サラリーマンとして会社に勤めている方は、給料から天引きされていますので、あまり年金を納めている意識はないかもしれません。しかし、フリーランスの場合は年金を自分で納めなければいけません。加入する年金もサラリーマンとは種類が異なりますので、毎月納める金額や将来もらえる金額も変わってきます。ただ、フリーランスの特権として、年金をお得に納める方法もあります。老後、お金に困ることのないように、いまから年金についてよく考えておきましょう。
この記事では、
- フリーランスとして働いているが、将来年金がいくらもらえるのか不安な方
- これからフリーランスを始める、始めたばかりで、年金について知りたい方
- フリーランスが納める年金の負担を軽くしたい方
のために、フリーランスが加入する年金や毎月の掛金、将来もらえる金額、任意加入の年金などについてお伝えします。
フリーランスはサラリーマンと同じ年金には入れない?
サラリーマンや公務員は、「第2号被保険者」として、「国民年金」と「厚生年金」の両方に加入しています。これは会社が半額を負担して、給料から天引きされているものです。給与明細を見れば一目瞭然でしょう。
一方フリーランスは、「第1号被保険者」として「国民年金」に加入することになります。同じ国民年金ですが、第1号被保険者となるため、サラリーマンからフリーランスになるときに切り替えが必要です。市町村役所に行き、自分で手続きを行わなければいけません。
フリーランスが加入しなければいけない年金
上述のとおり、フリーランス(個人事業主)は、国民年金に加入する義務があります。これは義務であり、”加入しない”という選択はできません。国民年金は、「1階部分」に相当する年金で、20歳以上60歳未満の方のすべてが加入するものです。毎月、一定額を年金として納めます。そうすると、65歳から毎月年金を受け取れるというわけです。
それでは、いったい毎月いくら納めなければいけないのでしょうか?
毎月いくら年金を納めなければいけないのか?
実は、毎月納める金額は、年度によって異なってきます。令和4年度(2022年)の国民年金の1か月あたりの保険料額は16,590円となっており、前年(令和3年度)の16,610円と比べると、月額で20円、年額で240円値下げされています。保険料が年度により異なるのは、物価の上昇率や実質賃金額などが考慮されているためです。
それでは、これほどの金額を納めて、いったい将来いくら年金がもらえるのでしょうか?
年金をお得に納める方法とは?
前納や早割を利用する
前納とは、毎月の年金保険料をまとめて前払いすることです。前払いの期間は「6ヶ月分」「1年分」「2年分」の3種類があり、期間に応じて年金保険料が減額される、というメリットがあります。前納は現金での納付も可能ですが、口座振替のほうが割引額が多くなります。たとえば2年前納の場合では、現金で毎月納付する場合と比較して15,790円割引されるので(令和4年現在)、お金に余裕がある方は前納しておいたほうがお得です。
早割とは、保険料の納付期限である翌月末よりも早い当月末に口座振替で支払うことをいいます。早割で支払う場合、毎月50円割引されます。ただし早割の割引が適用されるのは口座振替での納付に限ります。
家族の分もまとめて納付する
国民年金保険料は、所得控除の対象になります。そのため家族の分もまとめて納付し、所得控除として適用することで税額を軽減できます。
国民年金以外にもフリーランスが加入できる年金がある
強制加入の国民年金以外にも、任意で加入できる年金制度がいくつかあります。将来受け取れる年金額に不安がある方は、”3階部分”として、任意加入の年金に加入しておきましょう。
付加年金制度
毎月の国民年金保険料に400円上乗せして納めることで、将来受け取る年金額を増やせる制度です。「加入月数 × 200円」だけ年額の支給額が増えます。たとえば、25年(300ヶ月)加入していたとすると、
300ヶ月 × 200円 = 60,000円
が年額として支給されますので、月にして5,000円支給額が増えることになります。つまり、2年間で元が取れる計算になりますので、なかなかお得な制度です。なお、申し込みが必要なため、加入する方は早めに申し込んでおきましょう。
国民年金基金
国民年金基金は、国民年金に上乗せする年金制度で、フリーランスの方などの第1号被保険者のために創設されたものです。さまざまなプランが用意されており、支払う年金額も少額から始められるため、加入しやすい制度になっています。また、支払った掛け金は所得控除の対象となりますので、節税にもなってお得です。
個人型確定拠出年金(iDeCo)
「個人型確定拠出年金(iDeCo)」とは、掛け金を積み立てて金融商品を運用することで将来受け取る年金額が変動する年金です。毎月の掛金は5,000円から68,000円の間(1,000円単位)で設定でき、国民年金基金と同じく金額所得控除の対象となります。運用は、運営管理機関が選定する商品の中から自由に組み合わせて行います。運用により大きな利益が期待できる反面、元本割れしてしまうリスクがある点に注意が必要です。
まとめ
フリーランスが加入する年金のことがお分かりになりましたか?お財布と相談して、年金をまとめて納められないか考えてみましょう。また、任意で加入する年金についても、老後の生活費や貯金などを考慮して、加入するか考えてみてください。若い方は、あまり老後のイメージが湧かないかもしれませんが、長い老後に備えて若いうちから準備しておくとよいでしょう。
参照:国民年金への切り替えと年金額について解説した記事はこちら
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