知っておきたいフリーランスの源泉徴収〜完全理解マニュアル | クラウドワークス テック(旧クラウドテック)

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会社勤めの方にはなじみ深い源泉徴収。退職してフリーランスになった方にはもう縁がないものと考えていませんか?

それはとんでもない誤解です。源泉徴収は確定申告や還付申告など税の手続きに関わる大切なことです。
会社員時代は経理の方に任せておけばよかったかもしれませんが、フリーランスは年末調整や各種申告を自分で行わなければならないため、しっかり理解しておきたいところです。

この記事では源泉徴収の基本を解説し、さらに源泉徴収票(支払調書)の見方や還付金などについても解説します。ぜひご覧下さい。

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目次

源泉徴収とは何か

日本では、納税者自らが納税額を計算して申告する納税方式をとっています。
しかし全員が税額をきちんと計算し納付するというのは現実的には困難で、納税者・徴収側の両方にとっても負担です。

そこで給与や報酬を支払う側(事業者)が、給与を支払う際にあらかじめ年間の所得にかかる税金(所得税)を差し引きます。これを源泉徴収制度といいます。

源泉徴収の対象となるもの

源泉徴収の対象となるものは給与所得です。また、以下の報酬や料金も源泉徴収の対象となります。

<源泉徴収が必要な報酬・料金の範囲>

  1. 原稿の執筆料や講演料、デザイン料
  2. 社会保険診療報酬支払基金法の規定により支払われる報酬
  3. 弁護士、税理士等、特定の資格を持つ人への報酬
  4. 野球選手、モデル、外交員などに支払う報酬
  5. 宴会コンパニオンやホステスなどの報酬
  6. 芸能人や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬
  7. 広告宣伝のための償金や馬主に支払われる競馬の賞金
  8. 契約金など役務の提供を約束した場合に一時的に支払う報酬

参照:国税庁「No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは」

源泉徴収税の納付はいつまで?

源泉徴収された所得税は、雇用主または報酬の支払者が国に納付します。納付期限は所得や報酬が支払われた翌月の10日までです。

源泉徴収税の計算方法と請求書の書き方

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源泉徴収税の計算

源泉徴収税は税率10%ですが、復興特別消費税が0.21%加算されるため、10.21%で計算します。ただし、1回で支払う金額が100万円を超える場合は計算方法が異なります。

・1回で支払う金額が100万円以下の場合

支払金額×10.21%=源泉徴収税額

・1回で支払う金額が100万円を超える場合

(支払金額-100万円)×20.42%+102,100円=源泉徴収税額

請求書では消費税を別に記載する

源泉徴収税は支払報酬に対して課税されますので、請求書に消費税も含めた「54,000円」と金額を記載した場合、54,000円×10.21%の5,513円が源泉徴収されます。

ただし、請求書で報酬50,000円、消費税等4,000円と額を明確に分けて記載した場合には、報酬50,000円の部分が源泉徴収の対象となります。したがって計算式は50,000×10.21%=5,105となり、税額が異なってきます。請求書の記載の仕方で源泉徴収税額が変わってしまいますので注意しましょう。

源泉徴収が発生する場合の請求書

源泉徴収が発生する場合、支払側がその責務を負います。つまり上記の仕事に該当する場合は請求書を作る際も注意が必要です。

例えばデザイン料50,000円の案件の場合の請求書には、
報酬50,000円+消費税4,000円-源泉徴収税5,105円(源泉徴収所得税5,000円、復興特別消費税105円)=請求金額48,895円と記載します。

正しい請求を行うことはフリーランスとしての信頼にも繋がりますので、きちんとおさえておきましょう。

クライアント指定の請求書の場合などの対応

請求書はフリーランスが作成することもあれば、クライアントからひな形や内容を指定される場合もあります。その際、源泉徴収額は必ず明記しましょう。

というのも、後述するように確定申告では税金を払いすぎないように還付申告を行うことができますが、1つ1つの請求に対して源泉徴収の有無などを確認するのは膨大な手間になります。そのため、源泉徴収額がはっきりとわかるようにしておくことが大切です。

税金の納め過ぎを防ぐ!確定申告と還付金

フリーランスの場合は年度ごとに確定申告を行い所得税を支払いますが、源泉徴収が発生している場合はクライアントを通じてすでに税金を一定額支払っていることとなります。

よってそのまま所得税を支払うと税金を二重(所得税・源泉徴収税)に支払うこととなりますので、源泉徴収税額には注意が必要です。
確定申告の際には源泉徴収税額も記載して、税金の額をきちんと計算しましょう。

還付申告や更正の請求期間は5年!

なお、給与所得者の場合、払いすぎた税金を返してもらう申告を還付申告と言います。例えば医療費が年間70万円かかってしまったが、確定申告をすることができなかった場合などが考えられます。

個人事業主の場合は確定申告で税金を払いすぎた税金を返してもらうため、更正の請求を行うこととなります。

いずれの場合も、5年間が期限で申告や請求の時期は問いません。

意外と知らない源泉徴収票・支払調書のこと

フリーランスの手元には年が明けた1月頃、クライアントから源泉徴収票や支払調書が届きます。これらは源泉徴収額が確認できるという意味では同じものですが、違いに少し触れておきましょう。

源泉徴収票と支払調書の違い

源泉徴収票とは給与や退職金を支払った会社が作成する書類のことで、1年間の給与収入や各種手当、各種控除額や所得税額等が記載されています。源泉徴収票を確認することで、会社からの支払金額と自分の納税額が分かります。
一方、支払調書とは個人事業主が支払を受けた際に受け取る書類のことで、報酬額や源泉徴収額が記載されています。

いずれにしても源泉徴収金額、つまり前払いした税額を知りたい場合に役立つ書類です。

源泉徴収票と支払調書は源泉徴収税額を確認する

源泉徴収票や支払調書といった書類には必ず、給与や報酬として支払われた金額と源泉徴収された金額が記載されています。

フリーランスの場合、支払調書の「源泉徴収税額」を合計したものが前払いしている税額です。

すべての支払調書でこの金額を合計すれば、あなたが納めた源泉徴収税額がわかります。確定申告で活用しましょう。

源泉徴収税額を把握しない確定申告はあり得ない?!

源泉徴収税額は前述したようにすでに納めている税金ですが、これを確定申告で考慮しなければどのくらいの差が出てしまうのでしょうか。

<モデルとなるフリーランスの例>
年収400万円
必要経費50万円
源泉徴収額30万円

年収400万円のフリーランスの場合、必要経費50万円と基礎控除額48万円を差し引くと課税される所得は400万円-50万円-48万円=302万円です。
この場合の所得税の計算式は

300,000円×10%ー97,500円(所得が195万円以上330万円未満の控除額)=204,500円です。

源泉徴収額を考慮しなければこの金額が所得税として課税されます。しかしすでに源泉徴収税として30万円支払っているため、この部分の税金を納める必要はなく、204,500円-300,000円=-95,500円が返ってくるという計算です。

204,500円を支払うのか、95,500円受け取るのか。どちらがよいかは明らかですね。

源泉徴収税額を把握して適切な納税をしましょう!

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この記事では源泉徴収に関する説明や源泉徴収票・支払調書の見方、還付金などについて説明しました。

難しいと考えてしまいがちな税金ですが、1度慣れてしまえばそれほど難しいものではありません。
源泉徴収票や支払調書など、書類の記載事項をきちんと把握することから始めましょう。

参照:源泉徴収の計算方法や注意点などを解説した記事はこちら!

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