株式会社Incubation Code
フリーランス人事活用で、プロジェクトマネージャーの採用課題を解決 「専任者が一人いるだけでビジネスが加速する」
紹介人材:人事
TOPIC
メーカーの開発部門が抱える技術課題に対して、コンサルティングや研究開発支援サービスを提供するナインシグマ・ホールディングス株式会社。 同社が社内で開発し活用していたソフトウェアサービスを、新規事業としてリリースするにあたり、開発チームの立ち上げが必要になりました。 当初はフルタイムで働ける正社員を条件に採用活動を行うも、条件に合う人材は見つかりませんでした。しかし、稼働時間の条件を週3日以下に緩めることで、スキルを持った人材を確保でき、中には正社員に移行した人材もいるといいます。 本インタビューでは、同社が開発チームのメンバーを集めるにあたってフリーランスを活用するに至った背景や、実際にフリーランスを活用して感じたメリット、稼働時間が週3日以下のメンバーと働く際のマネジメントについて開発責任者の三浦 克浩(みうら・かつひろ)さまに聞きました。
三浦 克浩さま(以下三浦さま) 新規事業を立ち上げるにあたり、社内に開発チームを作ることになりました。新規事業はこれから会社を大きくしていくための柱になるので、チームメンバーは正社員を中心に採用しようという流れで話を進めていました。しかし実際に採用活動を始めてみると、なかなか条件に見合った人材に出会うことができなくて。
三浦さま
エンジニアとしてある程度の開発経験を持っていて、週5日正社員としてフルタイムで働ける人を探していました。社内体制的にも教育に時間を割ける状況ではなかったので、経験の少ない方は書類の段階で見送っていました。
それに加えて、コーディングテストなどを行って技術力を確かめたとしても、実際プロジェクトに入ってみると思ったように動いてくれないといったことも起こり得ます。採用したものの会社やチームにフィットしなかったという場合を考えると、双方にリスクがあるため採用に踏み切れなかった面もあると思います。
三浦さま シンプルに「フルタイムの正社員だと希望の人材が見つからない」ということがわかったからです。そうなると選択肢は「経験は少ないけど週5フルタイムで働ける人」か「週3日以下だけどスキルのある人」のどちらかです。先ほどお話ししたように、当時は教育体制が整っていなかったので後者がいいだろうということになり、フリーランスのエンジニアを活用することにしました。
三浦さま そうですね。2020年の2月頃に相談して、4月にはもうジョインしていました。その方には今(2022年8月現在)も継続的に稼働していただいているので、2年以上になります。クラウドワークスエージェントさんには厳しめの条件を提示して、書類段階でお見送りの方も少なくありませんでした。しかし今の方のように条件に見合う人を紹介してもらえてとても助かりました。
三浦さま
弊社と求職者側双方の期待値を上手く調整してもらえたことです。
例えばフリーランスと一口に言っても「副業なのでフリーランスとして働きたい」という人もいれば「まずはフリーランスとして働き、環境がマッチしたら正社員になりたい」という人もいます。
このような求職者側の求めている部分をあらかじめ知ることができ、またこちらが求めている条件を求職者の人たちに伝えていただけていたので、ミスマッチを防げたのだと思います。
三浦さま
これまでは、週5日フルタイムで働くことを前提にしたタスク管理やスケジュール管理方法でした。そのため、働く日数が週1日から週5日というメンバーが混在するとなると上手くいかないだろうなと思っていました。
そこで、ポピュラーな開発方法からチケット管理(作業を分割しチケットに割り当てて管理する方法)をベースにした開発方法に切り替えました。
三浦さま
稼働できる時間がみんなバラバラなので、定例ミーティングのような同期コミュニケーションよりも、チャットなどの非同期コミュニケーションを重視するようにしました。
もちろんみんなで集まってディスカッションするのも大事なのは分かっていますが、これからはそれに頼ってしまうと難しくなるのだろうなと思っていたので。
このプロジェクトがちょうどコロナでリモートワークに切り替わった時期に始まったので、働き方の課題に向き合わざるを得なかったというのもあると思います。
気をつけている点としては、当たり前ではありますが「フリーランスの人たちはそれぞれ理由があってフリーランスをやっている」ということを理解することです。それぞれが働きやすい働き方を尊重することで、結果的に長く気持ちよく働いてもらえるのではないでしょうか。
三浦さま
基本的には、優先度と工数が記載されたチケットを手の空いた人が進められるようにしています。例えば週5日稼働の人には納期2週間で工数のかかるタスクに取り組んでもらい、週3日稼働の人には納期1カ月のタスク、週1日稼働の人にはもっとスケジュールに余裕のあるタスクに取り組んでもらうようなイメージです。
この仕組みを実現するために、通常のタスク分割よりさらに細かく分割して管理しています。具体的な例を挙げると、1つのウェブページを作る場合、1ページを1つのタスクとするのではなく、ページのヘッダーやフッター部分をそれぞれ1つのタスクとしてコーディングするイメージです。このように分割することで、どのメンバーも迷うことなく効率的に作業に取り掛かることができます。
三浦さま
まずは現在のように、週3日以下の稼働でもいいのでスキルを持ったフリーランスのエンジニアを活用して、組織を大きくしていければと考えています。
その後余裕が出てきたら、社内に教育体制を整えて、スキルは初級でも週5日フルで働いてくれるようなエンジニアを採用していきたいです。
新卒に近い状態で入社してもらった方が、カルチャーにフィットしやすいというメリットもあると思っています。
条件をフリーランスまで広げたら、
ハイスキルな人材を確保できた
タスク管理やマネジメントを工夫すれば、
雇用形態や稼働日数が異なるメンバーのチームでも
効率的に仕事を進められる