まずはイラストレーターの仕事と必要なスキルをチェック
イラストレーターとは、その名の通り、イラストを描くお仕事のことです。ホームページ上や冊子などでキャラクターが描かれていることがありますよが、そのようなさまざまな媒体で使用するイラストの作成は、多くの場合、社内もしくは社外のイラストレーターが請け負うことになります。また、イラストと言っても、キャラクターなどの挿絵だけに限りません。CDジャケットやイラスト調のイラストマップ、流れ作業などの構図をイラストにした解説図などもイラストレーターの仕事の一部です。
イラストレーターを目指している、もしくは現在駆け出しであるという方は、今一度、イラストレーターにとって必要なスキルが充分に備わっているか確認してみましょう。近年では、パソコンで画像処理をすることが多いため、パソコンの画像処理ソフトの知識は必須となります。特に業界内でよく使用されている「illustrator」や「photoshop」の知識は必ずと言っていいほど身につけておかなければならないものです。
また、illustratorとphotoshopはそれぞれロゴ作成向き、画像編集向きのソフトになります。プラスアルファで、イラスト作成に特化した「SAI」や「Painter」、「FireAlpaca」といったペイント系ソフトの知識も備えているとなお良いです。ペイント系ソフトは、書き心地やブラシの機能に特化したソフトなので、イラストの表現により幅を持たせることができます。
参照:フリーランスのイラストレーターに必要なモノ・コト総まとめした記事はこちら!
どこが違う?フリーランスと会社勤めのイラストレーター
- 1. 働いた分だけ報酬になる!働いた分しか報酬にならない!
まず、フリーと会社勤めで大きく異なるのは報酬の形態です。会社勤めであれば作業の大小にかかわらず、ある程度一定の収入が約束されていますが、フリーランスは自分の働いた分しか報酬につながりません。フリーランスのイラストレーターの平均年収は約400万円から500万円程度。もちろん、出来高制なので平均を大きく上回る人もいれば、平均以下の年収の人もいます。フリーランス始めたては思うような収入が見込めないことも多いですが、平均年収を一つの目安にしましょう。 - 2. 自分で営業をしなければならない
次に営業です。会社勤めの場合、自分で自分の仕事を取りにいくということはほとんどありませんが、フリーランスの場合、自分から仕事を掴みにいかないと、仕事は入ってきません。積極的に制作会社に営業をかけることもひとつの方法ですが、イラストレーターの場合は成果物の提示がとても大切な武器になってきます。ホームページやサイトなどを使って、自分のポートフォリオ(成果物の一覧)を多くの人の目につきやすいように掲載することも営業のひとつです。 - 3. より個性が求められる
フリーランスは会社勤めのイラストレーターより「個性」が求められます。フリーランスで活動するということは、発注者側も多くのイラストレーターの中から受注者を選択することが可能だということです。たくさんのイラストレーターの中に埋もれない個性で、競争を勝ち抜く必要があります。
参照:厚生労働省「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」
発注者から見たイラストレーターの成功への道筋とは
フリーランスのイラストレーターの仕事の流れは、主に以下の通りです。段階ごとに成功につながるポイントをおさえましょう。
- 1. 依頼を受ける
企業イラストレーターとは違い、フリーランスではまず仕事を探すところから始まります。営業の方法としては、セミナーや講演会などに参加する、クラウドソーシングの利用などが考えられます。営業=飛込みで企業に自分を売り込む、というようなことを考える人もいらっしゃいますが、基本的にはそのような方法で営業を行っているフリーランスはほとんどいません。前職のツテやつながりがある人は、そこから案件をいただく、実績やスキルが少ない人はクラウドソーシングを利用するなどの手段が主流となっています。
また、営業やクラウドソーシングで仕事を請ける際の準備としてプロフィールやポートフォリオ、ホームページなどを整理する必要があります。あなたがどんな人物であるか、どのようなスキル、実績を持っているかを的確に伝えられるように、しっかりと準備しましょう。
また、仕事をする際にはその都度契約を結びます。 - 2. 打ち合わせを行う
契約を交わすと、案件に対する打ち合わせを行います。依頼者からの要望をしっかりと読み解き把握する能力が求められるでしょう。イラストは感覚的な部分もあり、依頼者自身もどのようなイラストが正解なのかわかっていないというケースも多々あります。言葉やイラスト例などを使ってコミュニケーションを図ることが大切です。また、昨今では、対面式の打ち合わせより、メールやスカイプなどを使ったう打ち合わせが主流になっています。どのようなツールを使ったものでも、しっかりとコミュニケーションを取れることが重要です。
- 3. ラフ画を提出する
- 4. 本制作
イラストレーターはここからすぐに本制作に入るのではなく、ラフ画すなわち下書きを先に提出するという作業を挟むことがあります。大まかな方向性や細かな要望などをすり合わせたのち、本制作に入るという手はずをとることで、完成後の修正や依頼したものと大きくずれるということを防ぎます。クライアント企業の中には、イラストレーターとのやり取り経験が少なく、この段階を挟まずに進める方もいらっしゃいますが、フリーランスは時間が命、後から大幅な修正に時間をとられないように、率先してラフ画の提出を行いましょう。 - 5. 納品・修正など
納品後の修正も大事な業務です。特にイラストのお仕事は修正がかかることが多くあります。先ほども説明しましたように、イラストは感覚的なもので、好き嫌いなど好みが人によって変わります。あなたの好き嫌い、世間一般の良い悪いは関係なく、あくまでクライアントが求めるものを作るのがイラストレーターです。この柔軟性を見越してフリーランスのイラストレーターに発注する、という依頼者も多いので、スキルはもちろんのこと相手の求めているものがどこにあるのかを探す力がフリーランスには求められるでしょう。 - 6. 支払いを受ける
仕事が終われば請求書を発行し、報酬の支払を依頼しなければなりません。報酬については、月末締め翌月末支払いなど、お金が手元に入るまで1ヶ月から2ヶ月かかる場合が多いので、フリーランスを始める際には、最低限でも1~2ヶ月以上は暮らせる貯金が必要になるでしょう。
成功する人と失敗する人の違いはどこにある?
