ギャラ交渉はフリーランスの特権!Win – Winのギャラ交渉とは?

フリーランス基礎知識 報酬・単価

やったことある?値上げや値下げのギャラ交渉

引用元:写真AC

フリーランスにとって、どのようなときも真っ先に気になるのは報酬(ギャラ)の金額です。見積もり金額の悩みについては、『採用率アップ!どんな依頼にも“負けない”見積りを作る秘訣とは?』、また単価については『自分の価値は自分で決める!フリーランス単価相場と単価アップ交渉の秘訣』でも詳しく紹介していますが、この記事では「ギャラ交渉」についてフォーカスしてみたいと思います。

そもそもフリーランスとは、自分が提供するサービスや納品物の値段を自分で決められる立場にあります。一方でクライアントの望む金額というものもあり、お互いに折り合いをつけながら、最終的に両者が同意にいたった金額で契約が行われます。発注者・受注者双方の事情が大きく変わることもしばしば、仕事の継続途中で経済情勢の変化するなんてことも考えられます。そのため、フリーランスは常にギャラアップの要求と、クライアントからの値下げ交渉の中でバランスをとらなければなりません。

フリーランスとクライアントは両者対等のビジネスパートナーなので、ギャラ交渉は当然の権利です。もしクライアントから提示される金額が絶対で、不満があっても鵜呑みにするしかないのであれば将来的に良好な関係を築くのは難しいでしょう。

一方で、お金の話をするのは勇気のいることで、特に一人でビジネスを行っているフリーランスが企業相手にギャラ交渉するのは難しいと思っている人も多いはずです。話の持って行き方次第では、仕事を失うことだってあるかもしれません。では、「win – win」の関係でお互いにハッピーなギャラ交渉はどのように行うのが良いのでしょうか。いくつかの事例で検証してみましょう。

 

単価の低い継続案件はギャラアップ可能?

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<事例>

ライターのAさんがクラウドソーシングで仕事を始めたときは、文字単価が0.5円程度の案件がほとんどでした。しかし仕事を続けるうちに、丁寧なライティングと修正の少ない点が評価されるようになり、文字単価2円や、時には5円といった案件も任されるようになってきました。その中でAさんは数ヵ月前から継続しているコラムがあります。文字単価は1.5円ですが、Aさん自身が書きたい内容で思い入れがあるため執筆を続けてきました。しかしコラムの仕事だけでは月収が低いため、他に文字単価の高い案件を並行して受けなければいけません。時には締め切りが重なって徹夜するなど体調面にも問題が出てきたことから、Aさんはコラムを納品しているクライアントに「続けたいけれど経済的に厳しいので、次回から辞めさせてもらいたい」と申し出ます。

<交渉>

  • Aさんの他にもライターはいるが、Aさんほど高い品質の文章を書く人はいない場合
    クライアントはAさんの文章を高く評価しており、ほぼ無修正で修正コストもかかっていないことから、単価を上げてでも継続してもらう方が会社のためになると判断。特例でAさんの報酬だけアップして、この案件に集中してもらえる環境を提案しました。
  • Aさんと同じぐらい書けるライターが他にもいる場合
    Aさんの原稿レベルは問題ないものの、同程度のクオリティーで書けるライターは他にもいます。そのためクライアントはAさんの辞退を受理し、他のライターが代わりを務めることになりました。Aさんは単価を上げてくれたら継続もできる、というニュアンスでギャラ交渉もしかけましたが、クライアントは他のライターと一律の単価なので無理だと回答しました。

<考察>

値上げ交渉をしても、他にも同じレベルのライターがいる限りAさんだけ単価アップされることは通常ありません。とは言いつつ、自分がどのような評価を受けているのか、自分以外のワーカーがどのような評価を受けているのかなど、上記のようにクライアントの状況を明確に知るということは難しいでしょう。

そのために、まずはクライアントとの密なやり取りをする中で、自分が今関わっている案件がどのような規模感で動いているのか、どれくらいのクオリティが求められているのか、記事リリース頻度はどのくらいなのか、などに注目してみましょう。自分が担当している記事数とリリース頻度を照らし合わせれば、案件に関わっているおおよそのライターの数が分かりますし、また、別のライターが書いた記事を読めば、自分の書いた記事の相対的評価を測ることもできます。

