年収はスキル次第
フリーランスに限らず、エンジニアの年収は持っているスキルによって大きく左右されるといえます。
ここでは、フリーランスエージェントであるクラウドワークス テックで公開されている案件を、スキル別・プログラミング言語別にご紹介します。
職種別の月額単価(クラウドワークス テック公開案件)
職種 | 月額単価 |
---|---|
プロジェクトマネージャー(PM) | ~150万円 |
サーバーエンジニア | ~100万円 |
ネットワークエンジニア | ~75万円 |
ソフト系エンジニア | ~112万円 |
※2024年2月時点
上記は、2024年2月時点で職種別にみたエンジニア関連のフリーランス案件における月額単価の上限となります。
クラウドワークス テックで案内されるフリーランス向け案件は、自分自身のこれまでの経験や使用可能な言語、1か月あたりの稼働時間によって報酬金額が決まります。
また、自身の社会人としての経験年数ではなく「案件に求められるスキルの経験年数」「類似案件の経験」等で報酬単価が変動する傾向が強いため、企業に勤めるよりシビアに実力次第で年収を上げることが可能です。
上記はあくまで参考数値となりますが、企業に勤めるエンジニアよりかなりの高収入が見込めることが分かります。
プログラミング言語別の月額単価(クラウドワークス テック公開案件)
プログラミング言語 | 月額単価 |
---|---|
Python | ~112万円 |
JavaScript | ~120万円 |
PHP | ~105万円 |
Ruby | ~120万円 |
C++ | ~100万円 |
laravel | ~105万円 |
AWS | ~112万円 |
react | ~150万円 |
TypeScript | ~175万円 |
※2024年2月時点
上記は、クラウドワークス テックのフリーランス案件において、2024年2月時点でプログラミング言語別にみた月額単価の上限となります。
ただし、上記はあくまで一例となっており、複数の言語経験やディレクション経験なども求められるケースもあるため、気になる場合は会員登録をして詳しい条件面を確認するのがおススメです。
開発言語や必要スキルにはトレンドがある点に注意
一例として代表的な言語と月額単価をご紹介しましたが、開発内容にはその時代時代のトレンドがある点に注意が必要です。
需要のある開発言語のスキルを持っている場合は収入アップも見込めますが、特定の分野に対してのみの知識しかなければ、需要が減退した際には案件を獲得できなくなる可能性があります。
それに対し、ネットワークエンジニアやサーバーエンジニアは比較的、長期契約に繋がりやすい傾向にあります。サーバーサイドの案件は常駐しなければならない可能性はあるものの、年収は安定しやすいのが特徴です。
勤務地域次第で報酬相場は増減する
フリーランスエンジニアであっても、企業のオフィスに常駐して業務を行う場合は地域によって報酬単価が上下することが考えられます。
その場合、最低賃金が高い関東圏に比べて、地方企業の場合は報酬相場が下がる傾向がある点に注意しましょう。
ただし、フリーランス案件であればフルリモートと業務を行う案件も多く、企業に勤めるシステムエンジニアの平均年収523万円より多くの収入を得られる可能性が高いといえます。
また、リモート案件が多いゆえに、働き方を自身のライフスタイルに合わせて選ぶことができる点も、フリーランスとして働く魅力の一つです。
会社員時代から年収アップする人とダウンする人が二極化
会社員からフリーランスのエンジニアになって年収がアップする人には、以下のような特徴があげられます。
- 自身の力で案件を獲得できる
- 幅広い知識があり仕事のスピードが速い人
- 管理をされなくても自発的に仕事を進めることが出来る
- 地方に住んでいるが、リモートで地域に縛られずクライアントを獲得している
フリーランスは、会社員時代に所属する企業が単金から差し引いていた経費や手数料などがすべて自身の手元に入ってくることに加え、同時期に複数案件の受注が可能であることや報酬金額の交渉がしやすいことから、高収入を狙いやすい働き方です。
フリーランスエンジニアの働き方によっては、作業が早ければ早いほど時間に余裕ができ複数の案件を受注することも可能です。
そのため、スキルが高い人であれば高収入を得ることが可能な働き方といえます。
スキル不足ならまずは会社員として経験を積むのがおすすめ
エンジニアに限らず、フリーランスは収入が保証される働き方ではありません。
そのため、自身のスキル不足を感じる場合は、まずは会社員としてエンジニアの経験を積み、スキルアップを目指すのがおススメです。
もしくは、スキルアップとフリーランスになるための準備を両立させるために、会社員として働きつつ週末に副業エンジニアとして働くのもおすすめです。
トレンドに合わせた知識や経験を積むのが重要
エンジニア職は開発言語や開発内容のブームが収入に直結します。
1990年代、2000年代、2010年代とこの30年の中で技術の進歩により、開発言語の主流も大きく変化しました.
