新卒1年目のエンジニアにお薦めしたい本3冊を紹介するリレー取材第2弾。
今回は、大学4年生で研究をした際に本格的にプログラミングをはじめたという鈴木 健太(すずき けんた)、歴5年目のエンジニアがお薦めする3冊をご紹介します。
新卒だからこそ読んでおきたい本をご紹介しますので、新卒エンジニアの方はぜひ読んでみてください。
コードを書く上で大切な実践的なテクニックや心構えの本
「リーダブルコード」
─ この本を読んだきっかけを教えてください
インターネット上で、優秀なエンジニアの方が紹介していたので興味を持ちました。
─ いつ頃どの位期間を掛けて読んだのですか?
転職をする前なので、2015年頃だったと思います。1週間くらい時間をかけて読みました。
─ 読書時間って決めているのですか?
習慣的にというよりは、3ヶ月に一度、2~3冊程度を読むことが多いです。特に決めていなくて、定期的に「本を読みたい欲」があがってくるタイミングがあるんです。(笑)
─ この本はどんな本ですか?
単にコードを書くだけではなく、わかりやすくそしてメンテナンス性の高いコードを書くために、気を付けたいことなどが書かれています。実践的なテクニックや心構えが中心で、例えば「どんな名前付けをした方が良いか」ということ等を紹介しています。
─ 読んで良かった所や参考になった所を教えてください
個人で開発をしている場合には、「動作すればいい」という所があると思います。けれども、チーム単位で開発をする場合には、それだけではいけませんよね。「触って生きるコードにしていくこと」に価値があるので役に立ちました。
─ どうしてこの本を新卒1年目のエンジニアに薦めたいと思ったのですか?
新卒だと特に、みんなで触るというか、今後メンテナンスをしていかなくてはいけないコードを書くことがないと思います。プログラミングをする前にこの本を読んで、学んでおくと良いと思うのです。実際にコードを書く前に、1回は目を通しておくべき本といえます。
オブジェクト指向設計を学べる
「オブジェクト指向設計実践ガイド」
─ この本を読んだきっかけを教えてください
有名なプログラマーの方が、紹介していたので興味を持ちました。Webの記事で、ある設計手法の解説をしている中で「僕が言いたいのはこの本を読めっていうことだ」というような記述があったんです。
─ いつ頃読んだのですか?
クラウドワークスでは開発にRubyを使用しており、Ruby自体には2015年から触れていたのですが、本書を読んだのは2016年頃です。
─ Rubyについての技術書なのですか?
Rubyでサンプルコードが掛かれていますが、オブジェクト指向設計を実践的に学ぶことができる本です。Rubyを全く知らない方が読むのは厳しいかもしれませんね。Rubyを学ぶには不適切で、Rubyや何かしらのオブジェクト指向的なプログラミング言語を知っている方が読むと学びが大きいと思います。
─ 読んで良かった所や参考になった所を教えてください
オブジェクト指向の使い方の本は多数あって、解説や手法は良く色んなモノに書いてあります。けれども、実践的な解説を具体例をあげて解説している本はあまりないのです。ライブラリやフレームワークの情報はフォーラムで拾うことができます。けれども、基本的な設計手法はそれ自体が語られることが少ないのです。
─ どんな分野の新卒エンジニアにお薦めですか?
Webの会社でRubyを使っている人は、オブジェクト指向設計を理解できるので読むと良いと思います。人の学び方にもよりますが、いきなりこれを読んで動いているコードをみてもよくわからないと思います。構造を知った上で、本当にいい設計を考えるタイミングで読むと、得るものが大きい本です。
ソフトウェアの開発者としてどう生きていくかを学べる本
「SOFT SKILLS」
─ 何がきっかけで本書を読んだのですか?
有名なエンジニアの方が、「ソフトウェアに関わる人が読むと開発者としてどういう人生を送っていきたいか、キャリアを積むうえで参考になる」と紹介をしていたのがきっかけです。
─ いつ頃どの位時間を掛けて読んだのですか?