例えば、

  • 1文字0.4円
  • 500文字
  • 月30本、サイト全体で月300本
  • たくさんのライターさんに執筆いただいている

という案件。この場合、企業が求めているのはクオリティよりも量、面白い記事よりも無難で丁寧な記事ということが分かります。このような記事量産型、多数契約型の案件では、ギャラを上げることは難しいため、多少クオリティを下げてでも一記事に書ける時間を短縮し、一記事でも多く納品するという形で報酬アップを狙う他ありません。このような案件で求められるのは、いかに早く、間違いのない(無難な・コピペなどの違反がない)記事を書くことができるかなので、単価アップには応じてくれなくても、本数アップには応じてくれる可能性が高いです。とにかく書くスピードが早いという人にはおすすめですが、継続が困難ならば「切る」ことも考えなければなりません。

また、

  • 1文字1,5円
  • 2500文字
  • 月10本、サイト全体で月30本
  • 継続あり

という案件。この場合、企業が求めているのは量より質、一記事一記事の内容がしっかりとしており読み応えがあるものであることがわかります。このような案件で「単価を上げてでもあなたに記事を任せたい」と思ってもらえるためには、やはり質のいい記事を書くしかありませんが、その上で、自分がどの程度求められているのかを見極めなければなりません。

企業が作るこのようなコンテンツや記事の効果は、記事の品質(文字数)だけではなくリリース頻度(リリースタイミング)にもあります。上のような大量発注系の記事であれば、コストに見合うライターを見つけるのは容易ですが、このように求めるクオリティ以上のスキルを持ち、ある程度の記事数をこなしてくれるライターを探すのは困難を極めます。力のあるライター、求めている色に合った記事を書けるライターを探すのには時間もコストも掛かるため、企業はできるだけ力のあるライターを見つけた際には囲っておきたいという状況があるのは確かです。

さらに、企業はそのようなコストをできるだけ軽減するために、修正依頼をかける手間暇(修正コスト)を含めて価格を設定している場合が多く、上記のような記事を作る場合、

発注費(1.5円×2,500字=3750円)+手直しコスト(?時間)=一記事に掛かるコスト

というような概算のもと予算を考えます。ライターから挙がってきた記事に修正依頼や自らによる手直しで2時間掛かったとすれば、仮に担当者の時間単価が1,000円だとしても一記事作るのに5,750円掛かることになります。この一記事に掛かる全体のコストを抑えつつクオリティの高い記事を作るのが企業の目的となりますので、できるだけ手直しコストの掛からないライターを見つけたいはずです。

仮に、ほぼ修正なし、手直しなしでリリースされる記事があれば、一記事3,750円で同じクオリティの記事をリリースすることができることになり、上記の2,000円を浮かすことができます。この2,000円こそが価格アップの交渉をできる余地となるのです。この2,000円をどのように使うかは企業の自由ですが、ライターが少ないという状況で力のあるAさんが仕事を下りるとなれば、企業も価格アップに応じざるを得ないでしょう。

このように、ギャラや単価というものは、しっかりと論理立てて決まっていることが多く、決して感覚で決まるものではありません。自分とクライアントの状況を把握することができ、適切な交渉を行えば、どちらかが不満を抱えるということなく、ギャラ交渉をスムーズに成立させることは十分に可能なのです。

 

クライアントからの値下げ依頼にどう立ち向かうか

引用元:pixabay

<事例>

webデザインを手掛けているBさんは、クライアントのHP保守管理を月額15,000円で引き受けています。ところがコスト削減を図りたいクライアントから、保守管理費用を13,000円程度に値下げできないかと相談されました。値下げできない場合は自社で管理をする方法も検討しているようです。

<交渉>

  • 同じ値段で継続したい場合
    HPのページビューはBさんがメンテナンスをするようになってから着実に増えていて、検索でも上位に来ている、という「成果」も見せつつ、クオリティーを保つために、なぜこの値段が必用なのかをBさんは説明しました。作業にかかる労力を減らし、値下げする道を考えられないわけではありませんが、HPの品質が下がると結果的にクライアントの損失になる点を強調。Bさんの話に納得し、自社管理するのは難しいと判断したクライアントは値下げ交渉を撤回し、これまで通りの値段で継続することを決めました。
  • クライアントの要望を聞く場合
    Bさんはクライアントとの関係を今後も良好に保ちたいと希望し、値下げすることに合意しました。しかしクライアントの言いなりになる姿勢を見せると、今後も値引きや無茶な要求をされる恐れがあるため、値下げにあたって条件を提示することにしました。具体的には、値下げする分、これまで月に1,000文字まで差し替えていたテキストを800文字までとする、画像の差し替えは月5枚から3枚にする、といった点などで作業にかかる労力を減らしました。この提案によってクライアントもBさんも適正価格だと感じることができました。

