株式会社LCL

技術開発本部
岡田麻里 さま
管理本部人事担当
浅香光 さま

深刻化するエンジニアの採用難
打開する鍵は「リモートワーク」だった?

今、IT業界全体に拡がる深刻なエンジニア不足。社員や「週5・常駐」でフルコミットできるフリーランスエンジニアを採用する難易度はますます上がっています。そこで注目されているのが、リモートワークを活用した働き方。実は、リモートワークを解禁し、「週5・常駐」を条件にしないフリーランスエンジニアの募集を行う企業が徐々に増えています。
今回は、今まさにリモートワークを推進中の企業として、月間300万人以上が利用する「バス比較なび」などのWebサービスを運営しているIT企業LCL様にインタビュー。リモートワークを推進するようになった理由や始めるにあたっての懸念、運用して得られたメリットなどを聞きました。

お話を伺った方:

技術開発本部 岡田麻里 さま

2015年入社。自らエンジニアとして働く一方、チームリーダーとしてエンジニアチームとデザイナー・企画メンバーの橋渡しなどにも幅広く携わる。

管理本部人事担当 浅香光 さま

2015年入社。人事総務担当としてエンジニアの採用活動を行う傍ら、社員が業務に集中できる環境作りをミッションとして社内ルールの策定などにも携わる。

きっかけは”大雪”?LCLがリモートワークを始めた理由とは?

現在のフリーランスエンジニアの稼働状況について教えてください。

浅香: エンジニア不足という事情もあり、2017年の10月からフリーランスエンジニアに参画してもらい、2019年2月現在で4名の方が稼働しています。また、弊社では雇用形態に関わらずエンジニアに限り、リモートワークを推進しており、フリーランスエンジニアの方も 「週5・常駐」はマストではありません。最初の2.3ヶ月間こそオフィスに通って働いてもらいますが、その期間は、仕事の進め方に慣れてもらったり、スキルや志向性を把握したりする期間として、そこでお互いの理解が進んだらリモートワークで稼働してもよいことにしています。基本的には、フリーランスエンジニアの方はコードを書くことが好きな方が多いので、集中できる環境をできる限り整えようと思っています。

岡田:  私自身もリモートワークを利用していますが、エンジニアの特性上チャットツールでやり取りが完結することが多いんですよね。特に弊社の場合は、案件の細やかな進捗や社内の出来事など、ささいな情報もチャット上にログを残して全員に同じ情報が行き届くようにしています。出社していなくても、オフラインでのコミュニケーションがないからと言って困ったことはありません。

「週5・常駐」にとらわれず、リモートワークに取り組もうと思った背景にはどのようなことがあったのでしょうか?

浅香: そもそもリモートワークの必要性を感じるようになったきっかけは、数年前に都内に降った雪でした。社員の中には、特に大雪が積もった地域に住んでいたため出社できず、やむを得ず休みを取った者もいました。でも、よく考えたら身体は健康で、インターネット環境があれば仕事ができる状況。それなのに、「リモートワークを許可していない」というだけで仕事がストップしてしまうって無駄だなと思ったんです。 それに、そのときは雪でしたが、それ以上の災害がいつ起きてもおかしくありません。交通網が麻痺するなどして出社ができない状況になっても、企業活動は続けなければなりませんよね。そのことを考えると、リモートワークに慣れることは、もしものときの備えにもなる。実際、以前いた会社で東日本大震災のときには、1週間以上リモートワークで働くことになりましたが、社員の中には急にリモートワークを行うことになって戸惑っていた者もいました。リモートワークには、一種の「防災訓練」としての意味合いもあるんですよね。

セキュリティ面での葛藤を乗り越えることで得られるメリットとは?

いざ、リモートワークを始めるに当たっての懸念はありましたか?

浅香: やはりセキュリティのことを考えると少し葛藤はありました。管理側の視点だと、リスクを限りなく0にしたい。だから、オフィスに「いない」よりは、「いる」方がリスクは減らせると考えて、ついつい「常駐」をベースにしてしまいがち。でも、そのようにガチガチに制限し続けることでエンジニアが働きやすくなるかといえば、むしろ逆 。セキュリティ対策も年々進化していますし、リモートワークに移行するまでの期間で築き上げてきた信頼関係もある。弊社では、ハードウェアへのロックをかけて、もしPCを紛失してしまっても遠隔で操作を無効化できるようにすることでリスクヘッジしています。「必要最低限のルールは守ってくださいね。その代わり、働く場所の自由を保障します」という約束事をつくれば、リスクを小さくしながらエンジニアが働きやすい環境を提供することができるんです。そう考えて、オフィスに「いない」ことによるわずかなリスクと、リモートワークで得られるエンジニアのパフォーマンスや上述した災害時の備えなどのメリットを天秤にかけたとき、後者の方に価値があると感じたんです。 

岡田: マネジメント側からすると、「オフィスにいない間もしっかり働いているか」という部分は確かに気になるかと思います。でも、エンジニアの場合は、良くも悪くもコードを見ればどれだけ働いていたかがわかってしまう(笑)。なので、遠隔でもパフォーマンスのチェックはできると思います。

リモートワークの運用を開始してから感じられたメリットはありますか?

岡田: 採用面でいい影響がありましたね。「リモートワーク可」という条件にしてから応募数も増えましたし、優秀なフリーランスエンジニアの方が参画してくれるようになりました。みなさんフリーランスとして数多くの現場で活動しているだけあって、自律的で、スキルや対応力も高い方ばかり。こちら側のニーズも汲み取った上で、今まで社内になかった知見も提供してくれるので、とても助かります。

最後に、LCL様が意識されている「働き方」についての心構えについて教えてください。

浅香: 世の中のルールは移り変わるものなので、意味のないポリシーは持たないようにしたいと思っています。何かに固執してしまうと、実はそれが古い考えで気づいたら人がついてこなくなってしまった、ということも起こりうるので。変化をゆるやかに受け入れながら、いろいろと試してみてダメだったら止めればいいし、上手くいったら続ければいい。そんなスタンスの方が自分たち自身が取り組んでいて楽しいのかなと思います。 

2019年2月時点のインタビューです。
COMPANY INFO
株式会社LCL
インターネットメディア事業
バス比較なび、格安移動、バスとりっぷ
フロントエンドエンジニア(JavaScript)、iOSエンジニア(Swift)など
SUMMARY
リスクは社内ルールの遵守と信頼関係でカバー
パフォーマンス向上、採用、災害の備えなどメリットはたくさん!
POINT1

確かにセキュリティ面でリスクは
生まれるが、仕組みと信頼関係で
カバーも可能に。

POINT2

採用面で優秀なフリーランス
エンジニアを採用しやすくなる。

POINT3

リモートワークは災害時、
物理的に出社できなくなった
場合の備えにもなる。

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