成功者の声
- 目の前の業務だけに捕らわれない
- スケジュールをしっかりと管理する
フリーランスは、いかに単発で高収入のお仕事を得られるかよりも、いかに同一のクライアントから安定したお仕事をもらえるかの方が重要になります。目の前の案件だけにとらわれ、そのお仕事が終わってしまえば他に仕事がないという状況を作らないことです。フリーランスは会社員と違って、仕事をすればするほど収入につながります。継続して案件をいただけるよう、クライアントと良い関係を結ぶことに労力を使いましょう。
納期に関しては、何もイラストレーターに限ったことではありませんが、フリーランスとして活動する際に、納期は特に重要なものになります。納期に柔軟に対応できるというのはフリーランスの一つの強みです。明日までにどうしても仕上げたい、3時間後までに作って欲しいなど、大手イラスト会社には依頼できないものをフリーのイラストレーターに依頼したいという需要は多くあります。「納期までに仕上げればいい」ではなく、できるだけ早く完成させ、次の仕事に取り掛かることで、依頼者の信頼、そして多くの収入を得ることにつなげましょう。
失敗例
- スキルが高いからといって必ずしも仕事につながるわけではない
- なかなか顧客がつかないのは「人脈」にあり
まず、スキルが高いからと言って、てんぐになることは禁物です。自分のスキルを過信し過ぎてしまうと、クライアントの求めるものとは違うものになってしまい、結果的に採用されないということもよくあります。特にイラストレーターの場合、成果物がデザインという形で、人の感性によって評価が左右される曖昧なものです。これで大丈夫だと考えず、高度なスキルを身につけても常にクライアントの意図を読み取り、求められるものにより近づけていく努力が大切です。
そして、独立したばかりのフリーのイラストレーターに良くみられる失敗が、固定客がなかなかつかないということです。継続して安定した仕事をこなしていくには、「人脈」がカギになります。現に、半分以上のフリーランスが「既存の顧客からの紹介」で仕事を得ているというデータがあるように、最初の顧客を掴むためにはすぐに独立するのではなく、広告代理店などに勤め、イラストレーターとしての実力をつけるとともに人脈を築くことも一つの選択肢です。独立後もイラストを採用してもらえたりと、特にイラストレーターの世界では後々お世話になることも少なくありません。
イラストレーターの需要について把握しておこう
イラストレーターとして仕事を行っていくにあたって、需要を把握しておくこと並びに自分の得意分野および苦手分野を把握しておくことが大切です。
イラストレーターにもキャラクター調のものや解説向けのものなど様々な分野が存在します。自分の絵柄がどの分野にマッチするのか把握しておくのも、仕事を得るためには重要なことです。
現在、イラストの相場はモノクロであれば5,000円から30,000円、カラーであれば10,000円から100,000円とイラストの内容や複雑さ、使用目的などによって価格は異なるようです。工数や図解の大きさによっては、高単価も見込めます。なかでも、需要が高いのがモノクロのイラスト。モノクロは、雑誌や広告などで使用されることが多いからです。
百聞は一見にしかず。これからフリーランスのイラストレーターとして活動していくなら、成功談も失敗談も現役でイラストレーターをしている方に伺ってみるのが、成功への近道となるのではないでしょうか。FacebookやTwitterなどのSNSをうまく活用して、フリーランスの先輩とコンタクトを取ってみましょう。
参照:フリーランスのイラストレーターに必要なモノ・コト総まとめした記事はこちら!
フリーランスになるために必要な知識やスキルアップの方法等、様々なお役立ち情報を発信していきます。
(リモートワーク案件に強いフリーランスエージェント「クラウドワークス テック」を運営)