そのため、中にはあまり使用されなくなった言語や開発内容があるのも事実です。
また、プロジェクトをマネジメントする方法も所属するプロジェクトや時代により変化します。安定した受注量を確保したいのであれば、新しい知識や新しい開発経験、マネジメント経験などに積極的に取り組むことが求められます。
会社員であれば多少未熟な部分があっても自己啓発の時間や講習費用を割いてくれるケースもありますが、フリーランスは経験も少なく技術力が乏しければ、次回の契約を打ち切られるだけ、という辛い現状が待っています。
日々の業務の合間を縫って研鑽するのは大変ではありますが、会社員時代以上に成長し続ける努力を怠らないことがフリーランスエンジニアへの近道です。
フリーランスになって収入がダウンする人の特徴
一方、会社員時代から収入ダウンする人の特徴として
- 残業代が収入に直結していた人
- 新規案件をいただけるコネクションやつながりがない人
等が挙げられます。
フリーランスは常駐開発などで契約条件に自給換算の記載がない限り、契約金=収入です。
単金が高ければ問題ないのですが、開発に時間をかければかけるほど単価は低くなり、業務量の割に収入が減ったと実感する人も少なからず存在します。
また、昨今ではクラウドソーシングやエージェントを利用すことによって新規案件を探すことができるようになってきましたが、とはいえ、フリーランスの大半は既存の顧客からお仕事をいただているという状況があります。
営業にかける時間や仕事がない期間などが増えれば増えるほど収入は減ってしまうのは当然です。フリーランス転身前に、自分がどれだけの人とつながりがあり、仕事がもらえるのかをイメージし、最低でも半年ほどは営業なしでも働けるという環境を整えておくべきでしょう。
フリーランスエンジニアになるデメリット
前述したように、フリーランスになることはメリットばかりではありません。
会社員には、働いているときは気にならなかったメリットが多数あり、フリーランスになった際はそういったメリットを享受できなくなります。
ここではフリーランスエンジニアになるうえでのデメリットを解説していきます。
案件を獲得するための営業をする必要がある
企業に勤めていれば営業部門が獲得してくる保守や開発業務の案件を、フリーランスであれば自身の力で獲得しなければなりません。
そのため、IT業界で幅広い人脈を持っている人ほど、フリーランスとしての活動は有利であるといえます。
「営業が苦手」「エンジニアとしての仕事だけをしたい」という人であれば、フリーランスエンジニア向けのエージェントサービスを活用することで、案件を開拓する手間を減らして、自身の専門領域の業務に集中することが可能です。
収入の保証がない
会社員として働いていれば保証されていた月給の保証が、フリーランスになるとありません。
エンジニアとして仕事を受注した場合も、案件が継続する保証はなく、契約期間終了が収入減少に直結します。
そのため、フリーランスエンジニアには「案件を獲得する努力」と同時に「案件を継続受注するスキル」が求められているといえます。
事務作業の手間がかかる
フリーランスとして活動する場合、会社員時代は労務や経理部門が担当していたような事務作業を、自分自身で行わなければなりません。
例えば以下のような事務を行う必要があります。
- 経費精算
- 健康保険の支払い
- 住民税の支払い
これまでは給与天引きで対応していたような手続きを、フリーランスになると自身で行わなければならない点はしっかり認識しておきましょう。
社会保障制度が違う
フリーランスになると、健康保険や年金などの手続きを自身で行う必要があります。
会社員時代とは違った保証制度となるため、自身の働き方や将来設計に合わせて最適なものに加入手続きを行ったうえで、必要に応じて任意加入の保険なども検討するのが良いでしょう。
フリーランスと会社員の手取りの違いについて
フリーランスと会社員は、手取りの考え方や計算方法が違うので注意が必要です。
企業に雇用されている会社員であれば、毎月の給与から税金や社会保険料等を引いた金額が手取りとして受け取りることになります。
しかし、フリーランスの場合は所得税や住民税、消費税、個人事業税などの税金を自分で納税する必要があるうえ、「会社員の頃は会社が半分を負担してくれていた保険料」を全額払わなければあなりません。
また、正社員として雇用されていれば、1年最大20日間の有給休暇が使用可能で須賀、フリーランスの場合は基本的に「休んだ分、収入が減る」ということを理解しておく必要があります。
フリーランスと正社員の手取り収入の違いについては、以下の記事で詳しく解説しておりますので、興味がある方は是非ご覧ください。
まとめ
この記事ではフリーランスエンジニアの年収・収入や、フリーランスになることのメリット・デメリットを開設させていただきました。結論としては、現場での経験を十分に積まれている方や、継続的にスキルアップをする予定の方であれば、フリーランスエンジニアになることで大幅な年収アップを目指すことが可能といえます。あなたもフリーランスエンジニアを目指してみませんか?
参照:フリーランスでプログラマーとして活躍するための方法について解説した記事はこちら
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