ITエンジニア業界はブラック企業が多い? その構造的原因と対策とは

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ITエンジニア業界はブラック?

昨今日本中で問題となっている「ブラック企業」についてITエンジニアの業界ではどのように考えていけば良いのかを解説します。
ブラック企業はおそらくどのような業種・業界にも存在すると考えられます。ITエンジニアの世界だけ例外ということはないでしょう。しかしながら、そもそもブラック企業の定義とは何でしょうか。この点、明確な定義が存在するわけではありませんがインターネットでリサーチすると概ね次のような条件が当てはまる企業のことをブラック企業と呼ぶようです。

  • 意に反した長時間労働
  • 過大なノルマ
  • パワハラやセクハラの常習化
  • 残業代未払い

など

では実際、ITエンジニアのブラック企業問題はどのように捉えるべきでしょうか。ITエンジニア業界で労働者から漏れる不満からこの業界におけるブラック企業問題は読み取れそうです。筆者の周りのITエンジニアから漏れる不満の多くは以下のようなものです。

  • 残業が多い
  • 残業代が支給されない
  • 休日出勤が多い

このような声を踏まえ、この記事ではITエンジニア業界におけるブラック企業問題を多面的に捉え、なぜそのような問題が発生するのか、そしてITエンジニアを目指す人に向けて問題のある企業はどのようにして見極めれば良いのかといったことをお伝えします。

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目次

ITエンジニア業界の多重下請け構造

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ブラック企業問題のひとつは常軌を逸した残業の多さです。ブラック企業と評される企業はまず間違いなく「長時間残業」という問題を抱えているように見受けられます。ではITエンジニア業界における残業が発生する要因は何でしょうか?この要因がはっきりすれば、長時間残業問題に近づくことができると考えられます。

長時間残業が発生する要因としては次の2点が考えられます。

  • 業界の多重下請け構造
  • 遂行が極めて困難な条件に基づいた見積もりと受注

まず業界の多重下請け構造の例を示してみましょう。これは実際に筆者がITエンジニア業界で目にした問題です。

(多重下請け構造の例)
案件AをIT会社Xが受注します。IT会社Xは要件定義を請け負った上で基本設計をIT会社Yに発注します。IT会社Yは基本設計〜詳細設計を行った上でIT会社Zに製造(プログラムとテスト)を依頼します。IT会社Zは自社の社員のみならず、ソフトハウス、フリーランスに製造を発注します。

このように案件AはIT会社X・Y・Z・ソフトハウス・フリーランスと多重構造で進みます。
これも全てがスムーズに進めばまったく問題ありません。Z→Y→Xと発注したものが順調に納品されれば特に問題はないはずです。しかしながら、システムの設計や製造、一般的に言えばものづくりの現場において全てがスムーズに進むとは限りません。

要件定義や問題策定の内容に不備が見つかることもありますし、基本設計を見直す場合もあります。案件Aを発注した会社が業務を変更すればあらゆる範囲に変更が影響します。

通常であれば、仕様凍結後の仕様変更には別途見積もり、スケジューリングのやり直し、リリース後のバージョンアップなどで対応しますが各社の力関係や会社の状況次第ではそのような手続きがなされず、なし崩し的に納期や報酬はそのままにプロジェクトが進んでいくことも考えられないことではありません。

このような状況が多重下請け構造において発生するとどんな事態が考えられるでしょうか。
当然、IT会社XはIT会社Yに仕様の変更を伝え、これはIT会社Zやフリーランスに波及していくことになります。そして全てのフェーズにおいて手戻りが発生し、全体のスケジュールが遅延することになります。

ここで各社の力関係が不均衡、不適切である場合、IT会社X・Y・Zは報酬や納期はそのままに手戻りや変更を受け入れることになります。

この場合、手戻りや変更が発生したため労力は増大したにも関わらずスケジュールはそのままの状態のため1日8時間労働の前提は崩れて10時間、12時間という過重労働を強いられることになるでしょう。

