フリーランスの仕事としてポピュラーなものに、「DTP」という仕事があります。
ここでは、DTPのデザイナーとしてフリーで活動している筆者が、これまでの経験をもとに、どんな方がデザイナーとして成功しているのか、また教訓にしたい失敗談などをご紹介してみたいと思います。
参照:フリーランスのWEBデザイナーになるために必要なスキルや案件獲得方法を解説した記事はこちら
DTPデザイナーとは?
そもそも、「DTP」とは何でしょうか。
DTPとは、「Desk Top Publishing」の略称で、コンピュータを使った印刷物の組版データ作成作業のことを指します。
このDTP作業を行って、フライヤーやチラシ、商品の化粧箱などの印刷物をデザインするのがDTPデザイナーです。
似たような仕事で、「DTPオペレーター」というものもあります。こちらは、主に印刷会社などに勤務し、顧客や自社内のデザイナーから送られてきたデータを、印刷に回す前にデータに不備がないかどうかを最終確認するのが主な仕事です。
オペレーターの場合は、既存のテンプレートを使って名刺の印刷データを作ったりすることはありますが、多くの場合イチからデザインをすることは少ないようです。
DTPデザイナーの「フリーランス」と「会社勤め」
フリーランスのDTPデザイナーと会社員のDTPデザイナーでは、仕事の内容こそ同じであれ、待遇、勤務時間、給与など様々な点で違いがあります。主な違いを以下にまとめました。
【報 酬】
会 社 員: 給与制。基本的に毎月同額。
フリーランス: 出来高制。プロジェクトごとに金額が違う。
【勤務時間】
会 社 員: 1日のうち拘束時間や休憩時間、休日が契約で決まっている。
フリーランス: 一切自由。個人の裁量による。
【そ の 他】
会 社 員: DTP作業以外の経理作業、営業、総務などは基本行う必要がない。
フリーランス: 個人事業主似なることが多いので、DTP業務以外にもすべての業務を担当。
参照:厚生労働省「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」
仕事が絶えない人はこんな人
それでは、DTPデザイナーとして成功している方々はどんな方でしょうか。筆者の周りの稼いでいるクリエイターさんを分析してみました。
1.その人しかできない「オリジナリティ」を追求している
フリーランスのDTPデザイナーで活躍している方々は、その人独特のセンスを持っており、既存の素材を使わずにオリジナルなものを作り出すチカラがあります。
優秀な方々は、非常に独創的でオリジナリティに溢れていますから、「少々高くても、この人に依頼したい」と思ってもらえています。その人独自のデザインアイデア自体に対価が支払われると言ってもよいでしょう。
本来であれば、すべてのデザインの仕事が、この方々のように高度なセンスによって完全オリジナルで作られるべきでしょう。筆者はまだまだですが、ぜひここを目指したいところです。
この点は、失敗例をご紹介する「挫折しないために守りたいポイント」の1でも詳しくご紹介します。
2.自分への「インプット」を忘れない
DTPデザインに限らず、クリエイティブな職業をしている方は、必ずと言っていいほど世の中のあらゆる「モノ」に興味を持ち、鑑賞し、自分のものづくりの肥やしにしています。
常に自分が「ステキ」「カッコイイ」「美しい」というものに触れていることで、自身のセンスも磨かれていくのではないかと思います。
映画や読書を欠かさなかったり、仕事の合間に旅行をしたり、海外のデザイナーの作品を追い続けたりと、インプットするアート要素は人によって様々です。ご自身が好きだと思うものをぜひ追求してください。
DTPデザイナーとして仕事をもらうには、信用を失わない「ものづくり」を
次に、DTPデザイナーとしてやってはいけないこと、失敗につながってしまうようなケースについて、筆者の実体験を交えてお話ししましょう。
デザインを依頼したら、無料素材「そのまんま」だった
「順調に仕事が来ている人はこんな人」の1とも関連しますが、筆者が別のデザイナーに仕事を依頼した時、苦い経験をしたことがあります。
昔、筆者の仕事が手一杯の時、知り合いに紹介してもらった方にちょっとした印刷物のデザインのお仕事を依頼したことがありますが、同じデザイナーとして大変驚いたことがありました。もちろん、悪い意味で。
その方には、デザインの中に載せて欲しいコピー文、イラストのカット1点を送っておいたのですが、上がってきたものを見ると、どうもどこかで見たことがあるような気がします。
不審に思って無料の素材サイトをちょっと探してみたら、嫌な予感が的中してしまいました。
イラストとコピー文のバックにあった無料背景素材が、何の改変もないままそのまま使われていたのです。色もオブジェクトもなにもかもそのまま、です。
確か見積は1万5〜6千円だったと思いますので、比較的小さな仕事だと言えるかもしれません。しかし、無料の背景素材の上に、渡したカットとコピー文をポンと乗せただけのものにこの金額を支払うには、とても納得がいきませんでした。
もちろん修正を依頼しましたが、新たに上がってきたものは、背景の素材を別の無料素材に差し替えただけのもの。開いた口がふさがりませんでした・・。
今回はクライアント業務ではなく、筆者個人が使いたいものだったため、それ以上の直しを依頼することを断念し、黙って満額お支払いしました。
納得はいきませんでしたが、自分でやる暇がなかったという事情もありましたし、知り合いの紹介というだけで、相手の力量をよく調べもせず依頼してしまった自分も悪いと思ったからです。
ただし、その後その方からお仕事の融通をお願いされても、当然ですが二度と依頼する気にはなれませんでした。
お金を払って無料の素材をそのまま使われるくらいなら、無理をしてでも自分でやります(笑)
これがもし、クライアント業務であったら・・と考えるとゾッとしますね。
「素材集」に頼りすぎない!自分にしかできないものづくりを目指す
前置きが長くなってしまいましたが、要するに
「オリジナリティが全くないと、仕事はもらえない」ということです。
みなさんも、自分がクライアントの立場だったら、
既存の無料素材とみなさんが渡した素材だけを組み合わせたものに、
対価を支払う気になれるでしょうか?
作るものによっては、最悪の場合、著作権法違反という違法行為になる可能性もあります。
人のものからインスパイアを受けることはクリエイターにとって重要なことであるとお話ししましたが、インスパイアと「流用」は全く違います。
ものづくりが好きな方、DTPデザイナーを目指してみませんか
DTPデザインに限らず、ゼロからものを作り出すクリエイターという仕事は、アイデアが浮かばない時にはとても苦しいものです。フリーランスであればなおさら、いろいろなプレッシャーもあります。
しかし、悩みに悩んで「これだ!」というヒラメキが降りてきた時の嬉しさや、クライアントに「かっこいいね!」と言って頂いた時の喜びは、何ものにもかえがたいものがあります。
ものづくりをしたい、自分が作ったものを誰かに見てもらいたい、という方にはまさにぴったりな仕事だと断言できます。ぜひ、DTPでデザイン表現の世界に飛び込んでみませんか?
参照:フリーランスのWEBデザイナーになるために必要なスキルや案件獲得方法を解説した記事はこちら
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