<考察>

特にweb制作の現場では、クライアントと「適正な価格」について認識のずれが生じやすく、後から値下げできないか相談されることもあります。業務内容が専門的になればなるほど、クライアント側が何にどれくらいの労力が掛かるのかを理解していないことが多く、詳細な業務内容を把握せずに「予算の都合でこれくらい値下げして」という感覚的な値下げ交渉が行われることがあります。不当な値下げ要求が行われないよう契約段階でしっかり取り決めておくことは必要ですし、安易に報酬を下げない姿勢も大事です。しかし、今後もお付き合いを続けていきたいクライアントなら、相手の希望どおりの価格にできる余地はないか検討してみる必要もあるでしょう。

たとえば納期に融通を利かせてもらったり修正作業などの工程を減らしたり、値下げに見合う条件を付ければ報酬が下がっても「win-win」の関係でいられます。しかし最初から「値下げありき」の態度で、何かあるたび価格交渉してくるようなクライアントは要注意です。交渉にかかる手間暇も極力減らしたいので、話がすれ違うようなクライアントなら「切る」ことを考えても良いでしょう。

 

消費税や手数料アップもギャラ交渉を検討するとき

引用元:写真AC

<事例>

野菜ソムリエのCさんは料理教室の講師をしていて、1レッスン4,000円で教室を開いています。しかし消費税が8%になって以降、材料費や光熱費が高くなり、経費を差し引くと所得が減るようになってきました。さらに天候不順などで野菜の金額が高騰するリスクも増えています。そこで安定的にレッスンを続けるため、受講料を値上げすべきか、悩むようになりました。

<交渉>

  • レシピを見直してレッスン料は据え置きにする場合
    値上げすると生徒に逃げられてしまうのではないかと危惧し、価格はできるだけ据え置きたいと希望したCさん。収益を保つためには、材料にかかるコストを下げるしかありません。1品少なくしたり、少しでも安価な材料を手に入れようとしたりしましたが、以前よりレッスン内容が劣ってしまったのは否めません。材料の仕入れにコストがかかっていることを説明していないので、生徒の中にはレッスン内容に不満を持つ人が出ているようです。
  • 思い切って値上げする場合
    生徒離れがあることも覚悟しつつ、思い切って値上げしようと考えたCさん。値上げの理由は「消費税増税」いう経済情勢の変化であることを生徒にはちゃんと説明し、質の高いレッスンを続けるため受講料を値上げさせてほしい、とお願いしました。受講生から信頼を得ていたCさんの提案には誰も反対せず、一人の退会者もなしに値上げに踏み切ることができました。

<考察>

消費税は今後10%に上がるかもしれませんし、デフレが解消され物価が上がっていく可能性もあります。そういった経済情勢に合わせて物やサービスの値段も変えていかなければ、十分な収入を手にすることができなくなるでしょう。もちろんこれは料理教室のみに当てはまることではなく、サービスを行うために何かを仕入れなければならない、コストが掛かるような商売すべてにいえることで、値上げによる客離れを心配して価格を据え置いたとしても、将来ずっとその値段でやっていくのはいつか限界がきます。それでコスト削減に着手すると、クライアントに満足してもらえるクオリティーを保てなくなるかもしれません。

同じように、銀行の振り込み手数料や、クラウドソーシングサイトの利用手数料といったものも今後、値上げになるかもしれません。理由や根拠が明確にあるなら、クライアントに値上げをお願いするのは当然のことです。堂々と値上げ交渉を行いましょう。

 

最も大事なことは、自分のギャラが適正かどうかに関心を持っているかどうかです。状況に応じてギャラ交渉をするのは当然のことと認識し、フリーランスとクライアント双方が「win – win」であるような良好な関係を目指しましょう!

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