みなさんは「編集」という仕事をどの程度ご存知でしょうか?筆者は元システムエンジニアでありながら、現在はIT関連の仕事に加えてライターやメディア編集部の仕事も在宅で請け負っています。
デザイナーやエンジニアという仕事は一見、雑誌やメディア編集とは無関係のように見えます。しかし編集の仕事と共通する部分も多く、メディア運営に興味のある方は編集の仕事、特に企画やディレクションの仕事もチャンスがあればチャレンジしてはいかがでしょうか。
この記事では編集の仕事に焦点を当て、仕事の上ではどんなスキルが必要か、大切な要素は何か、デザイナーやエンジニアが編集の仕事をするならどんな立ち回りが考えられるのかなどをお伝えします。ぜひお読みください。
エンジニア領域でも盛んなディレクションという仕事
編集の仕事は主に、雑誌やメディアに掲載する記事の企画、取材や執筆の進行管理、品質管理などを行います。もちろん編集者自身が取材や執筆を行うこともあります。
つまり編集の仕事とはライターやデザイナーの工程・人員管理であり、エンジニアの世界に例えるとプロジェクトリーダー、マネージャーといった仕事に近いものです。
意外と多いディレクション案件
エンジニアの世界でもこのような工程管理の案件はディレクションという形で求人が出されることがあり、上級SEやステップアップのキャリアとして受注するフリーランスもいます。
アプリケーション開発のディレクター、ECサイト開発ディレクターといった職種は頻繁に募集がかけられており、管理色の強い仕事のため報酬も比較的高い傾向があります。
編集の仕事とエンジニア。一見まったく関係のない仕事に見えますが共通する部分が多いのは意外ではないでしょうか?
編集・ディレクションの仕事
編集の仕事は大きく分けると次の4つです。
・企画
・工程管理(ライターデザイナーなど外注管理)
・品質管理
・環境整備
企画をシステム企画、工程管理をプロジェクト管理、環境整備を開発環境整備に置き換えると、エンジニアの仕事にそのままあてはまります。筆者はメディアの編集部員の仕事もしていますが、エンジニア時代の経験がかなり役立っていますよ。
企画〜どんな記事を作るのか・どうやってSEO的に攻めるか
企画はどんな記事を作るのか考える仕事です。単行本の編集者であれば本の表紙やタイトルも考えますし、雑誌編集者であれば目玉企画から連載まで売れる雑誌を作るために日夜企画を考えています。
webメディアの場合はメディアの方向性とともにSEO対策も重要な仕事です。
工程管理〜どんな仕事もここが大変
エンジニアやデザイナーであれば工程管理の重要性は熟知されていると思います。
編集の仕事でも入稿日や校了予定日間際は多忙を極めます。
品質管理〜ライティングやデザインの品質を保つ
編集の仕事はwebメディアの記事や雑誌が成果物です。この品質を一定以上に保ち、さらにブラッシュアップするのが編集者としての腕の見せ所です。
システムエンジニアであれば、精度が高くわかりやすい設計書作りやプロジェクトのムード、一体性を高めるなどコーチングに近い仕事があります。編集の仕事も同じく、ライターやデザイナーが能力を発揮して素晴らしい成果物が納品できるようにバックアップします。
環境整備〜ドキュメントやマニュアル作りも重要な仕事
これもエンジニアの仕事に似ていますが、各種ドキュメントやマニュアル作りも編集の仕事で行います。特にwebメディアの場合は大勢のライターに執筆をしてもらうこともあるため、マニュアルやドキュメントをしっかり作ることが大切です。
エンジニアの世界でも大きなプロジェクトではマニュアルやコミュニケーションツールに気を使いますよね。
編集の仕事に必要なスキル
コミュニケーションスキル
編集の仕事は上で書いたように、ライターやデザイナーとのやりとりが頻繁に発生します。そのためコミュニケーションスキルはとても大切です。
特に最近は在宅のライターやデザイナーが増えており、チャットワークなどテキストコミュニケーションが盛んなため気持ちのすれ違いやうまく意図を伝えられないとささいなことでも仕事の上で障害になることがあります。
SEOのスキル
この記事をお読みの皆さんはご自身の営業ツールとしてブログやホームページを活用されているでしょうか?筆者もホームページを持っていますが、SEO対策をまったく施さないホームページはネットの海の中に埋もれてしまい、誰にも見つけてもらえませんよね。
メディアは読んでもらうことを目的としているため、SEOの知識は最重要スキルのひとつです。編集の仕事では例えば、ライターが書いた記事をSEO的に有利にするために校正指示を出す、あるいはSEO的に有利になる構成・見出しを考えてライターに発注するなどたくさんの仕事があります。
とがった専門知識
雑誌、本、webメディア、いずれも媒体としての色や個性を持っています。
例えばITや自動車など専門分野に特化したメディアやビジネスパーソンのライフスタイルやキャリアなどさまざまなものが考えられますよね。
編集者として媒体に携わる以上、そのメディアの個性に沿った知識や経験は必須です。特にフリーランスとして編集の仕事に携わるのであれば、とがった専門知識や経験はとても重要です。
トレンドを追いつつ、新しい知識や経験を読者に提供できる知見のために編集者は常に勉強しています。
デザイナーやエンジニアは仕事の経験そのものが強みになる
とがった専門知識というと特別な知識に聞こえるかもしれません。しかしデザイナーやエンジニアはその専門分野に長けているはずですから、ご自身の趣味や嗜好も含めて考えると何か人より優れていることや詳しい分野があるはずです。知見の深い分野を持っていることは編集者としての強みですので、メディアに興味があるデザイナーやエンジニアは編集の仕事にも目を向けてみてはどうでしょうか。
編集の仕事でとても大切なこと
編集の仕事について説明しましたが、加えて仕事を続けていく上で大切なことをお伝えします。
素早いレスポンスが工程管理のキモです
素早いレスポンスは工程管理の上でとても大切なことです。特に在宅ワークであればチャットワークやSkypeのメッセージが主な連絡手段になるため、レスポンスの待ち時間が発生するとライターやデザイナー、他の編集者に負担をかけることになります。
この負担は仕事へのモチベーション低下を招き、納期の遅れや品質低下に繋がりかねません。
よって編集者としての責務、つまり期限内に一定以上の品質のものを仕上げることのためには素早いレスポンスやこまめな連絡は重要です。
モチベーションを高める技術を身につける
いわゆるコーチングに関連する内容ですが、優秀な編集者は他の人員のモチベーションを高めるスキルに長けています。連絡が少ないライターに近況伺いを立てる、修正指示と褒めることをセットにする、個人的な雑談に応じて信頼関係を築くなど編集者それぞれが独自の工夫をしています。
いちばんやってはいけないのは、きちんとした理由を説明せず修正事項だけを伝えること。特にデザイナーの方はこんな経験がありませんか?
在宅でもできる編集やディレクションの仕事
この記事では編集という仕事に焦点を当て、エンジニアやデザイナーの仕事と対比させながらその詳細を説明しました。編集の仕事はメディアや編集部内の担当分野によってさまざまですが、この記事に書いてあることは概ねどんな領域にも当てはまるでしょう。
エンジニア・デザイナー・編集者。領域は違いますがモノ作りという点ではとても似ていて、他の人と関わりつつベストを目指す点は同じです。
みなさんは今のキャリアをどんな方向に拡げていきたいですか?エンジニアやデザイナーの経験を生かして、在宅でwebメディアの編集にチャレンジする道は意外だったでしょうか。広い視野で成長を続けていきましょう!
参照:フリーランスに転職して成功するポイントを解説した記事はこちら
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