買ったのは2017年で、電車の中で片道20~30分位の時間をかけて、約1ヶ月で読了しました。
─ どんな本ですか?
技術書ではなくて、プログラマーとして、キャリアを伸ばしていくためにどんなことを考えたらいいかを紹介した本です。例えば、学習法や生産性をあげる方法、株や投資信託に身体や心の健康など、「ソフトウェアの開発者としてどう生きていくか」という人生マニュアルのような本です。
─ 参考になった所を教えてください
自分の場合は特に「キャリア」の項目が参考になりました。キャリアについて考えるきっかけになった本といえます。クラウドワークスでは、上から提示されるよりは「自分がどうしたいか」と聞かれることが多くあります。それを聞かれた時に、キャリアについて考えるようになって、この本が役に立ちました。
─ どうして新卒1年目のエンジニアにお薦めしようと思ったのか聞かせてください
先ほどご紹介した「キャリア」の箇所でいうと、新卒の時からの積み重ねが大きい部分だと思いました。技術的なコミュニティで有名になりたい・伸ばしていきたいと思った時に、この項目に書かれていることを知っているか、知らないで漫然と過ごすかで結構違いがあると思います。
それと、「生産性」の項目も良かったですね。ビジネス書としても活用できる本だと思います。
入社前に読んでもピンとこないと思うので、ある程度一通りのことができるようになって、自分でキャリアを考えるタイミングで読むと学びが大きい本です。新人研修が終わった後の実務に入った頃にぜひ読んで欲しいです。
誰かが要約した内容ではなく一次情報にあたることが大切!
─ どうしてこの3冊を選んだのですか?
新卒の時読んでおくと学びが大きい基本的な内容をおさえた本を紹介したいと思いました。最新の技術はキャッチアップしておけばいいけど、新卒時は基礎部分、自分のベースになる所の知識を蓄えておくといいと思います。
─ 新卒のエンジニアの皆さんにアドバイスをお願いします
新卒の時はわからないことだらけだと思うので、読んでもぼんやりとしか掴めないことが多いと思うのですが、わからないなりに読み進めておくと、次に触れたときに内容が繋がると思います。
そういう意味では、本は手元にあった方が良いですね。
インターネットの記事はさわりだけだったり、誰かが読んだ感想だったりするので、自分で一次情報にあたっていくことが大切だと思います。
そういえばエンジニアのコミュニティに関する話なのですが、外国のコミュニティはそこに言語などを作った人がいて、実際にその人が回答を寄せていたりするので、外国のコミュニティを当たった方が確実だし早いことは珍しくありません。
今回ご紹介した、「オブジェクト指向設計実践ガイド ~Rubyでわかる 進化しつづける柔軟なアプリケーションの育て方」は、2016年に日本語版が出版されていますが、海外版はその半年位前に出版されているのです。
そういう意味では、最新情報のキャッチアップは海外の一次情報を吸収できるとより強いですよね。書籍に関していえば、英語版を読めることで「選択肢が広がる」のが良いと思います。日本語訳されていないけれども、面白い本を読むことができるので、ぜひ日本語だけではなく外国語で書かれた本にも触れてみてください。
2015年にお子さんが生まれて、技術書やビジネス書だけではなく絵本にも触れるようになったそうです。休みの日に寝かしつけをするために読んだ「もう ぬげない」という突拍子もない展開の絵本が面白かったと笑顔をみせてくれました。新卒時は、激務で本をゆっくりと読む時間もなかったそうですが、「読んでおきたい」3冊には、他のエンジニアも挙げる名著が並びました。
参照:「問題解決」のために読んでおきたいおすすめの本を紹介した記事はこちら
この記事の著者 by あおみ ゆうの 制作集団ことのは代表 ライター/ディレクター お酒と紅茶とブッフェと編み物と漫画が大好き クラウドワークス:あおみ ゆうの |
フリーランスになるために必要な知識やスキルアップの方法等、様々なお役立ち情報を発信していきます。
(リモートワーク案件に強いフリーランスエージェント「クラウドワークス テック」を運営)