関連記事:あなたは大丈夫?システムエンジニアにとってブラックとは何か

ITエンジニア業界=ブラックではない

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さて、このように考えるとITエンジニア業界全体がブラック企業のように思えるかもしれませんが、それは違います

あくまでも会社間の力関係や取引が不適切だからこそ起こる問題です。通常、このような状況になればスケジューリングのやり直し、増えた労力を補うために報酬を増額して外注やフリーランスを投入するという形で労働者の負担の増大を抑える策がとられます。

つまり、このような策をとることができない、または意図的にとらない会社がブラック企業と呼ばれても仕方ないような労働をプログラマやエンジニアに強制していると考えるのが自然でしょう。

ではなぜ、会社間の力関係や不適切な取引が生まれるのでしょうか。これは以下の節で解説します。

受注前に見積もりの内容を見て!ブラック企業が出す見積もり

会社間の力関係や不適切な取引、これはその会社がプロジェクトに参画する前から発生していることが多いと考えられます。というのも、プロジェクトを受注する場合は事前に見積もりを提示する、入札をすることがほとんどです。この段階において、ブラック企業と評される企業の多くは以下のような見積もりを提示します。

(例)

  • 1日8時間労働ではなく長時間労働や残業を前提とした見積もりを提示する
  • 3ヶ月かかると考えられるプロジェクトの納期を2ヶ月に圧縮する

これらはどちらも「労働者の残業や休日出勤を前提とした」見積もりです。このような見積もりは発注側にとって、納期の短縮、安い見積もりとなるため発注のハードルが下がるでしょう。会社としてはハードルが下がった分、受注を受けることが比較的容易になります。そしてそのしわ寄せは労働者にきてしまうということです。

これらの見積もりには圧縮したスケジュールに関する経費、つまり残業代や外注費は存分に含まれているとは言い難いものです。よって結果としてブラック企業と評されるような労働をせざるを得ないという状況になります。

ブラック企業を見極めるためには

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ITエンジニア業界でなぜブラック企業が生まれてしまうのか、これを構造的な問題から解説しました。これはあくまでも一例にすぎませんがこの考察からもブラック企業を見極めるポイントがいくつか浮かび上がります。

会社間の力関係や不適切な取引といった問題がないかどうかを事前に判断することは有用なことです。しかしながら現実的にそれが困難なことだとしても、労働者側でできることはあるでしょう。

その企業が業界内でどのような役割を果たしているのかをとらえることで多重下請け構造のどのあたりに位置するのかを見ることができます。

例えばユーザー系企業であれば、親会社の社風や経営者の考え方を見ることでどのような力関係があるのかを考える一助になるでしょう。また、独立系で成長著しい企業であっても不適切な取引をしているとは限りません。技術の裏付けを基にして着実に業績を上げていく企業もありますし、離職率や社員数の増減といったパラメータも参考になるはずです。

もっとも筆者が勧める見極め方は「面接」です。実際に社長やその企業の社員と接することからも多くの情報が得られます。実際にあった例としては、「オフィス移転中を理由に居酒屋で社長や社員と面接したが、面接は20分程度で飲み会となり解放されたのは終電間際だった」「ここだけの話、残業代は出せないと言われた」といったことがありました。

これらがブラック企業の条件にあてはまるかどうかは読者の皆様の判断になります。しかしながらこれらの情報は企業を見極める上で重要な情報になるものです。

このような情報は実際にITエンジニア業界で働いている知人からも得ることができるでしょう。

以上から、ブラック企業かどうかの見極めは「情報収集」「情報を基にした考察」「実際に現場に足を運んでみる」ということが重要だと考えます。

ITエンジニア業界で働く方、目指している方へ

この記事で上げたブラック企業が生まれる構造や問題、見極め方はあくまでも一例です。ただどんな形であれブラック企業は長時間労働や休日出勤、法令を遵守しない労働を強いてくると考えられます。

もちろんものづくりである以上は長時間の残業が発生することもありますが、その発生要因、自分の体力、自分の目から見てその労働をするに足る理由があるか、納得できるかどうかが最終的にブラック企業かどうかを見極める、判断する条件でしょう。

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