フリーランスのみなさんは納税を意識して生活していますか?これからフリーランスを目指す方には特に知っておいて欲しいのですが、所得税の納税は基本的に即納が原則です。
つまり確定申告をして所得税の額が確定したらすぐに納付することとなり、法定納付期限は3月15日で、確定申告期限と同じ日です。振替納付の場合でもおよそ1ヶ月後が引き落とし日となります。
納税時期にお金に困ってしまうことがないように日頃からお金の管理をきちんとしておくべきですが、税金や確定申告に対する知識をつけることで税金を節約することができるのはご存じですか?
キャッシュや経費の管理をきちんと行うだけでも税金を節約することは可能で、きちんとした経理処理をしていれば仕事は効率的に進むようになり、本業のために使える経費や自己投資など使えるお金も増えることに繋がります。
この記事ではフリーランスの節税をテーマにさまざまな方法をお伝えします。
そもそも節税とは何か〜脱税・節税・租税回避の違い
節税と聞くとどこかうさんくさい、怪しいことをしている、そんなイメージはないでしょうか?この記事ではそんなことは一切おすすめしません。
節税とは言うまでもなく合法であり、利用できる制度や決まりの範囲内、法律で認められた特典などを利用して税金を節約することを指します。
似たような言葉に「脱税」や「租税回避」があります。節税も含めてこれらの言葉はすべて税金を少なくすることを指すため混同されがちですが、脱税とは不正行為で税金を少なくすることを指し、租税回避は法律が想定していない方法や取引を利用して税金を減らすグレーな方法です。
節税はあくまでも法律で認められた方法を利用したものですのでご安心してください。
最強の節税方法はこれ〜必要経費を漏れなく計上する
必要経費を漏れなく計上することは、節税の方法として一番だと筆者は考えます。必要経費とは事業のために使ったお金のことで、計上漏れは意外と多いものです。
小さな額のレシートもきちんと処理〜ちりも積もれば山となる
仕事のために使った経費はすべて記帳してレシートや領収書を保管する必要があります。ただ数百円の経費に対して「処理が面倒だから、まあいいかな」と計上しなかった経験はありませんか?
確かに数百円の経費では納税額は変わりません。しかしちりも積もれば山となるとはこのことで、そんなレシートや領収書も積み重なれば大きな金額になるでしょう。
レシートや領収書をきちんと管理する〜節税以前の問題かも?
領収書をなくしてしまっては節税どころではなく、経費管理に問題があるかも知れません。レシートや領収書を紛失してしまうと経費として計上できないだけでなく、経費の使い方を正確に把握できなくなる可能性もあります。
小さな額のレシートも経費であればきちんと計上し、領収書やレシートをきちんと管理するだけでも、現時点の納税額から節税できます。さらに経費管理の精度も向上します。良いこと尽くしな最強の節税方法でしょう。
青色申告の特典を利用する
青色申告の場合、さまざまな特典を利用することで節税につなげることができます。
というのも、基本的に白色申告は記帳の方法などが簡易になる代わりに、税法上のメリットの一部が受けられないものです。よって青色申告にするだけでさまざまなメリット、税金を安くする方法を取ることができるわけです。
その中の一部をご紹介しましょう。
青色申告特別控除
青色申告を利用して確定申告すると、青色申告特別控除として65万円の控除を受けることができます。65万円の控除は個人事業主としてはかなり大きな金額ではないでしょうか。
経費をあまり使わない仕事であれば特にこの金額は見逃せません。実は筆者は経費をあまり使わないフリーランスのひとりですので、この青色申告特別控除の恩恵をフルに活用しています。
赤字の繰り越し
青色申告であれば赤字を3年間繰り越すことができます。決して安定とは言えないフリーランスの世界。もし50万円の赤字となった場合、翌年は赤字の50万円を差し引いた額をもとに所得税を計算できます。
赤字の翌年であればキャッシュも苦しく、できるだけ節税したいのが本音でしょう。
少額減価償却資産の必要経費算入
白色申告であれば10万円を超える減価償却資産は固定資産で計上して何年かかけて経費計上することとなりますが、青色申告の場合は1つ(1組)30万円までのものは一括してその年度の経費として計上できます。
その他にも特典はあります
他にも家族へ支払う賃金を経費計上できる青色事業専従者給与などもあります。青色申告を検討されている方はこれら利用できる特典をしっかり把握することで節税につなげることができるでしょう。
各種控除を利用する
控除を賢く利用することも節税に繋がります。青色申告特別控除はそのひとつですが、他にもさまざまな控除がありますので利用できるものがないか探してみましょう。
特に下でご紹介する小規模企業共済や国民年金基金・確定拠出年金は将来への備えをしながら控除による節税が可能なため、絶対にチェックしてください。
配偶者控除・扶養控除
配偶者が一定の条件を満たしていれば38万円の控除を受けることができます。
また扶養親族が一定の条件を満たしていれば、最大58万円の控除を受けることが可能です。
小規模企業共済〜退職金を積み立てながら節税する
小規模企業共済は個人事業主向けの退職金共済で、将来に備えて退職金を積み立てることができます。
この掛け金は全額控除することができるため、節税効果を発揮します。なお生命保険などと同じく、年末頃に控除証明書が送られてくるため、これを確定申告書類に添付します。
国民年金基金と確定拠出年金(401K)
国民年金基金とは国民年金に加えて加入することができる公的年金です。確定拠出年金も同じく国民年金や国民年金基金と併用できます。
なお国民年金基金と確定拠出年金を合わせて月68,000まで利用することができ、これらも全額控除の対象です。
ふるさと納税で楽しみを増やす
税金対策になると言われているふるさと納税ですが、実際にはふるさと納税した額から2,000円を差し引いた額が控除されるため節税効果は大きくありません。
しかし震災の被災地や応援したい地域に直接貢献できること、返礼品の楽しみもあります。フリーランスであれば確定申告も難しくありませんので、興味がある方には試して欲しい制度です。
ふるさと納税では寄付金控除を申告する
ふるさと納税をした場合、自治体より寄附金受領証明書が送られてきます。これは控除を受ける際に必要な書類のため大切に保管し、確定申告の際に提出しましょう。
もちろん確定申告では寄附金控除として書類に記入することを忘れないでください。
控除の上限額は住民税の20%が目安
ふるさと納税による寄付金控除の上限額は住んでいる地域や収入によって異なります。目安としては住民税額の20%程度です。
実際の節税効果は?
さまざまな節税方法を説明しましたが、実際にはどのくらいの効果があるのでしょうか?
ご紹介した中の小規模企業共済の場合、課税所得金額200万円のフリーランスが毎月1万円を掛けた場合は20,700円、毎月3万円を掛けた場合は56,900円の節税になるそうです。
これはなかなか大きな節税だと言えそうです。
節税は一石二鳥です!
この記事ではフリーランスの節税についてお伝えしました。節税は法律で認められた特典を利用して税金を安くする方法ですが、将来への備えをしながら税金を安くしたり、減価償却資産の購入による納税負担を減らしたりするなど、単に税金を安くするにはとどまらず、私たちの生活を豊かにし、事業の加速をあと押ししてくれるものです。
皆さんにぴったりな節税方法は見つかりましたか?これを機に簿記を勉強して青色申告にチャレンジする、小規模企業共済に加入して将来への備えや人生設計を考えるなど、節税+αのメリットも享受して頂けるとうれしいです!
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