ベストなタイミングとは?法人化するメリット・デメリット

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フリーランスとして活躍し事業が軌道に乗って来たとき、誰もが一度は「法人化すべきか個人事業主のままでいくか」ということについて迷うのではないでしょうか。法人化するか否かについてはメリット・デメリットがあり、その人個々のおかれた状況によって今フリーランスをやめ法人成りをすることが望ましい人と、このまま個人事業主として第一線で活躍し続ける方がよい人がいます。また同じ人でもタイミングによっては、その恩恵が小さくなってしまう可能性もあります。

法人と個人事業主の大きな違いをふまえ、法人化するとしたらいつなのか、自分自身にはどちらが合っているのかを考えてみましょう。

 

法人化のメリットとは

法人化のメリットは大きく分けて3つあります。

  • 税金面での優遇
  • 法人という信頼の確保
  • 法人でなければ受けられないサービスへの加入

では具体的にひとつひとつ見てみましょう。

【税金面での優遇】
法人化することで一番感じられるメリットは「税金面での優遇」です。そもそもフリーランスとして活動していると納めなければならない、「所得税」額は累進課税(稼いでいる人から多く徴収する)で決まります。もちろん個人でも様々な経費が認められますので、総年商が上がったからといっても納税額の急増に繋がるとは限りません。とはいえ、エンジニアやWEBデザイナーといった業種の場合、経費は他の業種ほど多くなく、契約金が多くなれば納税額も上昇しやすくなります。このため一定額以上稼げるようになったら法人化を検討する人が多いのです。

ではなぜ一定額以上稼ぐ人は税金が安くなるのでしょうか。法人の場合、所得税ではなく法人税を支払うことになりますが、事業を続けていくために必要な経費などに関しては、税金が考慮されます。入ってきた金額全てを基準とする所得税と比較すると、高額の報酬があっても法人の方がメリットを感じられるといわれています。


【信頼の確保】

最近ではフリーランス人口も増えているので、昔ほどは聞かなくなりましたが、それでも「フリーランスとは契約したくない」といった企業があるのは事実です。フリーランスは本来の業務を失っても再度就業することが可能であるとみなされるケースが多く、納期などに関しても緩い人が多いというイメージを持たれがちです。しかし、法人成りした場合は信頼を一度落としてしまえば後の業務にも繋がるため、しっかりとした業務を行ってもらえると判断されやすいことに起因します。もちろんこれはクライアント側から持たれやすいイメージですので、しっかり仕事をしていれば、それほど重要な事ではない一面でもあります。


【法人でしか受けられないサービスへの加入】

1人でも従業員を雇うことが想定されるなら個人同士でパートナー契約するよりも法人として雇用した方がいいケースもあります。健康保険組合などに加盟ができる、福利厚生を充実させることができる、法人でしか参加することができない同業者組合へ参加することができるなど、様々なメリットが考えられます。とはいえ経費も当然増えますので、どちらがいいかは十分に吟味する必要があります。

 

どのくらいの年商で法人化する?

税金面での優遇を検討する時、どのくらいの収入があれば法人化することを検討した方がよいのでしょうか。もちろんその人の業種や置かれている状況などにより異なりますので、十分なシミュレーションが必要ですが600万以上という水準が一般的なようです。簡単に計算してみると、

所得600万円、資本金1億円以下で法人化を考える場合

法人税の場合:資本金1億以下、所得800万円以下の場合、税率は19%
→600万円×19%=114万円

所得税の場合:330万より多く695万以下の場合、税率20%、控除額427,500円
→(600万円×20%)‐427,500=772,500円

 

となります。上記の計算ではまだ所得税の方が安くなっていますが、法人化すれば生命保険料や退職金、その他、一部しか計上できなかったものが経費として認められることがあります。特に1000万円以上の総収入が合った場合は、加えて消費税の課税も開始されますので、上記のように600万円以上の年商がある場合には、法人化を考えるといいでしょう。

 

法人化することのデメリットとは

法人化することのメリットと特徴を述べてきましたが、もちろんデメリットも複数隠されています。

1) 有限会社だと知名度としては弱い
企業としての信頼を確保したいために法人化するのであれば、株式会社以外はあまり影響がないと感じるクライアントが多いのも実状です。これには会社立ち上げにかかる準備をどのくらい行えるかという点をみられているという見方もあります。

2) 法人だから課せられる「法人税」の罠
先ほど「所得税より法人税の方がお得になるケースがある」ということをお伝えしましたが、その逆に法人税の方が損をすることもあります。それは「赤字決算のとき」です。個人事業主であれば、赤字の際は税金が軽減または非課税になることがありますが、法人税ではまたく収入のない赤字であっても7万円の均等割を負担する必要があります。

3) 経費が増える?社会保険料支払いなどの会社負担
会社で誰かを雇用すると、個人事業主の時にはかからなかった費用が思いのほかかかることがあります。たとえば法人として常時雇用した人の雇用保険などは、会社の経費には換算されるものの、1人で仕事をしている際には必要のなかった経費です。また、社会保険料についても会社負担分が発生します。このように経費をカバーしても赤字にならないのであれば、法人化するメリットがあるといえます。

また、売上額や経費が複雑になればなるほど、どうしても経理や諸手続きを1人でこなすことが困難になります。その際の税理士、行政書士などの顧問料も決して安いものではありません。

4)報酬額の算出方法が違う
極端な例ではありますが、個人事業主であれば総収入から経費や税金分を差し引いた金額を全て使ってしまっても問題ありません(おそらく翌年の事業には大変苦労をするでしょうが・・・)
しかし役員報酬となると話は変わってきます。役員報酬は一期間に受領できる報酬の額を年度初めに決める必要があり、どんなに儲かったとしてもその額を変更できるのは翌年度からになります。逆を言えば、どんなに赤字だったとしても簡単には報酬額を変更できず、そのため思わぬ税金を支払わなければならなくなった、というケースもあります。

 

目先の損得だけで考えず、長期的に自分に見合った決断を

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上記で比較したことを元に様々なシミュレーションを綿密に行い、法人化に向けて準備をすべきかを考えることがベターです。呼称が「代表」なのか「社長」なのかによってもずいぶんイメージが違いますが、イメージ先行で法人成りした場合、万が一廃業することになり、いちフリーランスからはじめたいと思っても一筋縄ではいきません。

一方、会社を創るということは大変ですが、それだけにやりがいもあります。商工会議所などで相談をすると、自分が法人として活動できるかの試算に対し助言をしてくれますので、1人で判断に迷ったら、ぜひ窓口を訪れてみてください。

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